いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】えっ、サブスクにお金使いすぎ? エクセルで簡単に利用額を見直す方法

契約中のサブスクの元をとるには何回使えばいい?

簡単な数式でサブスク契約を見直そう

 動画や音楽のストリーミングサービスや書籍の読み放題サービス、アプリの定期利用など、ほとんどの人が何らかの“サブスクリプションサービス”に課金していると思います。サービスにもよりますが、ひと月あたりで500~2,000円程度なので、何となく契約していませんか?

 考えたくないところですが、冷静に考えると結構な金額を支払っているかもしれません。今回は、Excelで簡単な数式を入力して、以下のような“サブスク見直し表”を作ってみたいと思います。

年額、もしくは月額の利用料金(①)を入力すると、ひと月あたりの金額(②)を計算します。1回の利用で許容できる金額(③)を指定すると、ひと月あたりで元をとるのに必要な利用回数を求めます(④)

 この例では、よく使われそうなサービスを入力してみましたが、想像より支払っている印象です。金額を目の当たりにすると、節約しようという気になりますよね。処理の内容は単純な割り算と条件分岐だけ。すぐに試せます。

年額と月額でひと月あたりの金額を求める

 まず、ひと月あたりの金額を算出する数式を考えると、年払いの場合は「12」で割って求められます。月払いの金額はそのまま使えます。

 B列には年額、C列には月額を入力する前提としており、セルD3に入力する数式を考えると、以下の条件分岐が考えられます。

1.セルB3が空欄でなければ、セルB3の値を「12」で割った値を入力する

2.セルC3が空欄でなければ、セルC3の値をそのまま入力する

 IF関数を使って条件を分岐すると以下のような数式になります。

=IF(B3<>"",B3/12,IF(C3<>"",C3))
セルD3に「=IF(B3<>"",B3/12,IF(C3<>"",C3))」と入力(⑤)します
オートフィルでコピーすると、年額の場合は「12」で割った値、月額の場合はそのままの値が入力されました(⑥)

 なお、もう少し踏み込んでイレギュラーなケースを想定すると、以下の条件も考えられます。

3.年額(セルB3)と月額(セルC3)の両方に入力されたとき

4.年額(セルB3)と月額(セルC3)の両方に入力されていないとき

 これらの条件を追加する場合は条件が4つになってしまい、IF関数で処理するのは少し面倒になります。「IFS関数」がおすすめです。構文は以下の通り。引数[論理式]と引数[真の場合]をセットで指定します。

IFS関数の構文。引数[論理式]と引数[真の場合]をセットで指定します

 セルD3の数式を書き換えると以下のようになります。「かつ」を表現するには、AND関数を使います。「AND(B3<>"",C3<>"")」は「セルB3が空白でない、かつセルC3が空白でない」、「AND(B3="",C3="")」は「セルB3が空白、かつセルC3が空白」という意味です。

=IFS(B3<>"",B3/12,C3<>"",C3,AND(B3<>"",C3<>""),"年額か月額を指定",AND(B3="",C3=""),"")

元をとるためのひと月あたりの利用回数を求める

 1回の利用で支払ってもいいと思える金額を入力した時に、何回で元がとれるかを計算してみましょう。「ひと月あたりの金額」を「許容できる金額」で割って丸めるだけです。小数点以下を繰り上げしたいので、ROUNDUP関数を使います。2つめの引数[桁数]は「0」となります。

=ROUNDUP(D3/E3,0)
セルF3に「=ROUNDUP(D3/E3,0)」(⑦)と入力して、下方向にオートフィルでコピーしています。ひと月あたりで元をとる利用回数が表示されました(⑧)

 許容できる金額を変更すると、元をとる利用回数は変化します。もし、E列が空欄の場合を回避したいなら、IF関数とAND関数を組み合わせて以下のような数式が考えられます。

=IF(AND(D3<>"",E3<>""),ROUNDUP(D3/E3,0),"")

プライベートでも数式を使ってみよう

 業務では面倒に感じるIF関数のネストも、プライベートに直結すると便利に思えるから不思議です。AND関数を利用した「かつ」の判定もよく使われます。サブスクの見直しも兼ねて、ぜひ使ってみてください。