石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

最高画質で60fpsを維持できるか?「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を試す

自動実況システムによる実況音声も体験可能

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」のタイトル画面

対戦格闘ゲームの代名詞、最新作のベンチマークプログラム

 前回に引き続き、ベンチマークプログラムの話題。今回はカプコンが6月に発売した対戦格闘ゲーム最新作「STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)」のベンチマークプログラム「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を試していく。

 対戦格闘ゲームは他のオンラインゲームと比べ、フレームレートの低下やコマ落ちに対して極めてシビアだ。家庭用ゲーム機やアーケードゲームであれば、全てのプレイヤーが同条件で戦うので問題ないが、PCはそれぞれスペックが異なるので、問題ないパフォーマンスを発揮できるかは試してみるまでわからない。

 まともに対戦を楽しむためには、画質はともかく、最低でもコマ落ちが起こるようなことがないようにはしたい。それだけに、どのくらいのPCならどの画質で安定して遊べるのかを調べられるベンチマークプログラムは極めて有用だ。他のユーザーが試したデータも買い替えの参考になるので、より多くの人が試してデータを蓄積するのも意味がある。

 それと同時に、ゲームのベンチマークプログラムにはプロモーションの意味も込められている。PCショップの店頭でゲームのベンチマークプログラムがリピート再生されているのを見たことがある方も多いだろう。「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」もゲーム内容が伺えるような内容になっている。

自動実況システムなどゲームの要素を確認できる

 「ストリートファイター」シリーズといえば、キャラクターを選んで1対1で対戦する格闘ゲームの代表格。「STREET FIGHTER 6」も基本的にはそうなのだが、それ以外にも複数のゲームモードが用意されている。

 ゲームモードは大きく分けて、対戦格闘をプレイできる「ファイティンググラウンド」のほかに、オリジナルキャラクターでストーリーを進めていくシングルプレイモード「ワールドツアー」、最大100人のプレイヤーが集ってコミュニケーションを取れる「バトルハブ」の3つだ。

 また本作には自動実況システムが搭載されている。eスポーツさながらの実況音声を、全てのプレイヤーが受けられる仕組みだ。プレイヤー本人のテンションも上がるだろうし、横で見ている人の楽しさもより増すだろう。またeスポーツの実況そのものを本作で知り、中継番組に興味がわく人も増えそうだ。

 これらの要素が「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」に収録されている。ゲーム自体の解説が入っているわけではないので、「ワールドツアー」や「バトルハブ」の詳しい仕様が理解できるわけではない。だが自動実況システムについてはそっくりそのまま収録された形で、「こんな感じの実況を受けながらゲームを遊べるのか」と理解できるはずだ。

対戦の様子を実況してくれる自動実況システムを体験できる
「ワールドツアー」や「バトルハブ」といったゲームモードのシーンも収録

最高環境で遊びたければ、ミドルクラスのゲーミングPCが要りそう

 それでは「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を筆者のPCで試してみよう。CPUがCore i5-13600K、GPUがGeForce RTX 4080というデスクトップPCでは、グラフィックスのプリセット設定で最高の「HIGHEST」を選んでも、100/100の最高評価が得られた。全てのシーンでほぼ60fpsを維持しており、動作に何ら問題はない。

 現時点ではかなりハイエンドに近いゲーミングPCなので、これでまともに動かなかったら困るというのはある。とはいえ最高画質でも問題ないというのはデータとしては重要だ。

最新のゲーミングPCなら動作に何ら問題はない

 またCPUがCore i7-10510U、外部GPUは非搭載のノートPCで試したところ、解像度が1,280×720ドットで最低画質となる「LOWEST」でも、20/100と動作困難の評価。「ファイティンググラウンド」のシーンでも15fps程度のスローモーション状態で、ゲームプレイは一目で困難だとわかる。

数世代前の普通のノートPCは明らかにパワー不足。最低画質でもまともに遊べそうにない

 「STREET FIGHTER 6」の動作環境は、必要動作環境のGPUがGeForce GTX 1060またはRadeon RX 580以上。推奨動作環境はGeForce RTX 2070またはRadeon RX 5700XT以上となっている。最新のノートPCであれば内蔵GPUでも何とか動作しそうなスペックではあるが、快適に動かしたいなら、最新機種でもミドルクラス程度のGPUを搭載したゲーミングPCを用意した方がよさそうだ。

ベンチマークプログラムとしては若干使いにくい

 筆者はゲーミングPCのレビューの際にベンチマークプログラムを利用するのだが、「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を使うのは若干難しいと感じた。

 「STREET FIGHTER 6」は公平な環境を必要とする対戦格闘ゲームの性質上、60fpsを上回るフレームレートが出る必要はない。ベンチマークプログラムとしても60fpsで頭打ちになるため、快適に動かせるということはわかるが、どのくらい余裕があるのかはわからない。

 また今後、より高性能なゲーミングPCが出てきた時には、結果はどれも最高評価で横並びになってしまう。よりヘビーな超高画質モードでも搭載されればベンチマークプログラムとしては使う価値があるが、格闘ゲームとしては不必要なものだろう。

 ということで「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」は、現状ではあくまで「STREET FIGHTER 6」がどの画質で快適に動かせるのかを調べるもの、という立ち位置だ。客観的にはそれで十分だと思うのだが、プロモーションも兼ねるなら上限なしのスコアを出す機能もあると嬉しいな、というのが筆者の個人的な感想である。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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