残業を減らす!Officeテクニック

Word文書に載っている画像をまとめて取り出す方法! ExcelやPowerPointでも使える裏技

 Wordで作成した資料に含まれている画像を使い回したいことはよくあります。Officeアプリ間なら、コピー&ペーストで事足りることも多いのですが、トリミングの位置を調整したい場合などは元データが欲しいですよね。また、1枚ずつ右クリックして[図として保存]を繰り返すのも疲れます。

 そんな時は今回の小ワザを使ってみてください。文書中の画像データをまとめて取り出せます。ここでは、Wordファイルを例に操作しますが、ExcelやPowerPointでも同様です。

拡張子を「.zip」に変更する

 Office 2007以降、Officeアプリの標準のファイル形式は「x」付きの拡張子「.docx」「.xlsx」「.pptx」となりました。この形式をMicrosoftは「Office Open XML」として仕様を決めており、ファイルはXMLベースのファイル形式で保存、関連するファイルをZIP形式で圧縮してまとめた構造になっています。

 ZIP形式で圧縮されているなら、中の画像ファイルを取り出すのも簡単です。操作は「.docx」の拡張子を「.zip」に変更して展開するだけです。

 もし、拡張子が表示されていない場合は、エクスプローラーを開いて、[表示]-[オプション]の順にクリック。[フォルダーオプション]ダイアログボックスの[表示]タブにある[登録されている拡張子は表示しない]のチェックマークを外しておいてください。

このファイルの画像をまとめて取り出したい。ファイルをいったん閉じる
元のファイルはそのままにしておきたいので、コピーを作成しておく。[F2]キーを押して、ファイル名を編集できる状態にして、「.docx」の拡張子を「.zip」に変更して[Enter]キーを押す
拡張子を変更してもいいかどうかの確認メッセージ。[はい]をクリックする
拡張子が変更され、ZIP形式のファイルアイコンに変わる。このファイルをダブルクリックする
ZIPファイルの内容が表示される。[word]フォルダーをダブルクリック
[media]フォルダーをダブルクリック
Wordファイルに含まれる画像ファイルの一覧が表示された。任意の画像をダブルクリックする
画像ファイルが表示された

挿入されている画像データより高画質にはならない

 上記の操作で万事解決のように思えますが、挿入された画像の解像度についても知っておいてください。Wordに挿入する画像の解像度は[Wordのオプション]の設定に依存します。また、[図の形式]タブにある[図の圧縮]から、画像サイズを縮小することも可能です。つまり、ファイル保存時に設定された解像度以上のデータは取得できません。

画像挿入時の解像度は、[Wordのオプション]の[詳細設定]にある[既定の解像度]で指定する。印刷目的なら[220dpi]、できれば[330dpi]としておきたい
[図の形式]タブにある[図の圧縮]ボタンから表示できるダイアログボックスで、選択画像の解像度を変更可能

 メールに添付するなど、ファイルサイズを小さくするために画像の解像度が低く設定されていることがあります。そのようなファイルから取り出した画像は、解像度が足りずに流用時にぼやけてしまう可能性があることを覚えておきましょう。

96dpiの設定で挿入した画像(左)と330dpiの設定で挿入した画像(右)。モニターの表示では同じように見える
それぞれのファイルから取得した画像のプロパティ(左:96dpi、右:330dpi)。サイズと解像度に違いがあることがわかる