石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

「Steam」のゲームはいつどれだけ安くなる? 「SteamDB」で過去の価格データを見よう

いま人気の作品や、セール中の作品も検索できる

「SteamDB」のWebサイト

「Steam」をより便利に使うためのツール

 PCゲームのオンラインストア「Steam」では、かなり頻繁にセールが行われる。2025年上半期のセール時期も発表済みで、月に数回程度、大小さまざまなセールが企画されている。

 あまりにセールが多いので、新作ゲーム以外はウィッシュリストに入れてセール待ちにする方も多いはず。ただ、セールがいつ来るのか、またどのくらい値下げされるのかは、「Steam」を眺めていてもわからない。

 そこで便利なのが「SteamDB」というWebサイト。「Steam」自身が提供しているのではなく、あくまで外部のサービスなのだが、「Steam」のさまざまなデータが統計として蓄積されている。「Steam」ユーザーでなくとも価値のあるサービスだ。

過去のセール情報を調べられる

 「SteamDB」で最も重宝する機能が、過去のセール価格と時期がわかるというもの。「SteamDB」のトップページの上部にある検索ボックスに、調べたいゲームのタイトル名を入力する。

 試しに「Monster Hunter Rise(モンスターハンターライズ)」を検索してみよう。日本語も使用できるが、本作のように「Steam」では英字表記のタイトルもあるので、合わせた方が見つけやすい。候補一覧から目的のものを見つけたらクリック。サントラなど追加コンテンツも表示されるので、よく見て選択すること。

タイトル名を入力して検索

 すると「Monster Hunter Rise」の情報が表示される。一番上はタイトルの関連情報で、メーカーや対応プラットフォーム、発売日時などが書かれている。

 その下にある「Steam price history」では、現在の価格と過去の最低価格が表示されている。「Monster Hunter Rise」は現在の価格が3,990円で、セール時の最安値で75%OFFの997円になったことがわかる。またその下には各国の価格と、現在の為替相場による価格差も表示されている。

現在の価格と最安値を比較できる

 さらに下を見ていこう。「Price history (JP)」の項目では、過去のセール価格と時期がグラフ化されている。「Monster Hunter Rise」では1~2カ月ごとにセールされており、ここ1年ではセール時期に必ず最安値になっているのがわかる。

 これを見れば、そのタイトルが過去にいつセールをしたか、またいくらに値下げをしてきたのかが一目瞭然となる。「Monster Hunter Rise」の場合、最安値の997円になる時は買い時だが、ここ2カ月ほどはセールが行われておらず(おそらく2月発売の「モンスターハンターワイルズ」が影響している)、次はいつになるか読みづらい。

過去の価格データをグラフで参照できる

 タイトルによっては、セール時期でも値引き率が低い時と高い時があったりもする。もっとも値引き率が大きいのは何のセール時だったのかを確認すると、次の買い時も読みやすくなる。

こちらは「Hogwarts Legacy(ホグワーツ・レガシー)」のデータ。季節ごとの大型セール時には最大値引きになるが、それ以外では最安にならない時も見受けられる

 この価格はあくまで「Steam」でのデータなので、他のストアやプラットフォームでは価格が異なる場合もある。しかし大手パブリッシャーでは、全てのストアやプラットフォームで同時期に同価格の設定にすることもあるので、PCゲームユーザーでなくともチェックしておく価値はある。

いま人気のゲームもチェック可能

 その他の機能もいくつか紹介しよう。トップページでは「Most Played Games(最もプレイヤー数が多いゲーム)」や、「Trending Games(トレンド、プレイヤーの急上昇が見られるゲーム)」などがチェックできる。本稿を執筆した日には、「Bongo Cat」が過去最多の同時プレイヤー数を記録しているのがわかる。

いまプレイヤー数の多いゲームなどを調べられる

 「Most played games」をクリックすると、さらに詳細なデータも見られる。現在のプレイヤー数だけでなく、過去全ての期間において最もプレイヤー数が多かったタイトルのランキングも表示できる。過去1位は「PUBG: BATTLEGROUNDS」の3,257,248人。

 「マインクラフト」や「Fortnite」、「League of Legends」といったビッグタイトルがランクインしていないのは、「Steam」で配信されていなかったり、「Steam」以外のストアで主に配信されていたりするためだ。あくまで「Steam」におけるデータであることは念頭に置いておく必要がある。それでも3位の「パルワールド」がいかに異質な存在であるかがよくわかる。

過去最もプレイヤー数が多かったゲームのランキング表示。「パルワールド」の3位が日本の作品ではトップ

 また上部のタブから「Sales」を選択すると、現在値引きされているタイトルを検索できる。割引率やゲームの評価の高さなど、各種条件で絞り込みができるほか、セールの開始と終了の時期も確認できる。

セール中のゲームを検索できる。値引き率の大きい順にするなど検索機能も充実

 他にもさまざまな機能が用意されており、筆者のような職種だと何かしらのデータが欲しい時にとても重宝する。とにかく多機能なのだが、全てを使おうと思わず、必要な時に価格情報を見るだけという使い方でも十分便利だ。

 なお「SteamDB」に「Steam」アカウントを連携すると、より古い価格履歴を確認できるなど、サービスの幅が広がる。ただ、アカウント連携なしでもかなりの情報を拾えるし、あくまで「Steam」の外部サービスなので、連携するかどうかは各自で判断していただきたい。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。