いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】隠しておきたい行や列に「非表示」は禁止! 「グループ化」の機能を使おう

隠したい行や列には「非表示」ではなく[グループ化]を使おう

非表示にした行や列は気付きにくい

 過去のデータなど、今確認する必要のない行や列を“非表示”にしてしまうことがありませんか? 削除できない情報を残しておく方法としては有効ですが、あまりおすすめできる機能ではありません。例えば、以下の表を見て、行と列が非表示になっていることにすぐに気が付けるでしょうか?

4~9行目、J~M列が非表示になっていますが、ぱっと見で気が付く人は少ないでしょう

 非表示にした行や列は過去に自分が作成した表であっても忘れてしまいそうですよね。ほかの人が作成した表ならなおさらです。

 しばらく操作して合計値が合わないことに悩んだ結果、非表示の行や列に気付くこともあるでしょう。また、行が非表示になっている場合、非表示の行にもオートフィルが適用されて意図通りの結果が得られないことがあります。

 さらに再表示する操作も手間がかかります。非表示の行や列に対して、くり返し操作している人もいますよね。非表示になっている「A」列を再表示できない……。という悩みもよく聞きます。

A列が非表示になっている時、再表示できないという悩みをよく聞きます

 以上のような理由から“非表示”のデメリットの大きい機能と言えます。今回は非表示になっている行や列を簡単に再表示させる方法と、ミスを減らす「グループ化」の機能を紹介します。隠れている行や列が明確になり、非表示と再表示の切り替えも簡単になりますよ。

セルを全選択して“再表示”する

 非表示になっている行・列を再表示する場合、隣接する行・列を選択して、行番号や列番号を右クリックする操作が一般的ですが、どうせ解除するなら一気に処理してしまいましょう。ワークシート左上の[◢]をクリックして、セルを全選択してから操作します。

 この操作なら、複数の列や行が非表示になっていてもまとめて再表示できます。もちろんA列の再表示も可能です。

ワークシートの左上にある[◢](①)をクリックして、セルを全選択します
任意の列番号を右クリックして(②)、[再表示](③)をクリックします
非表示になっていたJ~M列が再表示されました(④)
続けて、任意の行番号を右クリックして(⑤)、[再表示](⑥)をクリックします
非表示になっていた4~9行が再表示されました(⑦)

グループ化の機能を利用する

 非表示の代わりに「グループ化」の機能を使ってデータを開閉できるようにしてみましょう。折りたたみたい列や行を選択して[グループ化]ボタンをクリックするだけです。

 ただし、連続する列や行は複数回に分けてグループ化しても、ひとつのグループとして追加されていくことに注意してください。例えば、このサンプルの集計列を含めてB~E列をグループ化して、続けてF~I列をグループ化すると、A~I列がひとつのグループとしてまとめられます。

 複数のグループを作成する時は、グループの区切りとなる列や行を用意しておきます。空白の行や列でも構いません。この表には集計用の列と行が含まれているので、その手前までをグループ化します。

グループ化する列(ここではB~D列)を選択して(⑧)、[データ]タブ(⑨)の[グループ化](⑩)をクリックします
列がグループ化されてワークシートの上にボタンが表示されます。[−](⑪)をクリックします
グループ化した列が折りたたまれて、[+](⑫)に変わります。[+]をクリックすると列が開きます
続けて、F~H列を選択して(⑬)、[グループ化](⑭)をクリックします
F~H列がグループ化されました(⑮)
同様にJ~L列もグループ化しておきます(⑯)

 行のグループ化も同様に操作します。列と同様、連続する行をグループ化すると、ひとつのグループとしてまとめられてしまうので、4~9行、10~13行、15~18行をグループ化します。

グループ化する行(4~9行)を選択して(⑰)、[グループ化](⑱)をクリックします
行がグループ化されてワークシートの左にボタンが表示されます。[−]をクリックすると行を折りたたむことができます
同様に10~13行、15~18行もグループ化しておきます

 なお、グループは入れ子にして設定できますが、2階層くらいを目安にしておきましょう。深い階層を設定してしまうと、グループを示す[-]や[+]が複数表示されて、見にくくなってしまいます。

複数のグループを設定する場合は、2階層くらいにしておきましょう

グループ化で見やすく扱いやすくなる

 設定したグループは[データ]タブにある[グループ解除]ボタンから解除可能です。“非表示”よりも見やすく、操作も簡単ですよね。ぜひ活用してください。