いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】複雑な式を入力したくない!目標達成に必要な数値はゴールシーク機能で簡単に逆算できます

ゴールシークで結果を成し遂げるための目標値を求める

 普段の業務で、Excelを使ってさまざまなデータを管理することよくありますよね。例えば、次のような表(①)を作成して、売上を記録することもあるでしょう。Excelを、過去の実績データを記録する目的で利用しているといえます。

 一方で、ビジネスではしばしば、「〇〇円の利益を出すには、〇〇個売らなければならない」というような見立てをして、さまざまな経営判断をしたり、営業活動をしたりすることがあります。そんな時に役立つのがExcelのゴールシークという機能です。ゴールシークとは、計算結果が先に決まっていて、その結果を得るための値を逆算する機能です。その名のとおり、結果を成し遂げるための目標となる値を求める機能です。

 今回は、このようなExcelのゴールシーク機能について解説します。

ゴールシークを使ってみよう

 次の「商品Aの売上目標」の表で、ゴールシーク機能を使って売上目標とする売上高と単価から、目標達成に必要な個数を計算してみましょう。

 ゴールシークを使うには、まず、計算式が入力された表を準備しておく必要があります。売上高を求める計算式は「単価×個数=売上高」なので、セルB3には「B4*B5」(①)という数式を入力しておきます。セルB4の「単価」欄には決まった値(ここでは1,800円)(②)を入力し、セルB5の「個数」欄には仮の値(③)を入力しておきます。

 ここでは、目標とする売上高を1,000,000円に設定して、そのためには何個売る必要があるかを計算してみます。[データ]タブ(④)→[What-If分析](⑤)→[ゴールシーク](⑥)をクリックします。

 [ゴールシーク]ダイアログボックスが表示されます。まず、[数式入力セル]欄にセルB3を指定します。セルB3をクリックすると自動的に入力欄に「$B$3」(⑦)と表示されます(自動的に絶対参照の表示になりますが、問題ありません)。続いて、[目標値]欄には「1000000」(⑧)と入力します。最後に、[変化させるセル]欄には、今回求めたい「個数」を表示するセルB5を指定します。セルB5をクリックすると自動的に入力欄に「$B$5」(⑨)と表示されます(ここでも、自動的に絶対参照の表示になりますが、問題ありません)。

 データを入力できたら、[OK](⑩)をクリックします。

 すると、計算処理が行われます。処理がダイアログボックスに「解答が見つかりました。」(⑪)と表示され、シートの「個数」のセルB5には計算結果の数値が入力されます。ここでは、セルB5の計算結果は「556」(⑫)なので、1,000,000円の売上を達成するには、556個以上売る必要があるということがわかりました。計算結果を確認したら、ダイアログボックスの[OK](⑬)をクリックします。

 今回は、シンプルな例で解説したので、「売上高÷単価」という割り算をするのと何ら変わらないように思うかもしれません。でも、計算式が複雑になってくると、逆算を自動的に行ってくれるゴールシーク機能は便利に感じることでしょう。

ゴールシークを活用してシミュレーションをしてみよう

 今回は、Excelのゴールシーク機能の基本的な使い方を解説しました。今回はシンプルな例を使って解説しましたが、「粗利〇〇円出すために必要な売上個数を求めたい」とか「粗利率〇〇になるような売上個数を求めたい」など、複雑な計算式を使っている時に逆算できると便利ですよ! ぜひ応用してみてくださいね。