使ってわかるCopilot+ PC

第38回

NPUをフルに使ってローカルでAI画像生成する「Image Creator」

CPUやGPUにはほとんど負荷をかけずに1枚数秒程度で画像を生成可能

「フォト」アプリ内の「Image Creator」のメイン画面

「フォト」アプリの機能として提供される「Image Creator」

 「Copilot+ PC」では初期から画像生成機能が用意されている。「ペイント」アプリで今ある画像をアレンジする「Cocreator(コクリエイター)」だ。後のアップデートで機能が追加され、「生成フィル」というユニークな機能も搭載された。

 ただ、多くの方がイメージするAI画像生成は、まっさらな状態から言葉で指示をするだけで、新たな画像を生成するという機能だろう。これは「ペイント」では実現されていないが、「フォト」アプリに「Image Creator(イメージクリエイター)」として実装された。「Snapdragon X」シリーズを搭載したPCで、既に利用可能だ。

 今回はこちらの使い方を説明しよう。といっても非常に簡単なので、説明というほどのことはない。

テキストの指示で画像を次々に生成

 「フォト」アプリを起動したら、左のメニューから[Image Creator]を選択。すると右側に「Image Creator」の画面が表示される。初期状態では、「キッチンのアイデア」や「結婚式の花束のアイデア」などのアイコンが並んでいる。試しに「キッチンのアイデア」を選んでみよう。

 すると、キッチンの画像が次々に生成されていく。上部には『伝統にとらわれないスタイルのキッチン、さまざまなガジェットとツールが混在』というテキストがあり、これに従って画像が生成されている。

キッチンの画像が次々と出力される

 作成した画像をダブルクリックすると、その画像が「フォト」アプリの画像編集モードへ送られる。JPEG画像として出力された画像をその場で編集できるという形だ。

編集モードに入る。もちろん保存も可能

 また生成された画像にマウスカーソルを持っていくと、[この画像のバリエーションを生成する]というアイコンが出てくる。これをクリックすると、選んだ画像のイメージをベースに、別の似た画像を生成する。『この画像がイメージに近いが、もう一声欲しい』という時に使える機能だ。

画像の左下に出る[この画像のバリエーションを生成する]をクリック
選んだ画像をベースにして新たな画像を生成

 これで使い方は理解できたと思う。試しに上のテキストボックスに『Windows用ソフトウェアの話題を扱う「窓の杜」というWebサイトのマスコットキャラクター』と入力すると、それらしいキャラクターが生成された。

弊誌のマスコットキャラクターを考えてもらった

 この画像生成中に「タスク マネージャー」を開いてみると、NPUだけが100%近く消費されていて、CPUやGPUにはほとんど負荷がかかっていない状態だった。画像生成は何枚も連続して出力できるので、かなり長い時間にわたってNPUを使い続けるという意味でも貴重なアプリだ。画像を生成している間にWebブラウザーで時間をつぶすのも何ら不都合ない。

NPUだけがかなり使われている

 なお生成される画像のクオリティに関しては、やはりクラウドサービスの「Copilot」に頼むものに比べると、品質は低めと言わざるを得ない。ただローカルで生成されているというのは、漏洩の心配が減って安心して使用できるというメリットがある。出力も1枚数秒程度となかなか速いので、いろいろ試してみて使いどころを探してみてほしい。

アニメっぽいキャラクターの出力も試してみた。何か使いどころがあればいいのだが
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/