Windowsにまず入れる定番無料アプリ -2018年版-

Windows 10でDVDの再生に困っているなら「VLC media player」

形式変換や動画キャプチャーにも使える快速メディアプレイヤー

「VLC media player」

 Windows 10の提供が開始されてもう3年目。新調したWindows 10搭載のパソコンにも慣れている方も多いだろう。Windows 10の標準機能は豊富で、さまざまな新機能もアップデートで追加される。しかし、Windowsには標準機能よりも快適に使えるフリーソフトも数多く公開されている。パソコンの普段使いに少し不便を感じている方も、もっと自分仕様にカスタマイズしたい方も、フリーソフトの導入を検討してみてはいかがだろうか。本連載では「Windows 10」で“使える”フリーソフトを厳選。機能だけでなくあわせて紹介する利用シーンも参考にして欲しい。

再生だけではない多機能メディアプレイヤー「VLC media player」

 第1回となる今回は、Windows 10のDVDプレイヤーとして使える「VLC media player」を紹介する。Windows 10は、標準でDVDの再生機能が省かれているため、お困りの方も多いのではないだろうか。「Windows DVD プレイヤー」(税込み1,500円)の購入を考えた方もいるかも知れない。(条件を満たす環境には“Windows Update”経由でDVDの再生機能が無償提供される)しかし、そんな悩みも無料の「VLC media player」を導入すれば解決できる。

 「VLC media player」は、DVDの再生はもちろん、WMV、DivX、XviD、MPEG-1/2、H.264、FLV、MOVなど、一般的なメディア形式のほとんどに対応するメディアプレイヤーだ。動画や音声の各種コーデックを内蔵しており、追加のインストールは必要ない。また、非常に軽快な動作はユーザーにとってありがたいメリットだ。

 動画の再生機能としては、インタレースの解除、アスペクト比の変更、明るさやコントラストの調整、映像の回転、特定区間のリピート再生、再生速度の変更など、フリーソフトとは思えないほど多彩な機能を搭載している。今回は、「VLC media player」に搭載されているさまざまな機能のうち、2つの“使える”機能を紹介する。

動画の形式変換にも利用可能

 まず、エンコード機能が秀逸。専用アプリの出番はほとんどなくなるだろう。メニューに従えば操作は簡単に完了する。例えば、スマートフォンなどで撮影した動画ファイル形式をMOV→MP4へ変換してファイルサイズを小さくするといった使い方がある。

メニューの[メディア]→[変換 / 保存]の順にクリック。[ファイル]タブで変換元のファイルを指定して[変換 / 保存]ボタンをクリックする。キャッシュや動画の開始時間などのオプションは必要に応じて変更できる
変換する動画ファイル形式を選択、出力ファイル先とファイル名を指定して[開始]ボタンをクリックすればエンコードが開始する

デスクトップの動画キャプチャー機能も

 Windows 10にもデスクトップのキャプチャー機能は用意されているが、「VLC media player」のキャプチャー機能は使い勝手がいい。フレーム数の指定や、指定した位置から切り出すクロップ範囲の指定も可能だ。また、Webカメラ経由でキャプチャーすることもできる。撮影・保存の作業をまとめて行えるので簡単な動画作成に便利だ。

メニューの[メディア]→[キャプチャーデバイスを開く]の順にクリック。[キャプチャーデバイス]タブの[キャプチャーモード]で[デスクトップ]を選択。[オプション]でフレーム数を指定する。通常、30フレーム/秒程度で問題ない。[再生]ボタン右側の▼から[変換]を選択して、次の画面でエンコード機能と同じようにファイル形式と出力先を指定する

 [メディアを開く]ダイアログボックスの[オプションの編集]欄にパラメーターを追記すれば、クロップ範囲の指定が可能だ。例えば、デスクトップの左上から100×100ピクセル、640×480で切り出すなら、“:screen-left=100 :screen-top=100 :screen-width=640 :screen-height=480”といった具合だ。

Webカメラ経由でキャプチャーする場合は、[メディアを開く]ダイアログボックスの[キャプチャーモード]で[DirectShow]を選択する