いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】箱ひげ図って何?箱ひげ図の作成方法や対象データのばらつきを視覚化するテク

箱ひげ図って何? Excelで作成できるの?

 Excelを使えば、さまざまなグラフを作成できますよね。でも、Excelが提供する多種多様なグラフを使いこなしている人はそう多くはないのではないでしょうか。「縦棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフぐらい知っていればいいんじゃないの?」と思っている人もいるかもしれません。でも、データ分析に使える統計グラフを覚えておくと、ビジネスでも大変役に立ちます。

 今回は、知っていると便利な統計グラフのうち、「箱ひげ図」というグラフの作成方法を解説します。箱ひげ図という名前は、聞き慣れない人も多いかもしれませんね。箱ひげ図は、データ分析の際、分析対象のデータにどのくらいばらつきがあるのかを見るのに最適なグラフです(なお、今回解説する方法で箱ひげ図を作成できるのはExcel 2016以降になります)。

箱ひげ図はデータ分析で使用するグラフ

 そもそも「箱ひげ図」って、どんなグラフか知っていますか? 見た目は、四角い箱の上下にひげのような線が付いており、このため「箱ひげ図」と呼ばれています。

 箱ひげ図の構成要素について解説しましょう。箱ひげ図の上端に付いている横線(ひげの部分)が最大値を表しており、下端に付いている横線(ひげの部分)が最小値を表しています。中央にある「×」印は平均値を表しています。

 箱の下辺を「第1四分位数」、箱の中に引かれる線を「第2四分位数」、箱の上辺を「第3四分位数」と呼びます。「第1四分位数」は、データを最小値から最大値まで小さい順に並べて4分割した時に、小さい方から25%の位置にある値です。小さい方から50%の位置にある値を「第2四分位数」と呼び、同様に75%の位置にある値を「第3四分位数」と呼びます。それぞれの区間の中に同じ数だけデータが存在しています。

 この箱ひげの例では各区間の間隔がほぼ同じですが、もし、箱ひげ図の区間が短ければデータが集中しており、区間が広ければデータのばらつきが大きいことが直感的に把握できます。

 箱ひげ図の概要はこのくらいにして、実際に箱ひげ図を作成していきましょう。

箱ひげ図を作成しよう

 では、箱ひげ図を作成してみましょう。箱ひげ図の元になる「営業成績表」(①)には、所属ごと(営業1課と営業2課)に、各社員が契約した件数が記録されています。

 箱ひげ図にしたいセル範囲(A2:C62)(②)を選択します(画面の都合上、すべてのデータは表示されていませんが、実際はセル範囲A2:C62に値が入力されています)。続けて、[挿入]タブ(③)→[統計グラフの挿入](④)→[箱ひげ図](⑤)をクリックします。

 すると、シートの中央に箱ひげ図が作成されます(⑥)。営業1課と営業2課の箱ひげ図を作成できました。グラフタイトルを入力しておきます(⑦)。

 この2つの箱ひげ図を比べてみましょう。最大値(⑧)は、営業1課、営業2課ともにおよそ同じ値ですが、最小値(⑨)は営業2課の方が小さいことがわかります。また、データの分布も異なっています。営業2課は、各四分位数の区間の間隔がほぼ等しく(⑩)、データがおよそ均等に分布されていることがわかります。一方、営業1課は、第2四分位数と第3四分位数の間隔が非常にせまく(⑪)、この周辺にデータが集中していることがわかりますね。

Excelで箱ひげ図を作ってみよう

 今回は、Excelで「箱ひげ図」を作成する方法を解説しました。箱ひげ図はあまり馴染みのないグラフだったかもしれませんが、データの傾向を視覚的につかむ時に大変便利なグラフです。ぜひ一度、作成してみてくださいね。