やじうまの杜

Microsoftが「Windows 10」に標準搭載されている「メール」アプリで広告をテスト?

すでに撤回済み

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 Microsoftが「Windows 10」に標準搭載されている「メール」アプリで広告のテストを行っていたようです。

 実は7月頃からテストされていたようですが、対象地域がブラジル、カナダ、オーストラリアおよびインドに限られていたこともあり、あまり知られていませんでした。

 同社のサポートページ(削除済み)によると、この広告が表示されるのは“Home”と“Pro”の両エディションで、“Enterprise”などは対象外のよう。“Outlook.com”で“Focused Inbox(優先受信トレイ)”が有効になっている場合は“その他”のメール一覧のトップに、それ以外の場合はメール一覧のトップに掲載されるのだそうです。

同社のサポートページのGoogleキャッシュ(元ページはすでに削除済み:https://support.office.com/en-us/article/about-ads-in-mail-for-windows-10-1444e1d2-0edb-4af8-b8d7-6d5e5223edfa)

 また、広告が表示されるのは“仕事に関係のない(non-work)”メールアカウントに限られます。たとえば“Office 365”のサブスクリプションに紐づけられたメールアドレスや「Exchange」のメールを読んでいる場合には表示されません――もっとも“Gmail”はこれに含まれていないので、業務に利用しているとしても広告が表示されることになります。

 “OSを利用するのにお金を払っているにもかかわらず、「メール」アプリに広告が表示されるのは納得がいかない”というユーザーも少なからずいるのではないかと思いますが、要するに広告を消したければ“Office 365”のサブスクリプションを購入してくださいということのようです。

現行の「メール」アプリでも“Outlook Premium”への移行を促す広告は表示される

 少し気になるのは、この広告でターゲティング(行動追跡)が有効化されていることです。これはユーザーの興味にマッチした広告を表示するためですが、メールの中身が見られるのではないかと心配になってしまいますよね。

 同社によると、「Windows 10」はデバイスごとに固有の“広告識別子(ID)”を生成し、さまざまなアプリでターゲティング広告を利用できるようにしています。「メール」アプリの広告でもそれが使われるため、メールの内容や連絡先といったプライベート情報が直接、広告に利用されることはないとのこと。ターゲティング広告を好まない場合は、無効化することもできます(ユーザーの興味とは関係なしに広告が表示されるようになる)。

「Windows 10」はデバイスごとに固有の“広告識別子(ID)”を生成し、さまざまなアプリでターゲティング広告を利用できるようにしている

 なお、この機能はあくまでも実験的なもので、すでに無効化されています。当面の間はこれまで通り利用できそうで何よりですね。