いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】良い資料は表のデザインから違う!印象が劇的に変わる4つのテクニック

表の見栄えを良くして伝わる資料を作りたい!

 時間をかけて作成したExcelの報告書を見せたところ、相手の反応が思わしくなく、何でだろう……なんてモヤモヤしたことはありませんか。もしかすると、見た目のせいで内容の良さが伝わっていないかもしれません。どんなに素晴らしい内容の資料を作ったとしても、見る人にそれが伝わらなければ意味がありませんよね。ほんの少し手間をかけるだけで、格段に見栄えの良いExcel資料を作ることができますよ。

 次の「事業所別集計表」を見てください。左右の表とも内容は同じですが、左側(①)は、数字がただ羅列していて、レイアウトにもメリハリがないため、わかりづらい印象を受けます。でも、このような表は、少しの工夫で右側(②)のように見やすい表に変身させられます。

 今回は、この「事業所別集計表」の例を使って、Excelの表の見栄えを格段にアップさせるための4つのワザを解説します。これらのワザを使って、左側の表を修正して右側の表に仕上げていきましょう。

ワザ❶:金額を見やすくする

 今回の「事業所別集計表」のような表では、金額をわかりやすく見せることが重要です。でも、この表は数値の桁数が多いため、ぱっと見いくらかがわかりません(①)。そこで、セルの表示形式を使って、たとえば「33882345」を「34」のように、桁数を省略して「百万円単位」で表示させてみましょう。

 金額が入力されたセル範囲(B4:G9)(②)を選択した状態で、[ホーム]タブ(③)→[数値]グループの右下にある矢印(④)をクリックします。

 すると、[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[表示形式]タブ(⑤)が選択されていることを確認し、画面左側の欄から[ユーザー定義](⑥)を選択します。画面の中央にある[種類]欄に、「#,##0,,」(⑦)と入力します。ここで指定する書式については、以前の記事で解説していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

 入力できたら、[OK](⑧)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 すると、セル範囲B4:G9の金額が百万円単位で表示されるようになり、先ほどの表よりも見た目がすっきりしますね(⑨)。桁数を省略していることを示すため、欄外に単位を記載(⑩)しておきましょう。

ワザ❷:行の高さを変更する

 Excel 2016以降では、シートの既定の行の高さは「18.75」に設定されていますが、今回のように数字がたくさん並んでいる表では、少し窮屈に感じます。そこで、行の高さを広げてみましょう。

 まず、行の高さを変更したい範囲を選択します。3~9行目の行見出しをドラッグ(①)すると行全体を選択できます。

 行全体を選択した状態で、行番号の境界線(ここでは行番号3と行番号4の境目)にマウスポインターを合わせると、マウスポインターの形が変わるので、そのまま下にドラッグ(②)します。マウスポインターの近くにポップヒント(③)が表示されるので、変更後の行の高さを数値で確認できます。

 表全体の行の高さを広げることができました(④)。

 セル内で上下に余白があったほうが、数値が読みやすいですよね。

ワザ❸:罫線を減らす

 表を作成したら、必ず格子罫線を引かなければならないと思っていませんか? 格子罫線を引いた表から縦の線を取り除いたほうがすっきりとした印象になることもあります。ここでは、表を横の線だけにしてみましょう。

 まず、セル範囲A3:H9をドラッグして選択(①)した状態で、[ホーム]タブ(②)→[配置]グループの右下にある矢印(③)をクリックします。

 すると、[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されるので、[罫線]タブ(④)を選択し、中央部にある[罫線]欄で内側の縦線を指すボタン(⑤)をクリックします。

 すると、プレビュー枠内に表示されていた罫線のうち、中央の縦線が消えました(⑥)。

 同様にして、左右両側の縦線を指すボタン(⑦と⑧)も続けてクリックします。すると、プレビュー枠内に表示されていた両側の縦線も消えます(⑨)。[OK](⑩)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 シートに戻ったら、セル自体の枠線も非表示にしてみましょう。[ページレイアウト]タブ(⑪)→[枠線]欄にある[表示]をクリックしてチェックマークをオフ(⑫)にします。「事業所別集計表」の表から縦の線が表示されなくなりました(⑬)が、縦の線がないからといって、項目同士の区切りがわかりづらくなるということはありませんね。むしろ、すっきりした印象になりました。

ワザ❹:フォントサイズ、色の変更はポイントを絞る

 Excelでは、文字の大きさや太さを変更したり、文字に色を付けたり、セルの背景を塗りつぶしたりなど、文字やセルにさまざまな装飾を施すことができますが、たくさんの色を使ったり、派手な色を使ったりすれば良いかというと、そうではありません。この項では、Excelでフォントやセルなどを装飾する際に、押さえておくべきポイントを解説します。

 人それぞれ好みはあるかもしれませんが、ビジネス文書では、あまり色数を増やさず、シンプルを心がけながら、メリハリを付けて見やすくするのがポイントです。この例の表見出しは、セルの背景色に鮮やかなブルーが設定されています。決して悪いわけではありませんが、もう少しシックでビジネスっぽくし、かつ見やすくなるように調整してみましょう。

 表見出しのセル範囲A3:H3を選択した状態(①)で、[ホーム]タブ(②)→[塗りつぶしの色]の横にある矢印ボタン(③)をクリックすると、メニューが表示されるので、濃いグレー(④)を選択します。

 セルの背景色が濃いグレーになりました(⑤)。このままではもちろん見づらいので、文字の色を変更します。セル範囲A3:H3を選択した状態のまま、[フォントの色]の横にある矢印ボタン(⑥)をクリックすると、メニューが表示されるので、白色(⑦)を選択します。

 選択した範囲の文字が白色に変わりましたね。さらに、文字の視認性を上げるために、太字にします。続けて、[ホーム]タブ→[太字](⑧)をクリックします。

 文字がはっきりと見えるようになりました(⑨)。モノトーンで落ち着いた雰囲気を出しつつ、見出しとしてちゃんと目立っていますね。

 表見出しに色を付け、太字に変更したため、1行目の表タイトルが少し埋もれて見えます。よって、少し文字を大きくしましょう。セルA1を選択した状態で、フォントサイズの右横にある矢印ボタン(⑩)をクリックすると、メニューが表示されるので、今回は[18](⑪)を選択します。

 表タイトルが大きく表示され(⑫)、目立つようになりました。最後にもうひと手間かけて、9行目の合計行を太字にしてみましょう。セル範囲A9:H9を選択した状態(⑬)で、[ホーム]タブ→[太字](⑭)をクリックします。

 すると、合計行が太字で表示され、メリハリが出ましたね(⑮)。無理に派手な色を選ばなくても、色の濃淡を調整したり、ピンポイントで文字の大きさや太さを変えたりするだけで、しっかり伝わる資料になることをわかってもらえたのではないでしょうか。

伝わるExcel資料にするために

 今回は、Excel表の見栄えを格段にアップさせるための4つのワザを解説しました。内容が良くても、見た目が悪くて相手に伝わらない……なんていうことになるのは非常に残念です。今回解説した4つのポイントを押さえるだけでずいぶん見やすい資料になりますよ。ぜひ一度試してみてくださいね。