いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】「リボ払い」って本当に危険なの? エクセルでざっくり計算して確認してみた
2024年3月21日 06:55
簡単な数式で「リボ払い」のリスクを確認してみよう
ECサイトでの買い物をはじめ、街中でのキャッシュレス決済など、クレジットカードを使う機会は多いですよね。必ず1回払いで済ませる、高額の支払いだけ分割にするなど、使い方はいろいろありますが、「リボ払い」は危険と聞いたことがありませんか?
“マイペース”“名人”“定額”といった名称で利用しやすいように感じますが、実質年利(実質年率)は15%程度に設定されていることがほとんどです。一般的な分割払いやショッピングローンと比較して高い金利です。
今回は、エクセルの簡単な数式を使って、リボ払いの大まかな手数料をシミュレーションしてみたいと思います。特に高額決済時の手数料の高さを実感できると思いますよ。
リボ払いの手数料計算の考え方
リボ払いの“実質年利”が曲者です。借入額に対する利率と思いがちですが、月々の返済額の少ないリボ払いでは、なかなか返済が進みません。
手数料は実質年利を12(カ月)で割って、借入残高と掛け合わせることで求められます。借入残高に対して毎月計算されるため、返済完了時には手数料が膨らんでしまうわけです。
手数料=借入残高×実質年利÷12(カ月)
月々の定額に手数料を含める元利定額返済の場合、例えば、10万円を月5千円でリボ払いすると、初月の返済額は手数料を差し引いた4千円弱となります。翌月は約9.6万円に対する手数料が発生します。翌々月は約9.2万円に対する手数料、その翌月は約8.8万円に対する手数料……、と返済完了までくり返されます。
返済表に数式を入力する
借入額(セルB1)と実質年利(セルB2)、月々の支払額(セルB3)は、それぞれのセルに直接入力します。返済表には[回数][借入残高][手数料][返済額]の列を用意しておきます。ここでは100行用意しました。手数料や返済額を自動計算する数式は後ほど入力します。
- セルE2の数式(借入額 1回目):=B1
- セルF2の数式(手数料):=E2*$B$2/12
- セルG2の数式(返済額):=$B$3-F2
- セルE3の数式(借入額 2回目):=E2-G2
前述の手数料の計算式をエクセルの数式に書き換えます。実質金利と月々の支払額への参照は、数式のコピー時にずれないように絶対参照とします。それぞれの数式をコピーしておきましょう。
手数料の合計を求める工夫
手数料の合計を求めるためにSUM関数を入力したところ、マイナスの数値が表示されてしまいました。これは手数料の数式で求められたマイナスの値も合計したためです。
手数料の数式を工夫して、マイナスの場合は「0」と表示するようにしましょう。MAX関数を使う方法が簡単です。以下のように修正します。
=MAX(E2*$B$2/12,0)
MAX関数は引数に指定した値から最大値を返します。引数に「0」を含めた場合、他の引数がマイナスの数値や「0」になると最大値は「0」となります。
返済回数を求める
XLOOKUP関数を使って返済回数を求めてみます。ここでは、手数料が「0」になった時の1回前が最後の返済と考えて以下のような数式を考えました。[手数料]列から「0」を探して、[回数]列から対応する値を求めて「1」を引いています。
=XLOOKUP(0,F:F,D:D)-1