いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】チェックボックスを使ったリストを作成! チェック数の自動集計機能を実現

Excelでもチェックボックス入りのリストを作れます

ONの数が自動集計される「チェックボックス」を作ろう

 ワークシートにレ点を付けるチェックボックスを挿入したいことがありませんか? チェックリストやToDoリスト、アンケートなど、利用する機会はありますよね。印刷物であれば、セルに「□」と入力しておく手もありますが、当然ワークシート上のチェックボックスとしては機能しません。苦肉の策で「○」「×」などを入力することもあるでしょう。

 クリックでチェックのON/OFFを切り替えて、ついでに集計もできると捗りますよね。実現するのは難しそうですが、実は図形の挿入のような操作で完結できるのです。[開発]タブの機能を使うので、まずは[Excelのオプション]で設定を変更。仕組みを覚えてしまえば、いろいろなワークシートで応用できます。さっそく作ってみましょう。

[ファイル]タブから[オプション]をクリックして[Excelのオプション]を表示しておきます。[リボンのユーザー設定](①)をクリックして[開発]のチェックボックス(②)をONにし、[OK](③)をクリックします

チェックボックスを挿入するコツ

 [Excelのオプション]でExcelの設定を変更すると[開発]タブが表示されます。[挿入]ボタンから[チェックボックス(フォームコントロール)]を選択して挿入します。ここまでの操作は問題ないでしょう。見やすいように拡大して操作を紹介します。

[開発]タブ(④)から[挿入](⑤)→[チェックボックス(フォームコントロール)](⑥)の順にクリックします
任意の位置をクリック(⑦)します。図形の描画と同じようにドラッグしても構いません
チェックボックス(⑧)が挿入されました

 挿入したチェックボックスの選択に戸惑うはずです。いつも通りマウスの左ボタンでクリックするとチェックが付いてしまい選択できません。[Ctrl]キーを押しながらクリック、もしくは右クリックしてメニューを表示して、メニュー以外の場所をクリックしてメニューを閉じます。

 また、チェックボックスを挿入すると自動的に「チェック1」といった文字列が挿入されます。チェックボックスのみを使いたい場合は不要なので削除しましょう。チェックボックスを[Ctrl]+クリックで選択状態のままクリックしてカーソルを表示します。右クリックしてメニューから[テキストの編集]を選択しても構いません。

 文字列を削除したらチェックボックスを選択。チェックボックスの周りに表示されたハンドルをドラッグして大きさと位置を調整します。この際、枠の大きさがセルからはみ出ないように気を付けてください。後でオートフィルでコピーできなくなります。

チェックボックスの挿入直後は「チェック1」といった文字列(⑨)が入力されています。[Ctrl]キーを押しながらチェックボックスをクリックして選択。そのまま、もう一度クリックしてカーソルを表示します。[Delete]キーや[Backspace]キーで文字を削除します
文字列を削除したらチェックボックス以外の場所をクリック(⑩)します
「チェック1」の文字が削除されてチェックボックスのみ(⑪)になりました
チェックボックスを選択して大きさと位置を調整しておきます(⑫)

チェックボックスとセルを連動させる

 挿入直後のチェックボックスは、ON/OFFできるだけの状態です。目的はデータの集計ですから、チェックの状態に応じて「値」を取得できる仕掛けが必要になります。「リンクするセル」を指定しましょう。以下の操作でチェックがONで「TRUE」、OFFで「FALSE」の値を取得できるようになります。

チェックボックスを右クリック(⑬)して[コントロールの書式設定](⑭)を選択します
[コントロールの書式設定]ダイアログボックスが表示されました。[リンクするセル]の入力欄(⑮)をクリックして、リンクするセル(⑯)(ここではセルB1)をクリックします。[OK](⑰)をクリックします。
任意の場所をクリックしてチェックボックスの選択を解除しておきます。チェックボックスをクリックしてチェックマークを付けると、リンクしたセル(⑱)に「TRUE」と表示されました
チェックボックスをクリックして、チェックマークをはずすと、リンクしたセル(⑲)に「FALSE」と表示されました

チェックボックスをコピーする

 以下はセルC3へ先ほどと同様にチェックボックスを挿入し、リンクするセルを設定した状態です。オートフィルでコピー可能です。ただ、チェックボックスを配置したセルを選択しようとすると、チェックボックのON/OFFが切り替わってしまうので、周囲のセルを選択してから矢印キーでアクティブセルを移動するのがコツです。

チェックボックスを配置したセルを選択(⑳)します。周囲のセルを選択してから矢印キーでアクティブセルを移動するとうまくいきます
フィルハンドルを下方向へドラッグ(㉑)してコピーします

 無事チェックボックスをコピーできましたが、「リンするセル」が正しくありません。[コントロールの書式設定]ダイアログボックスから修正しておきます。

コピーしたチェックボックスのうち、ひとつチェックマークをはずす(㉒)と、すべてのチェックボックスからチェックマークがはずれてしまいます
チェックボックスを右クリック(㉓)して[コントロールの書式設定](㉔)を選択します
[リンクするセル]の入力欄(㉕)をクリックして、リンクするセル(㉖)(ここではセルD4)をクリックします。[OK](㉗)をクリックします
ほかのチェックボックスでも同様に設定しておきます

 マクロを使ってチェックボックスの設定をまとめて変更する方法もありますが、ここではひとつずつ確認しながら設定を操作してください。

集計用の関数を入力する

 ここまでできればデータの集計は簡単です。チェックボックスの状態に応じて「TRUE」と「FALSE」の値を取得できているので、関数式を入力します。ここでは条件に一致するデータの個数を数える「COUNTIF関数」を入力してみます。「TRUE」「FALSE」の文字が邪魔なら文字色を「白」にしておきましょう。

セルC13に「=COUNTIF(D3:D12,TRUE)」(㉘)と入力します。『セルD3からD12の範囲で「TRUE」を数える』という意味です
チェックマークの付いたセルの数を数えられました

 「TRUE」と「FALSE」の値を条件判定に使えるので、さまざまなケースに応用できますね。例えば、SUMIF関数で条件に一致する数値を合計することもできますし、IF関数とVLOOKUP関数を組み合わせるといった使い方もできます。複数のチェックボックスを用意して複数条件を扱うCOUNTIFS関数やSUMIFS関数などにも応用可能です。