週末ゲーム

第511回

タブレットで遊ぶ! Windows 8のストアで配信中のゲームアプリ

定番から一発ネタまで。筆者オススメの8本をピックアップ

Windows ストアのゲームコーナー

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回のお題は、Windows 8に搭載されているアプリ配信サービス“Windows ストア”(「ストア」アプリ)からダウンロードできるゲーム。今回はあえてキーボードを使わず、タブレット端末だけで遊んでみた。

 Windowsストアでは、記事執筆時点で(「ストア」標準の設定では)約300タイトルのゲームが配信されている。その中には、Microsoftのスタジオが開発したものや、大手ゲーム会社が提供する大がかりなものもあれば、個人で制作したと思われるシンプルなものもある。ここではその中から、筆者が注目した8タイトルをご紹介したい。

走るガイコツを加速度センサーとタッチで導く「The Gunstringer」

「The Gunstringer」

 まっすぐ走るガイコツを操作し、フィールドにあるさまざまな仕掛けを突破していくアクションゲーム。前方からは柵や分かれ道などのトラップが現われるので、うまく避けて進んでいく。

 特徴は何といっても、操作にタッチパネルと加速度センサーを使う点。端末を左右に傾けて左右移動、端末を回転(自動車のハンドルの要領)させて分かれ道での方向転換、上下へのスワイプ(画面をなぞる)でジャンプと姿勢を低くしての前転、さらには時折現われるターゲットにタッチして射撃など、タブレット端末でのプレイを前提にした操作になっている。ほかにキーボード操作にも対応している。

 ゲームのルールはとにかく長く走るだけとシンプルだが、操作は多彩でスピード感もあり、かなり忙しい。Microsoft純正のゲームとあって、3Dグラフィックスやインターフェイス類も凝って作られている。

走るガイコツを、端末の傾きやタッチ操作で操る
途中にある罠をうまく抜けられないとゲームオーバー
「The Gunstringer」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
ダウンロード販売 120円
【バージョン】
-

端末を傾けて球を転がす「傾き迷路」

「傾き迷路」

 迷路に配置された球を、端末を傾けて転がすゲーム。閉じられた容器の中で、鉄の球をうまく転がしてゴールに導く玩具があるが、それをデジタルゲームとして作ったようなイメージ。端末を傾けた方に球が転がっていき、慣性も考えながらコントロールする。

 ゴールとなる場所へ球を運ぶ前に、迷路に配置されたドットをすべて回収する必要がある。こちらはイメージ的に「パックマン」のような感じ。ドットを集めてゴールできればステージクリアとなるが、途中で穴に落ちるとミスになる。

 見た目や遊び方はシンプルだが、現状では貴重な加速度センサー対応のゲーム。加速度センサーと球の挙動はかなり敏感で、慣性もある上、球はゴムボールのようにバウンドするので、本物の球を転がしているような実感がある。

Windows 8のUIを意識したタイル風のメニュー画面
球を転がしてドットを拾い、最後にゴールへと導く
「傾き迷路」
【著作権者】
Emurasoft, Inc.
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

定番ゲームに新ルールが多数追加「Microsoft Minesweeper」

「Microsoft Minesweeper」

 Windows用のフリーゲームとしては定番の「マインスイーパ」が大幅にリニューアル。数字のヒントをもとに爆弾を見つけ出していくという基本的なルールはそのままに、タッチパネルによる操作に最適化。タッチすればパネルをオープン、長くタッチすると爆弾をマークできる。ピンチ操作(2本指でタッチして開く・閉じる)で拡大・縮小もできる。

 通常ルールは初級、中級、上級の3段階を用意。さらに新たなゲームモードを2つ搭載している。“デイリーチャレンジ”では、日替わりで3つの特別ルールのゲームが用意されている。時間内にすべての爆弾を見つけるものもあれば、限られた手数ですべての爆弾を爆発させるものなどもある。

 もう1つの“アドベンチャー”では、「マインスイーパ」のルールでダンジョンを進んでいく。パネルを開くことでダンジョンの壁を壊せるので、罠(爆弾)を開かないように注意しながら進む。途中、矢やつるはし、ダイナマイトなどのアイテムも入手でき、それらを活用して敵を倒したり、岩を壊して進んだりといった要素もある。

 これまではOSとともに標準でインストールされていたが、Windows 8ではそれがなくなり、ストアからダウンロードする必要がある。

「マインスイーパ」のルールをダンジョン攻略に変えた新ルール“アドベンチャー”
スキンを変えれば、いつもと違う印象の画面に。ピンチ操作で拡大縮小も可能
「Microsoft Minesweeper」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.3.0.21227

2人対戦も可能な本格的かるたアプリ「小倉百人一首の世界」

「小倉百人一首の世界」

 小倉百人一首かるたを遊べるアプリ。音声で読み上げられる上の句を聞き、画面上に置かれた下の句のかるたをすばやく取る。

 1人プレイではCPUを相手にかるたを遊べる。2人プレイにも対応しており、端末を挟んで座れば、本物のかるたさながらのプレイ感が得られる。かるたを取る操作は、タッチして手前に引くという流れになっているので、対面していれば2人でプレイできるという仕組みだ。

 また、百ある句を解説つきで閲覧できる機能も収録し、小倉百人一首を覚える用途にも使える。リアルな小倉百人一首のかるたや、全体に和を感じさせるデザイン、本格的な音声の読み上げと、全体的な完成度が高い。価格は無料、というのに驚いてしまうほど丁寧に作られている。

