レビュー
右ドラッグでウィンドウのどこを掴んでも移動・リサイズできる便利ツール「DragWin」
仮想デスクトップの切り替えやウィンドウの不透明度調整も可能
2024年11月29日 11:57
「DragWin」は、ウィンドウ操作を支援するユーティリティ。メインとなる機能は、マウスの右ボタンでドラッグすることでウィンドウを移動できるようにすることだ。[Alt]キーや[Ctrl]キーを押しながら行うアプリはほかにもあるが、本ソフトは基本的に“マウスの右ボタン”のみで操作を完結できるのが利点と言える。
本アプリは「GitHub」のリリースページからダウンロード可能。まだ利用者が少ないため、「Microsoft Edge」などでダウンロードすると警告が発せられることがあるが、執筆時現在、動作に不審なところはなさそうだ。
なお、初回起動時に「.NET」デスクトップランタイムのインストールが必要になることがある。ダイアログの案内に従えば自動でダウンロードされるので、手動でインストールしよう。
ダウンロードした「DragWin.exe」を実行すると、タスクトレイに常駐する。本ソフトにはさまざまな機能が詰め込まれているが、各機能のON/OFFはタスクトレイアイコンの右クリックメニューから行う。
- Enable:本ソフトの有効化・無効化を切り替え
- Start on login:OSへのログイン時に本ソフトを実行
- Set window top:(常にグレーアウトされて操作できない)
- Scroll windows:アプリの切り替え
- Resize corners:右ドラッグで移動だけでなくウィンドウのサイズ変更も行う(後述)
- Auto FancyZone:「PowerToys」の「FancyZones」機能と連携
- Screen overflow:(不明、または編集部環境で機能せず)
- Wheel gesture:ホイールジェスチャー機能
- Opacity scrolling:[Alt]キーを押しながらマウスホイールを操作して、ウィンドウの不透明度を調整
冒頭に述べたように、本ソフトの主要な機能は 右ドラッグによるウィンドウの移動 だ。ウィンドウを移動させるには通常、タイトルバーを(左)ドラッグする必要があるが、本ソフトならウィンドウのどこを掴んでいても、右ドラッグで移動が可能。
最近はタイトルバーにコマンドボタンや検索バーを置くアプリが増えており、タイトルバーをドラッグするにも掴むところがなくて困ることが少なくないが、「DragWin」ならばその心配はない。 「Auto FancyZone」 オプションを有効化していれば、ウィンドウ移動の際に「PowerToys」の「FancyZones」で定義しておいたレイアウトへウィンドウをスナップできるので、お気に入りの位置・大きさへウィンドウを配置するのも簡単だ。
さらに、 「Resize corners」 オプションを有効化していれば、ウィンドウのリサイズも右ドラッグで可能。上下の端(おおむね境界から20ピクセル以内)を右ドラッグすれば高さを、左右の端を右ドラッグすれば幅を、隅の方であればその両方を変更できる。
他のアプリの操作を妨げない工夫もいくつか施されており、たとえばフルスクリーンアプリケーションでは無効化される。ファイルの右ドラッグで想定外の動作になることもあるが、基本的に他のアプリの右クリック機能が使えなくなることはないだろう。
そのほかにも、 「Wheel gesture」 オプションを有効化すると、マウスホイール(中)ボタンを使ったジェスチャーが利用可能。中ボタンを左右にドラッグするとデスクトップ全体を掴んだような状態となり、仮想デスクトップを切り替えられる。
また、 「Scroll windows」 は一種のタスク切り替え機能のようで、中ボタンを押し下げたままホイールを操作することで、ウィンドウの裏にあるアプリを最前面に移動できる。
「Opacity scrolling」 オプションのみは“マウスだけで”操作できる本ソフトの例外で、[Alt]キーの押し下げを必要とする。マウスホイールでウィンドウの不透明度を調整可能だ。
ソフトウェア情報
- 「DragWin」
- 【著作権者】
- PinchToDebug 氏
- 【対応OS】
- Windows(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.9.45(24/09/30)