初月100円!オススメGame Pass作品
80年代テクノで彩られるダンジョン探索アクション「Narita Boy」
日本文化に影響を受けた2Dグラフィックスとストーリーが魅力
2021年5月21日 16:00
超大作からインディーまで、100本以上の多彩なPCゲームが月額850円で遊び放題になるサービス「PC 用 Xbox Game Pass」。本連載ではその中から、おすすめのゲームをご紹介する。本サービスは初月のみ88%OFFの100円で利用できるので、気軽にお試しいただきたい。なお対応タイトルは入れ替えがあり、後日提供終了となるものもあるので注意。現時点でのタイトル一覧はこちら。
Microsoft StoreでPC用 Xbox Game Passを購入する
今回紹介する「Narita Boy」は、ダンジョン探索型のアクションアドベンチャーゲーム。1980年代のテクノのイメージで彩られた世界で、フィールドの仕掛けや敵キャラクターを突破しながら、物語を進めていく。本作は3月に発売されたばかりで、定額サービスの「PC 用 Xbox Game Pass」にラインナップされるのはお得感がある。
ゲームとしてはサイドビューの2Dアクションで、敵を倒しながら仕掛けを探すという、昔ながらのダンジョン探索アクションゲームである。ゲーマー的な表現を使うなら「メトロイドヴァニア」と呼ばれるジャンルと考えて差し支えない。なお本作はスペインで開発されているが、本作のディレクターが日本に住んでいた時に閃いたのだという。
その上で、本作には注目すべき点がいくつもある。まず2Dグラフィックスで描かれたビジュアルは、ドット絵感はあるものの、光の表現が美しく、古臭さを感じさせない。ただし白黒の強すぎるコントラストに、やたら原色が多くカクカクしたコンピュータチックなビジュアル表現は、なるほど1980年代のテクノを思わせる。
世界観も独特だ。ゲームの舞台となるのは、大人気ゲーム「Narita Boy」。ゲーム世界が現実世界と繋がり、クリエイターの記憶が「HIM」と呼ばれる者の手で消されてしまう。このゲームのプレイヤーであった主人公は、ゲーム世界のヒーロー「Narita Boy」として召喚され、世界を守るためにクリエイターの記憶を戻すための冒険に出る。
中二病感あふれる設定導入が慌ただしく、筆者もついていくのが精一杯という感じだが、ギャグっぽいノリはなく、シリアスな物語が展開される。遊び始めは荒唐無稽な展開に戸惑いも多いものの、消されたクリエイターの記憶を見つけるうち、プレイヤーがクリエイターの人生を追体験するような感覚も味わえる。これがとても先が気になる演出になっており、だんだんアクションゲームよりストーリーの方が気になってくる。
という感じで、遊んでいるうちに世界観にはある程度は慣れてくるのだが、日本人的目線ではやっぱり変なところがあちこちにある。主人公の体に書かれた「中」の文字(もしかすると文字ではないのかもしれない)や、装置を起動する時になぜか二拍手一礼のアクション、「そもそもなぜ『Narita』なのか? 成田なら新勝寺だし、二拍手一礼はどっちかといえば神社なのでは?」という疑問などなど、ツッコミどころは多い。
そういう疑問が物語の中で語られることもあるにはあるが、基本的には全部ひっくるめて、「また日本文化が謎の解釈をされたファンキーなゲームが出てきたぞ。いやファンキーじゃなくてテクノか」などと思って気楽に楽しむのがいい。
他の部分のインパクトが強すぎてアクション部分の説明をほとんどしていなかったが、本作は何度死んでも直前からリスタートできる。序盤からそこそこシビアなところもあるが、臆せず挑戦していただきたい。ゲームパッドの使用を推奨するが、キーボード操作も可能だ。