使ってわかるCopilot+ PC
第54回
ステッカーに特化したローカルAI画像生成「ステッカージェネレーター」が結構使える!
2025年8月1日 14:10
ステッカー画像を生成するAI新機能
Windows 11に提供された7月のプレビューパッチなどにより、「Copilot+ PC」に新たなAI機能が追加された。
本連載でもこれらの機能を1つずつ、実際に試して紹介していく。今回はその中でも実用性が高そうな「ペイント」アプリのステッカージェネレーター機能についてお伝えしよう。
テキストの指示を入れるだけで簡単にステッカーを生成
ステッカージェネレーター機能は、「ペイント」アプリの「Copilot」機能の1つとして提供されている。画像生成AIの機能の1つだが、完全に自由な画像生成を行う「Image Creator」とは違い、ステッカーの画像生成に特化しているのが特徴だ。
使用するには、「ペイント」アプリの右上にある「Copilot」をクリックし、[Sticker ジェネレーター]を選択する。ウインドウの右側に「Sticker ジェネレーター」のテキストボックスが表示されるので、ここに生成したいステッカーの内容をテキストで入力する。
テキストは日本語入力にも対応しているようで、『試しに“サングラスをしている猫”と入力しましょう』と案内が出ている。言われた通りにやってみよう。テキストを入力したら、下にある[生成]ボタンをクリックする。
数秒待つと、猫にサングラスをかけた画像が生成され始めた。画像は計4枚出力され、同じ指示でも少しずつテイストの違うものが出てくる。画像サイズは256×256ドットと小さめ。生成した画像をクリックすると、右側のメイン画面にステッカーが貼り付けられる。
違う指示も試してみよう。筆者がいつも試している「Surprised cat face floating in space」と入力すると、宇宙空間をバックに驚いた猫の顔が描かれたステッカーが生成された。こういうのはステッカーとして描いてもらった方が雰囲気が出て、使いどころがありそうに感じる。
ステッカーそのものの画像だけでなく、手でステッカーを持っているような画像も生成された。なお画像をクリックするたびにメインウインドウにステッカー画像が貼り付けられるため、いくつも選ぶと画像の上に画像を貼り付けた形になる。
これでわかったのだが、ステッカー画像はきちんと白の背景部分が透過処理されている。ということは、まさにステッカー的に他の画像に貼り付けられるということだ。
そこで、メイン画面に別の画像を開いた状態で、ステッカーを生成し、画像に貼り付けてみた。貼り付けた状態では場所を自由に移動できるほか、拡大縮小もできる。また生成フィルや生成消去、背景消去といったAI処理も合わせて行えるので、ステッカー画像の修正までAIに任せられる形だ。
生成の際にはNPUを使っていることが確認でき、ローカルAIで生成されているのがわかる。これまでの「Copilot+ PC」におけるローカルAIによる画像生成は、まだまだクオリティ不足を感じるところがあった。
今回はステッカーとしてデザインや用法を限定的にすることで、性能と機能をうまくマッチングさせたと思う。出力されるステッカー画像のクオリティもコミカルでなかなか良い。これは今までで一番実用性があるAI機能と言えるかもしれない。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/