レビュー

マルチモニター環境で役立つ機能がいっぱい詰まった「Multi Monitor Extension」

カーソル移動の制限、ウィンドウのワープ、モニターごとの壁紙設定など

「Multi Monitor Extension」v3.4.2

 「Multi Monitor Extension」(MMEx)は、マルチモニター環境で役立つ機能を集めたユーティリティ。Windows XP/Vista.7/10に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 11で動作を確認した。ベクターのライブラリページからダウンロードできる。

 「MMEx」が提供する機能は多岐にわたるが、以下のように整理できるだろう。

 それぞれの機能は個別にON/OFFできるので、まずは気になった機能から試してみるとよい。

カーソル移動の補助

カーソル移動の制限

 本ソフトでもっとも有用な機能のうちの一つが、[モニター間のカーソル移動を制限する]オプションだ。これを有効にしておくと、マウスカーソルはディスプレイの境界を超えられなくなる。意図せずカーソルが他のディスプレイへ移動し、見失ってしまうといったトラブルを避けることができるだろう。

 この移動制限は、[Shift]キーを押すことで一時的に解除できる。つまり、[Shift]キーを押しながらマウスカーソルを移動させるときだけ、ディスプレイをまたいだ移動が可能。カーソル移動の制限を解除するキーは、[Shift]キー以外の修飾キー([Alt]キーや[Ctrl]キー)にすることもできる。

[モニター間のカーソル移動を制限する]オプション

カーソルをフォーカスのあるウィンドウへ移動

 そのほかにも、カーソル移動の補助としては[フォーカスが他のモニターのウィンドウに移った場合、マウスカーソルをそのウィンドウ上に移動する]というオプションが用意されている。上述の移動制限を有効化していても機能するので、[Alt]+[Tab]キーなどによるタスク切り替えでも、マウスカーソルをフォーカスがあるウィンドウへ移動させることができる。

ウィンドウの移動とリサイズの補助

ウィンドウを移動するときに半透明にしたり、ディスプレイの端にピッタリ吸いつくようにしたり、ディスプレイからはみ出ないようにすることが可能

 ウィンドウの移動とリサイズに関しては、以下のオプションが用意されている。

  • ウィンドウの移動・リサイズ時にモニターからはみ出ないようにする
  • ウィンドウを移動させた場合、モニターの端に近づくとピタッとくっつくようにする
  • ウィンドウの移動・リサイズ時に半透明にする(Windows 11では機能せず)
  • ウィンドウのワープ機能

ウィンドウのワープ

 ウィンドウの移動・リサイズに関するオプションは文字通りの意味なので特に説明の必要はないかもしれないが、ワープ機能の操作だけは少しわかりづらいかもしれない。

ウィンドウのワープ機能。基本となるのは「始動操作」+数字キーで指定したモニターへウィンドウを移動させるコマンドだ

 ウィンドウワープとは、簡単に言えば 「始動操作」+数字キーで指定したモニターへウィンドウを移動させる ことのできる機能だ。

 「始動操作」には、[Ctrl]を2回押す(キー操作)またはウィンドウのタイトルバーでマウスの中ボタンを押す(マウス操作)のいずれかが利用可能。「始動操作」を行うとウィンドウがグレーアウトし、以下の操作を受け付けるようになる。

  • 数字キー:1~9番目のモニターに移動
  • [Shift]+数字キー:指定したモニターの左半分の位置に移動
  • [Ctrl]+数字キー:指定したモニターの右左半分の位置に移動
  • 矢印キー:現在のモニターの左・右・上・下半分の位置に移動
  • 左クリック:現在のモニターの左半分の位置に移動
  • 右クリック:現在のモニターの右半分の位置に移動

 ウィンドウのグレーアウトを解除するには、他のウィンドウへフォーカスを移動させるか、[Esc]キーを押せばよい。

 「始動操作」+数字キーで任意のモニターにウィンドウを飛ばせるのが、本機能の醍醐味。それ以外の組み合わせはオマケのようなもので、便利だと感じたときに覚えるとよいだろう。

 そのほかにも、ウィンドウの移動などの操作にホットキーを割り当てることができる。

ウィンドウの移動などの操作にホットキーを割り当て
除外設定も可能

壁紙の設定

ディスプレイごとにデスクトップ壁紙を割り当て

 「MMEx」では、それぞれのディスプレイに異なるデスクトップ壁紙を割り当てることが可能。ファイル形式はBMP/JPEG/PNGをサポートしており、「拡大(縮小)して表示」「並べて表示」「中央に表示」の3つの表示方法を選べる。

それぞれのディスプレイに異なるデスクトップ壁紙を割り当て

フォトフレーム

 加えて、本ソフトは「フォトフレーム」という機能を搭載している。これはデスクトップ壁紙の指定した位置に任意の写真をオーバーレイ(重ねて)表示できるというもので、デスクトップ壁紙にアクセントを加えることができる。

タスクトレイアイコンの右クリックメニューからフォトフレームを追加
位置、大きさ、透明度などを指定して、決定する
壁紙の上のフォトフレームをオーバーレイ表示できる。フォトフレームは複数表示でき、デスクトップ壁紙にアクセントを加えることが可能

ウィンドウを1つのモニターに集約

 そのほかにも、タスクトレイアイコンの右クリックメニューから全ウィンドウをプライマリーモニターに集めることが可能。サブモニターに散らばったウィンドウを整理したいときに役立つ。

タスクトレイアイコンの右クリックメニュー

 なお、管理者権限で起動したアプリのウィンドウで「MMEx」の機能が期待通りに動作しない場合は、「MMEx」を管理者権限で再起動(権限の昇格)する必要がある。これもタスクトレイアイコンの右クリックメニューから行える。

ソフトウェア情報

「Multi Monitor Extension」
【著作権者】
しゅう 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista.7/10(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.4.2(16/06/25)