使ってわかるCopilot+ PC

第62回

これをコピペしたかった! 「Click to Do」の便利さに気づかされた、たった1つの出来事

「Click to Do」を実行中の画面

画面内のものを何でも情報ソースにできる機能だが……

 Copilot+ PCのAI機能の中の1つ「Click to Do」。画面のスナップショットを撮り、画面内のテキストや画像などに対して、さまざまなアクションを行えるというもの。画面のあらゆる情報を直接的に扱えるという面白い機能だ。

 基本的な使い方は既に紹介しているとおり。これだけでも何となく便利だなというのは伝わると思うのだが、実際に使う場面があるかというと、そう多くはないというのが正直なところ。ゲームのプレイ中に手に入れたアイテムの名前をゲーム画面から拾い上げてコピーし、「ゲームアシスト」で検索みたいなことは思いつくが、アイテム名くらいならそう大変なこともない。

 しかし先日ようやく、これだと言える使い道に気づいた。最高に便利なのでぜひ知っておいていただきたい。

コピペできない奴をコピペする

 PCを使用していて、謎のエラーメッセージが表示されることは、多くの方が経験しているだろう。ソフトの異常動作なのか、ハードウェアの問題なのか、原因もわからない状態で、英文と専門用語による意味のわからないエラーメッセージが並び、通知を消すための[OK]ボタンだけがある。

 問題の解決にエラーメッセージを検索するのが第一歩なのだが、この通知画面のテキストをコピーさせてもらえないということもよくある。そうなったらスクリーンショットを撮影したり、スマートフォンなど別の端末を持ってきたりして、エラーメッセージを1文字ずつWebブラウザーに入力していく。

 謎のエラーで作業が止まってストレス値が上がっている時に、この作業をさせられるのは大変に苦痛だ。ましてや入力を終えたら解決するパスワードでもなく、もしかしたらエラーの意味がわかるかもしれない程度でしかない。

 ……ここまで言えば、多くの方が察していただけると思う。そう、ここで「Click to Do」の出番である。

テキストをコピーできないエラーメッセージに「Click to Do」

 例えばこのエラーメッセージは、テキストの範囲選択ができないのでコピーできない。しかし「Click to Do」を使えば簡単。[Windows]キーを押しながら画面をクリックして呼び出す。

 すると範囲選択できる上、ご丁寧に「Webを検索する」というオプションまで用意されている。これに従ってみよう。

「Click to Do」ではテキストの範囲選択ができる

 Webブラウザーの「Edge」が起動し、範囲選択した内容が検索されている。この検索候補で思ったような情報が出なかったとしても、範囲選択した部分はテキストとして抽出されているので、検索ボックスの内容をコピー&ペーストはできる。あとは「Copilot」に聞いてみるなど、別の手も試せるわけだ。

選択したテキストがWebブラウザーで検索された状態になる

 『その程度のことを記事にしなくても』と言われるかもしれないが、Copilot+ PCに限らず、どんなすごい機能にも使い道がなければ意味がない。新機能を紹介するのも大切だが、実用的な使い道を提示していくことも本連載の使命であろうと思っている。今回がそんな大げさな内容でないのは確かだが、誰かの気づきになればと思う。

 ちなみにサンプルとして用意したエラーメッセージは、Snapdragon Xシリーズを搭載したARM版Windowsで、PCゲーム「フォートナイト」を起動した時に出るもの。年内にはARM版Windowsにも対応するそうなのだが、何度もアップデートを繰り返しても(「フォートナイト」はとてもアップデートが多い)対応せず、やきもきしながら待っている。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/