使ってわかるCopilot+ PC

第63回

AIノイズキャンセルマイク機能は「Copilot+ PC」なら標準搭載

「Windows スタジオ エフェクト」のAIを活用

「音声フォーカス」機能の設定画面

マイクのAIノイズキャンセル機能があった?

 「Copilot+ PC」のAI機能は、「リコール」や「Click to Do」といった真新しいものが紹介されがちだが、使ってみると意外なところに便利なAI機能があることに気づかされる。

 その1つが、マイクのAIノイズキャンセル機能。最近はマイクデバイスやPCメーカーなどが独自で搭載する例も多いが、「Copilot+ PC」には標準機能として搭載されている。ただ、意外と便利なのに、意外な場所にあって気づきにくいのである……。

「音声フォーカス」機能を探す

 この機能は「音声フォーカス」という名前。設定画面で「音声フォーカス」と検索してみると、どうも明確にヒットせず、上手く見つけられない。

 手動で探すには、設定から[システム]-[サウンド]と移動し、[入力]の項目にある[マイク配列]の中から使用中のものを探して、その項目をクリック。するとプロパティに移り、下の方に[音声フォーカス]の項目が見つかるはずだ。

[システム]-[サウンド]の設定を探す

 筆者の端末では、この設定は標準で[オフ]となっていた。これを[オン]にすると、AIノイズキャンセル機能が働く。AIがユーザーの声を聞き分け、周囲の雑音を軽減してくれる。

[音声フォーカス]は標準では[オフ]になっていた

 上に[マイク テスト]の項目があるので、都会の雑音を収録した音声を大音響で鳴らしつつ、設定を変えて比較してみた。[オフ]だと雑音をしっかり拾って声が聞き取りにくくなっていたが、[オン]にすると雑音はほとんど消えてしっかり声だけを拾った。かなり劇的な違いがある。

 NPUの使用量は1割程度とかなり軽い。Web会議の際に周囲の雑音を拾っているようなら、気軽に使ってみるといいだろう。

「Windows スタジオ エフェクト」機能の一部

 それにしても設定が目立たなさすぎるのではないかと思いつつ、説明をよく読んでみると、「Windows スタジオ エフェクト」を使用しているという。これは「Copilot+ PC」が登場した初期から用意されているAI機能の1つで、映像にフィルタや効果をリアルタイムに加えるものだ。

 しかし音声加工機能などあっただろうか? 改めてタスクバーにある[クイック設定]から[スタジオ効果]を選んでみると、ウインドウの右上にカメラのアイコンとともに、マイクのアイコンが存在することに気づいた。

[クイック設定]から[スタジオ効果]を選ぶと設定ウインドウが開く。右上をよく見ると、カメラとマイクのアイコンが並んでいる

 もしかして、これはクリックできるのではと思って試してみると、大当たり。マイクの設定として唯一の「音声フォーカス」の項目がここにあった。このスイッチでも、先述の設定と同じ操作が可能だ。

右上のマイクのマークをクリックすると、「Windows スタジオ エフェクト」のマイク設定が開く

 単に筆者の不注意を明かしただけではあるのだが、マイクのノイズキャンセル機能があまりアピールされていなかったせいではないか。そう思って『マイクロソフトの解説ページを見てみたら、『防音室は必要ありません』としっかり書いてあった。完全に筆者の不注意である。

 ……大変便利な機能なので、「Copilot+ PC」ユーザーの皆様にもぜひお使いいただきたく、お詫びとともに改めてお知らせしたい。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/