残業を減らす!Officeテクニック
Excelの入力を根本から効率化! 「左手」テンキーは導入の価値アリ?
2022年8月8日 06:55
本連載では、Excelの時短テクニックもいろいろ紹介していますが、操作のすばやさやデータの入力速度には個人差があります。しかし、その差はハードウェアの違いによることも考えられます。具体的にはキーボードの違いです。
パソコン好きの人は除いて、キーボードのキーピッチが云々、パンタグラフ式でキーストロークが~、なんてことは気にしないでしょう。ほとんどの人はノートパソコンの画面が大きいか小さいか、重いか軽いかが関心事ですよね。あとは予算です。
しかし、ノートパソコンのキーボードの違いは作業効率に影響するのは事実。特に数値を入力することの多いExcelでは、数字キーや矢印キーをよく押します。自分の手に馴染むキーボードに出会えるのがいちばんですが、作業スペースが限られていれば、外付けのキーボード、特にフルサイズキーボードの利用は難しいでしょう。いちいち持ち歩くわけにもいきません。
そこで今回は、Excelの作業効率を上げるために、数値入力に特化した「テンキー」の導入について検討したいと思います。小型なので携帯するのも現実的です。
テンキーを選ぶ目安
テンキーの価格帯は1,000円以下から3,000円台。安価でも性能が悪いわけではありません。接続方式は、USB接続の有線タイプか、Bluetooth接続、もしくは専用のドングルで接続する無線タイプに分かれます。コスト重視なら有線タイプでしょう。USBポートを使うので、USBハブ内蔵のモデルがおすすめです。
四則演算に使う[+][-][/][*]キー、[Tab]キー、[Backspace]キー、[Enter]キーは、ほとんどのモデルに搭載されています。[00]キーはあれば便利。テンキーを矢印キー代わりに使いたい場合は「Num Lock」がメインのキーボードと独立した分離式のモデルを選びましょう。
本当にテンキーは便利なの?
結論からいうと「テンキー」は便利。特に連続して数値を入力する表では、入力完了までの時間にかなり差が出ます。以下のような簡単な表でも、手入力が必要なセルが[再発注数]列に25カ所、100回近く数字キーを押すことになります。
ノートパソコンのキーボード上部の数字キーで入力ミスなしで完了できる人は少ないでしょう。数字キーは意外と遠く、指を伸ばしてタイピングするとズレがちです。ほかのキーより数字キーが小さいキーボードなら余計に入力ミスが起こります。
その点、テンキーは数字キーが中心なので、指の動きも少なくて済みます。ただし、デメリットは邪魔なこと。右側に置くとマウスと干渉してしまいますね。
また、頻繁に使う「+」と「*」はテンキーからの入力が効率的です。キーボードでは[Shift]キーを押しながら[;]キーと[:]キーを押す必要があるので、効率がよくありません。
左手テンキーを試す
右側にテンキーを置くのが邪魔なら左側に置いたらどうか。よく聞く手法ですが、半信半疑で試してみました。少し時間がかかるものの、慣れれば普通に使えてタッチタイプも可能です。また、左手でも[Enter]キーが使えるのは意外な効能。近い位置にある[Tab]キーと[Backspace]キーも便利です。
マウス派の人なら右手のマウスから手を放さず数字入力できるのもメリットになります。セルの選択やExcel上のボタン操作は右手、左手は数値入力と役割分担できるので、入力デバイスを変更するロスがかなり減るでしょう。
なお、「Num Lock」のスイッチをOFFにすると、数字キーは矢印キー、[Home][End][PgUp][PgDn][Ins][Del]キーに切り替わります。ただ、左手テンキーなら数字キーのまま使い、矢印キーはメインのキーボードを右手で操作するのが効率的と思います。
左右の配置は好みとして、テンキーで数値の入力効率は上がるはずです。外付けのキーボードよりも手軽に導入できるテンキーは検討する価値アリです。