メニューから和の雰囲気が漂う丁寧な作り
小倉百人一首の句を学ぶのにも使える。解説つきでわかりやすい
「小倉百人一首の世界」
【著作権者】
techGarage
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

マルチタッチも活用した思考型パズル「宝石を消す」

「宝石を消す」

 画面上にある宝石を動かし、縦横3つ以上の直線に繋いで消していくパズルゲーム。宝石は左右方向にしか動かせず、またステージごとに動かせる回数が決まっている。決められた回数ですべての宝石を消せればステージクリアとなる。

 基本的には「倉庫番」系の操作手順を考えるゲームとなっているのだが、本作はそれだけではどうしてもクリアできないステージがある。ヒントとしては、マルチタッチを使って2つの宝石を同時に動かしたり、下の宝石が消えて重力で落ちてくる一瞬の時間に次の操作が求められたりする。手順だけでなくタイミングも重要になるというのがユニークかつ、デジタルゲームならではの味わいがある。

 初級の25ステージを遊べる無料版が利用可能。中級以降も遊べる完全版は160円。

全75ステージのうち、25ステージまでは無料
マルチタッチで複数の宝石を同時に動かせるのがポイント
「宝石を消す」
【著作権者】
i'Mozo Studio
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

反応速度測定をユニークな題材にした「Iyo-Pon」

「Iyo-Pon」

 『いよー』という声に続いて、小鼓を叩く『ポン』という音が聞こえるので、その瞬間に画面をタッチする、というゲーム。音とともに画面には、“待て。”、“今だ!”という表示が現われる。タッチした後には、『ポン』の音からタッチまでにかかった時間が表示される。『ポン』のタイミングはランダムになっている。

 反応速度を図るミニゲーム、といえばよくあるものなのだが、題材を日本人にはなじみのある『いよー』、『ポン』にしているのがうまい。たったこれだけのゲームながら、飲み会の席などでパッと出してみると、ジョークアプリ的な意味でもちょっとウケそう。

『ポン』という小鼓の音に合わせてすばやく画面をタッチ
かかった時間が表示される。ゲーム好きな人は結構ムキになってやってしまいそう
「Iyo-Pon」
【著作権者】
shuto mikami 氏
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

モバイル端末ともリアルタイム対戦可能「将棋オンライン」

「将棋オンライン」

 タッチパネル対応の将棋ソフト。オンライン対戦に特化したゲームで、各プラットフォームに展開されており、同じアプリの利用者だけでなく、iOS向け「i将棋サロン」、Android向け「将棋オンライン」、Webブラウザー向け「将棋オンライン」の利用者とも対局できる。

 対局では持ち時間や駒落ちなども設定可能。勝敗に応じてレーティングが変動する。相手とのチャットや、対局中の人の観戦もできる。オンライン将棋の一通りの機能をシンプルにまとめるとともに、すべての操作がタッチパネルのみで行なえるのが魅力。

多数のプラットフォームから参加可能。もちろん相互に対局もできる
ハンデ戦も可能。実力差のある友達とも気軽に遊べる
「将棋オンライン」
【著作権者】
DreamOnline, Inc.
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

タッチで遊べるソーシャルゲームも登場「エルダーサイン」

「エルダーサイン」

 モバイル向けに展開されているソーシャルゲームのWindows ストアバージョン。手持ちのモンスターとコンパニオンと呼ばれるキャラクターでパーティを作り、それをクエストに派遣して経験値やお金を得て、新たなモンスターを得るなどして強化させていく。

 クエストに出発すると、毎日7時と19時にクエスト結果が通知されるという仕組みになっている。バトルシーンはアニメーションで表示される。朝と夜にクエスト結果を確認し、パーティを調整して再び行動を決めるだけで済むので、マイペースに遊べるのが特徴。

 ゲーム内容はモバイルと共通。アカウントも共通なので、出先ではモバイル端末、自宅ではPCでと使い分けられる。操作はPC環境ではマシンの処理速度や回線が良好な分、読み込みなどで待たされる時間が減り、快適にプレイできている。

 アプリ本体およびゲームプレイは無料。ゲーム内では有料アイテムが販売されている。

クエストを設定しておけば、自動でゲームが進んでいく
可愛いキャラクターもいれば、変わったモンスターもいる不思議な世界観も魅力
「エルダーサイン」
【著作権者】
Social appli payment service, Inc.
【対応OS】
Windows 8/RT(x86, x64, ARM)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

 今回のゲーム紹介はここまで。現状ではタッチパネル搭載PCや、デスクトップ画面がないWindows RTを搭載したマシンが少ないこともあってか、ストアアプリの数はまだ十分とは言えない。またWindows 8端末であれば、『デスクトップ画面があるからストアアプリは要らない』という気持ちもわかる。

 筆者も最初はそのクチだったが、タブレット端末(今回のレビューでは、AcerのICONIA W5を使用)でWindows 8の新UIに触れてみると、タイル型のアイコンが思いのほか使いやすく、ほかのタブレット向けOSと比べて勝るとも劣らない完成度の高さに驚いた。今後は端末の普及とともに、タッチで遊べるゲームも充実することに期待しつつ、機会があればまた新たな作品をご紹介していきたい。

(石田 賀津男)