いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】新NISAを利用した「つみたて投資」の試算表をエクセルで作ってみる
2024年12月18日 06:55
新NISAってお得なの? エクセルでシミュレーションしてみよう
2024年から新NISAが始まりました。ニュースなどで耳にしたことのある人も多いでしょう。通常の投資で得た利益から差し引かれる約20%の税金が新NISAの口座では免除されます。と言われても、投資に興味がなければ何のことやら?ですよね。
NISAの制度は2014年からありましたが、手続きが煩雑なため、あまり普及していませんでした。それが今年2024年、“簡単で使いやすい”を売りにアップデートされて新NISAとなり話題となっているわけです。18歳以上なら誰でも口座開設可能。最大1,800万円まで(内、成長投資枠は1,200万円まで)投資できます。
ただ、わかりやすくはないですよね。そもそも1,800万円も持っていないし、コツコツ預金すればいいのでは?という人もいるでしょう。金融庁の「つみたてシミュレーター」でも試算できますが、今回は、エクセルを使って、新NISAを使って資産運用した場合のシミュレーションをしてみたいと思います。
シミュレーションに必要な情報を入力する
緑色のセルに必要な情報を入力します。ここでは、35歳の人が2025年から35年間、月額30,000円の投資する例を紹介します。想定利回り(年率)は、投資対象によって異なりますが、全世界株をイメージして5.0%としています。
セルE2の「年間つみたて額」は、単純に12カ月分として「=D2*12」です。西暦と年齢は直接入力してオートフィルでも構いませんが、シミュレーターらしくSEQUENCE関数を使ってみます。セルA3, B2 ,C2の数値に連動して下の表が変化します。
- セルA5の数式(西暦の自動計算):=SEQUENCE(A2,1,B2)
- セルB5の数式(年齢の自動計算):=SEQUENCE(A2,1,C2)
- セルC5の数式(1年目の元金):=$E$2
- セルD5の数式(1年目の運用益):=C5*$F$2
- セルE5の数式(1年目の評価額):=C5+D5
1年目の1行目の数式は単純。元金はセルE2を参照、運用益と評価額も掛け算と足し算のみです。
2年目以降の計算式
運用益をそのまま再投資して、月々のつみたて額も同じ、想定利回りも変化しない前提とします。2年目以降は前年の評価額に年間の積立額を足します。運用益は合算済みの元金から算出、評価額は元金と運用益の合計なので、1年目の数式をコピーします。
- セルC6の数式(2年目の元金):=E5+$E$2
- セルD6の数式(2年目の運用益):=C6*$F$2
- セルE6の数式(2年目の評価額):=C6+D6
評価額の桁数だけ見ても結構な金額になっていますよね。年単位で運用益を計算しているため、金融庁のシュミレーターと誤差はありますが、想利回りを月単位に直しても結局は概算となります。ここで、普通に預金した場合の数値を入力してみましょう。普通預金に金利はほぼ付かないので、年間のつみたて額を単純に加算しています。
- セルF5の数式(1年目の預金):=$E$2
- セルF6の数式(2年目の預金):=F5+$E$2