働く人のための「DaVinci Resolve」
第7回
無料の動画編集ツール「DaVinci Resolve」で動画にタイトル文字列を追加
オープニングおよびエンディングのシーンをつなげる
2023年6月8日 06:55
本連載では、無料で使える高機能な動画編集ツール「DaVinci Resolve」の使い方をお伝えしています。
コーヒーマシンのビデオマニュアル編集も、いよいよ大詰めです。
現在の素材と編集状況は以下のようになっています。説明のメイン部分は編集してしまいましたので、あとはオープニング部分とエンディング部分をくっつけていきます。
- シーン1:映像のみ、音声のみ
- シーン2:メイン動画(編集済)
- シーン3-1:サブ1〜サブ5動画、音声のみ(編集済)
- シーン3-2:メイン動画、サブ動画(編集済)
- シーン3-3:メイン動画、サブ1〜2動画(編集済)
- シーン3-4:メイン動画、サブ動画(編集済)
- シーン3-5:メイン動画、サブ動画(編集済)
- シーン4:メイン動画
今回の解説で使用した素材をサンプルとしてご用意しました。ご利用ください。
※Webブラウザーによってダウンロードがブロックされる場合がありますが、右クリックメニューからファイルの保存を行い、警告が表示されても[継続]などの項目を選択して保存してください。
オープニングの編集とタイトル文字列の挿入
まず「シーン1」は、今編集したところの前に割り込ませる、オープニングです。映像と音声が別々に収録されています。まずはこれから編集していきましょう。
「シーン1」の映像は、カフェスペースをぐるりと見渡した映像になっています。この映像に対して、シーン1の音声のみ収録した、ナレーションを当て込んでいきます。まずは映像のほうを入れてみましょう。
- 「シーン1」(映像)にIN点を設定します。カメラが動き始める少し前でいいでしょう。
- 「シーン1」(映像)にOUT点を設定します。カメラの動きが止まって1秒ほど経ったところに設定します。
- 「シーン1」(映像)を、タイムラインの先頭にドラッグ&ドロップします。
続いて「シーン1」(音声)をこの「シーン1」(映像)部分に当てていきます。まずは音声ファイルをそのまま入れて、様子を見ます。メディアプールから「シーン1.wav」を選択し、タイムラインのA1トラックに配置します。
すると、映像が20秒ぐらいあるのに対し、音声は12秒ぐらいしかないため、かなり映像が余ることがわかります。そこで、音声の位置を後ろにずらして、次の「シーン2」の音声とタイミングよく繋がるように調整します。
この例のようにクリップを大きく動かす場合は、下の拡大表示のタイムラインではなく、上の全体表示のタイムラインを使用します。全体表示のタイムラインで「シーン1」の音声をクリックし、そのまま後ろにずらします。
先頭の映像がかなり余っていますので、先頭から7秒目ぐらいまでをカットします。これには「クリップを分割」を使っても構いませんし、単にクリップの先頭を掴んで後方にドラッグしても構いません。しゃべり出しの前2秒ぐらい残してあれば十分です。
エンディングの追加と手動による音声タイミングの修正
タイムラインの最後に、「シーン4」をくっつけます。ただ、この「シーン4」は問題があるようです。筆者の環境では、「シーン4」として収録された映像と音声は、「オーディオの自動同期」機能を使っても同じシーンとして認識されませんでした。皆さんのところではどうでしょうか。
音声を聴く限り同じだと思いますが、映像のほうの音声の収録状態がよくないので、同じタイミングの音声だと認識できなかったのかもしれません。このような時には、手動で音声と映像を合わせ込んでいくことになります。
- メディアプールで「シーン4メイン」(動画)を選択し、しゃべり始めの1秒ほど前にIN点を設定します。OUT点は、しゃべり終わってコーヒーを飲んでいるあたりに設定します。
- タイムラインの一番最後に、「シーン4メイン」(動画)を配置します。
- メディアプールで「シーン4」(音声)を選択し、同じくしゃべり始めの1秒ほど前にIN点を設定します。OUT点はしゃべり終わりに設定します。
- 「シーン4」(音声)を、タイムラインのA1トラックに配置します。
ここで注目すべきは、音声波形の形とタイミングです。現在は、タイミングが一致していないのがわかります。そこでA1トラックに配置した音声をずらして、映像の波形とだいたい同じタイミングになるように調整します。
