いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】マイナスの代わりに「▲」を直接入力するのはNG! 条件付き書式を使わずに負の数だけ書式を変える方法
2022年5月25日 06:55
マイナスの数値を目立たせる定番ワザ
「△」や「▲」が付いている数値が含まれている表がありますよね。決算書などで見かける表記方法です。カラーならば大抵赤い文字や背景になっているでしょう。例えば、「▲30,000」や「△5,000」の記載は「-30,000」「-5,000」のことを意味しています。経理や会計業務に携わる人は見慣れていても、社会人になりたての人にとっては特別な表記ですよね。
でもExcelで、見た目を優先して表示形式を[標準]のまま「-」の代わりに「▲」を手入力するのはNGです。数値として集計できなくなってしまいます。また、目立たせるためにわざわざ手動でフォントの色を「赤」に変更していたりしませんか?
数値の見た目を変えたいときは、必ず[セルの書式設定]ダイアログの[表示形式]タブで変更しましょう。セル内のデータへ変更を加えず、見た目だけを変えられます。
でも、[数値]分類の[負の数の表示形式]候補一覧には「△」と「▲」の表記と、数値を赤字で表示する表記が用意されていますが、「▲」を付けて赤字の選択肢はありません。頻繁に使う『マイナスの数値は赤字で「▲」を付ける』というオリジナルの表示形式を作って解決しましょう。
[セルの書式設定]ダイアログボックスはショートカットキーで呼び出そう
オリジナルの表示形式を作成する場合、[セルの書式設定]ダイアログボックスを利用します。一般的な操作として、日付やパーセンテージ、桁区切り記号などの指定のほか、罫線の設定など、利用する機会は多いものです。
この機会に[セルの書式設定]ダイアログボックスを呼び出すショートカットキー『[Ctrl]+[1]』を覚えておきましょう。マウス操作で[セルの書式設定]ダイアログボックスを呼び出すには、[ホーム]タブをクリックしてから[数値グループ]の[表示形式]ボタンをクリックと、ひと手間かかります。セル範囲を選択後に[Ctrl]+[1]キーを押すほうが手軽です。
「条件」で振り分ける
実はセルの表示形式にも「条件」を指定できます。[セルの書式設定]ダイアログボックスの[ユーザー定義]を選択してください。一覧に長い表示形式の候補が並んでいますよね。ここでは「#,##0;[赤]-#,##0」を選択して修正します。
「#,##0;[赤]-#,##0」をよく見ると、「;」(セミコロン)で挟んで「#,##0」と「[赤]-#,##0」となっていることがわかります。「;」の前がプラスの数値の場合の書式、後がマイナスの数値の書式を表します。つまりプラスの数値なら「#,##0」の表示形式、マイナスの数値なら「赤字」で「-」を付けた「#,##0」の表示形式という意味です。
今回指定する表示形式は『マイナスの数値の場合は赤字で「▲」を付ける』なので、「-」の部分を「"▲"」に修正すれば解決です。「#,##0;[赤]"▲"#,##0」となります。「▲」は半角の「"」で囲んでください。
なお、[赤]は赤字にするという意味で、緑色([緑])、青色([青])、黄色([黄])、紫色([紫])、水色([水])、白色([白])といった指定のほか、VBAで使われる「ColorIndexプロパティ」という指定方法により、[色50]のようにも表現できます。
ほかにも応用可能
ここで紹介した法則はほかにも応用できます。例えば、「¥#,##0;[赤]"▲"¥#,##0」とすれば、プラスの数値は「1,234」マイナスの数値は赤字で「▲1,234」となります。後ろに「"円"」を追加して「#,##0"円";[赤]"▲"#,##0"円"」なら「▲1,234円」となります。数値により表示形式が切り替われば手作業で設定し直す手間がなくなりますよね。業務内容にあわせて活用してください。