残業を減らす!Officeテクニック

メールの添付ファイルを自動保存! 「Microsoft Power Automate」でルーチンワークを減らす

 「詳しくは添付ファイルを参照してください。」といったメールを受信しますよね。その都度メールの添付ファイルを手動でダウンロードして、特定のフォルダーに保存してたりしませんか?

 たいした操作ではありませんが、添付ファイルを含むメールを日に10通受信するなら、ひと月で200回以上繰り返しています。単にファイルを保存しているだけなのに、です。受信するメールが多ければ、保存し忘れてしまうこともありますよね。

 このような煩わしさから解放されたいなら、Microsoftの提供する「Microsoft Power Automate」を使ってみてください。

 「Microsoft Power Automate」は、RPA(アール・ピー・エー)ツールのひとつです。RPAは「Robotic Process Automation」の頭文字で、パソコンを使った作業を自動化する仕組みや概念を意味します。「メールの添付ファイルを保存する」といった何度も繰り返す単純な操作の自動化にはRPAツールが適しています。

 添付ファイルは、OneDriveのほか、DropboxやGoogle Driveにも保存可能。 自動で クラウドドライブに保存されるので、外出時にスマートフォンからすばやく確認できるメリットもあります。

普段のMicrosoftアカウントで利用可能

 「Microsoft Power Automate」は、いつも使っているMicrosoftアカウントのみで利用可能。別途アプリをインストールする必要もありません。利用するクラウドドライブへのアクセス権限を「Microsoft Power Automate」に与える必要がありますが、Microsoftのサービスなので、神経質にならなくてもいいでしょう。

 ここでは「Outlook」のメール宛てに受信したメールの添付ファイルを、自分のOneDriveへ保存する手順を紹介します。

Microsoft Power Automate」にサインインしておく。[ホーム]→[電子メールの添付ファイルを整理する]の順にクリックして、[Outlook.comのメールの添付ファイルをOneDriveに保存する]をクリックする。一覧に表示されていないときは画面上部の検索窓から「Outlook.com」で検索する
Outlook.comとOneDriveにサインインしておく。サインインできたら[フローの作成]をクリックする
Outlook.comとOneDriveのサインイン時に「このアプリがあなたの情報にアクセスすることを許可しますか?」と表示されるので[はい]をクリックして許可しておく
[Outlook.comのメールの添付ファイルをOneDriveに保存する]のフロー(処理)が追加される。画面右上の[編集]をクリックする

 上記の操作により、[Outlook.comのメールの添付ファイルをOneDriveに保存する]という名前の処理が追加されます。「Microsoft Power Automate」では、自動化する処理のまとまりを「フロー」と呼んでおり、追加・作成したフローは画面左側のメニューにある[マイフロー]から確認可能です。

 フローの追加時は、詳細情報が表示された画面が表示されます。OneDriveの任意のフォルダーに添付ファイルを保存できるように設定を変更します。ただし、フォルダーの指定時に選択できるのは、既存のフォルダーのみです。「Microsoft Power Automate」の画面からフォルダーの新規作成はできないため、あらかじめOneDrive上にフォルダーを作成しておきましょう。

フローの詳細情報の表示された画面から[編集]をクリックした直後の画面。[On new email]と[Apply to each Attachment on the email]の項目が並ぶ。「新しいメールを受信したら」と、「メールの添付ファイルに適用」、フロー名そのままの処理だ。[On new email]をクリックする
[フォルダー]に[Inbox]と表示されている。メールアプリにおける「すべてのメール」の意味。右側のフォルダーアイコンをクリックして、特定のフォルダーを指定することも可能。ここではこのまま進める
[Apply to each Attachment on the email]をクリックし、その下の[Create file]をクリックした状態。[フォルダーのパス]の右側にあるフォルダーアイコンをクリックして、保存先のフォルダーを指定する。ここでは[電子メールの添付ファイル]フォルダーを選択した
他の項目を変更する必要はない。[保存]をクリックして変更内容を保存すると、画面上部に「フローを開始する準備ができました。テストすることをおすすめします」と表示される
画面右上の[テスト]をクリックした状態。[手動]を選択して[テスト]をクリックする
問題なくテストが完了すると、[On new email]と[Apply to each Attachment on the email]の項目に緑色のチェックが付く。これで設定完了

 設定を変更できたら、添付ファイルを含むメールを自分宛に送信してみます。指定したOneDrive上のフォルダーに添付ファイルが保存されているはずです。少し時間がかかることがあるので焦らず待ちましょう。

添付ファイルを含むメールを自分宛に送信して動作を確認しよう
先ほど指定したOneDrive上のフォルダーに添付ファイルが保存された

 ここまでできると、処理を条件分岐したくなりますが、残念ながら個人利用のMicrosoftアカウントでは不可能。単一処理として「差出人」や「重要度」を特定可能ですが、メールアプリで振り分けルールを指定しておき、フォルダーを指定するほうが得策です。

[On new email]にある[詳細オプション]を指定するの項目を開いた状態。この画面で絞り込むより、メールアプリの振り分けルールを設定しておき、そのフォルダーを指定たほうがいい

Gmailの添付ファイルも保存可能

 「Microsoft Power Automate」の[ホーム]画面には、よく利用されるフローが並んでいます。Gmailの添付ファイルをGoogle Driveへ、もしくはOneDriveやDropboxへ保存というフローもあります。設定変更の基本的な流れは同じです。各サービスにサインインして、保存先のフォルダーを指定します。利用環境に応じて設定してみてください。

Gmailの添付ファイルをGoogle Driveへ、もしくはOneDriveやDropboxへ保存というフローも用意されている