ただ、現在はタイムライン上のクリップが編集点にくっつくような設定になっていますので、細かくずらすということができなくなっています。まずはこの設定を解除します。
- タイムラインの左側にある磁石のアイコン、[スナップ]を1回クリックして、表示をOFFにします。これで編集点にくっつくというアクションがOFFになりました。
- A1トラックの音声ファイルをずらして、映像側の音声波形と同じタイミングになるように調整します。
再生してみて、映像と音声のタイミングが合っているか確認します。操作のあとは、[スナップ]のアイコンをもう一度クリックして、機能をONに戻しておきます。
「シーン3-5」と「シーン4」の編集点も、よく見るとコーヒーを持つ手が逆になっています。ここをカット編集のままにしておくとおかしくなりますので、この間にも時間経過のトランジションを入れておきましょう。
ここまでの編集結果を、以下に置いておきますので、参考にしてください。
タイトルを入れる
これで素材は一通り編集できました。これで完成としてもいいのですが、ビデオマニュアルとしてこれからいくつも作っていくというのであれば、どの動画が何を説明しているのかがすぐにわかるように、先頭にタイトルを付けておくと管理しやすくなります。また見る人にとっても、間違った動画を見させられるというトラブルも減ります。
今回はシンプルに、先頭に白バックを挿入し、そこに文字を乗せて、オープニングタイトルを作ります。
- 画面上部の選択肢から、[エフェクト]をクリックします。メディアプールがエフェクト画面に変わります。
- 画面2行目の選択肢から、[ジェネレーター]を選択します。表示されたジェネレーターの中から、[単色]を選択します。
- [単色]をタイムラインの先頭にドラッグ&ドロップで挿入します。
単色のデフォルトは「黒」で、5秒間挿入されます。この色を変えてみます。
- タイムライン上に配置した「単色」を選択し、[インスペクタ]を表示させます。
- ジェネレーターの[カラー]と書かれた四角いボックスをクリックします。
- カラーパレットが表示されます。一番右の「色鉛筆」型アイコンを選択し、この中から[Snow]を選択します。
- [OK]をクリックして画面を閉じます。ジェネレーターの色が白に変更されました。
続いて文字を挿入します。
- 画面上部の選択肢から、[タイトル]を選択します。
- 表示されたタイトルの中から、今回は[Digital Glich]というのを使ってみます。
- [Digital Glich]をタイムラインの「2」トラックにドラッグ&ドロップで配置します。
現時点ではまだなにも設定していないので、タイトル文字は見えません。タイトルクリップに文字を設定していきます。
- タイムラインに配置した[Digital Glich]のクリップを選択し、[インスペクタ]画面を表示させます。
- [Large Text]欄に、「コーヒーメーカーの使い方」と入力します。この時点ではまだなにも見えません。白地に白のフォントで書かれているので、見えないわけです。
- [インスペクタ]画面の[Color]の隣の白い部分をクリックします。カラーパレットが表示されますので[Orange]を選択し、[OK]ボタンをクリックして閉じます。
- 画面上にはオレンジ色の四角が表示されます。これは日本語入力に対して、フォントが日本語に対応していない時に現われる現象です。
- [フォント]プルダウンメニューをクリックして、太めの日本語フォントを選択します。これは環境ごとにインストールされているフォントが違うと思いますので、ゴシック体の太字のフォントを選択してください。
- [Small Text]欄に「ビデオマニュアル」と入力します。
- [インスペクタ]画面の[Color]の隣の白い部分をクリックします。カラーパレットが表示されますので、[Magenta]を選択して「OK」ボタンをクリックして閉じます。
- [フォント]プルダウンメニューをクリックして、5で選択したのと同じフォントを選択します。
2つの行間が狭い場合は、[Large Text]エリアの[Tracking]スライドバーで調整しましょう。タイムラインを再生して、どのようになったのかを確認してください。再生が引っかかってうまく再生されない場合は、[再生]メニューから[レンダーキャッシュ]-[スマート]を選択します。しばらく待っていると、再生が引っかかる部分を自動的にレンダリングしますので、スムーズに再生できるようになります。
ここまでの完成状態を掲載しておきますので、どのような仕上がりになったか、確認してみてください。