レビュー
終わらないファイルのコピーが楽しいゲームに一変「Copy Dialog Lunar Lander」
矢印キーでスラスターを操作し、探査船をソフトランディングさせよ!
2022年9月12日 14:37
ファイルのコピーが終わるまで次の作業が行えず、ダイアログの転送状況グラフをただ眺めているだけしかない――そんな経験はないだろうか。今回紹介する「Copy Dialog Lunar Lander」は、そうしたシチュエーションにぴったりなジョークアプリ。転送状況のグラフを荒涼な月面に見立て、探査機のスラスターを巧みに操作しながらソフトランディングさせるゲームに変えてしまうことができる。
「Copy Dialog Lunar Lander」は「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT」。リリースページから無償でダウンロードできる。
ZIP形式の書庫ファイルを展開するとなかにはたくさんのファイルが収められているが、「CopyDialogLunarLander.exe」という実行ファイルをダブルクリックして起動すると、タスクトレイに常駐し、ファイル操作ダイアログが表示されているかどうかを監視する。ダイアログが現れれば転送量グラフへ自動でゲームをオーバーレイ(重ねて、覆って)描画する仕組みだ。グラフに「Click to Play」というメッセージが現れたら、マウスでグラフをクリックしてゲームを開始しよう。
遊び方は簡単で、基本的には[↓]キーを押して推進剤を噴射し、探査機が地面に激突しないようにゆっくり着陸させるだけだ。転送量グラフが急激に変動したら、[→][←]キーもうまく使って「山」や「谷」を避けていこう。うまくいかない場合は、タスクトレイアイコンのメニューからゲームの難易度を「Hard」(初期設定)から「Easy」へ変更する。「Hard」では5m/s以下でランディングしないとクラッシュしてしまうが、「Easy」ならばそのハードルが10m/s以下へと緩和される。
また、コピーするファイルの種類やコピー先を工夫してもよいだろう。たとえば、単一の巨大なファイルをローカルSSDにコピーすれば、転送量は安定し、ゲームは簡単になる。一方、比較的小さなファイルを大量に・低速な外部ストレージやNASへコピーすれば、転送量は安定せず、かなり難しいステージになるはずだ。それでも物足りない場合は、地球の裏側のVPNを介してコピーしてみてもよいかもしれない。
なお、ゲームはスペースキーでリセットが可能。着陸に失敗した場合も、スペースキーでリスタートできる。もし「緑」の月面に飽きたら、Windowsのハイコントラストモードなどでダイアログの配色をカスタマイズしてみよう。工夫次第でいろいろな世界を再現できる。
作者によると、本ソフトはオーバーレイ描画を実装すれば着陸ゲーム以外も楽しめる設計になっているとのこと。これ以上の機能拡張の予定はなさそうだが、腕に覚えのある開発者がいれば新しいゲームを開発してプルリクエストを送ってみるのもよいだろう。
ソフトウェア情報
- 「Copy Dialog Lunar Lander」
- 【著作権者】
- Sanakan8472 氏
- 【対応OS】
- Windows(編集部にてWindows 11で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0(22/09/05)