やじうまの杜

「Hyper-V」仮想マシンに「Windows 11 バージョン 22H2」をインストールする方法

今秋の正式リリース前に試してみよう

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「Hyper-V」仮想マシンに「Windows 11 バージョン 22H2」をインストールする

 先日、「Windows 11」の次期機能更新プログラム(Feature Update)「Windows 11 バージョン 22H2」が「Windows Insider Program」のRelease Previewチャネルにやってきました。今秋にも正式リリースされる予定ですが、Windows 11の機能更新は初めてであること、また更新間隔が年1回に伸びたこともあり、変更点は多めです。可能であれば一般公開の前に少しでも触れ、どこがどうかわったのかを把握しておくべきでしょう。

 そこで今回は、「Hyper-V」仮想マシンに「Windows 11 バージョン 22H2」をインストールする方法を説明したいと思います。

 なお、「Hyper-V」は64bit版のWindowsでしか利用できないので注意。また、エディションは「Pro」以上でなくてはなりません(「Home」エディションでは利用不可)。

「Windows Insider Program」に加入する

 正式リリース前の「Windows 11」を試すには、まず「Windows Insider Program」に加入する必要があります。登録画面にアクセスし、「Microsoft アカウント」でログインしましょう。

Windows Insider

「Windows Insider Program」への登録画面
「Microsoft アカウント」でログイン

ISOイメージファイルをダウンロードする

 次に、「Windows Insider Preview」ビルドのダウンロードページへアクセスし、「Windows 11 バージョン 22H2」のISOイメージファイルをダウンロードします。

Download Windows Insider Preview ISO

 ダウンロードページに「To access this page, you need to be a member of the Windows Insider program.」というメッセージが現れた場合は、先ほど「Windows Insider Program」に登録した「Microsoft アカウント」でページ右上のプロフィールアイコンからサインインします。サインイン済みにもかかわらずメッセージが表示された場合は、[F5]キーを押してページを再読み込みします。

ダウンロードページに「To access this page, you need to be a member of the Windows Insider program.」というメッセージが現れた場合は、ページ右上のプロフィールアイコンからサインインする。サインイン済みにもかかわらずメッセージが表示された場合は、[F5]キーを押してページを再読み込みする

 無事ダウンロードページが現れたら下の方にページをスクロールして、ダウンロードするイメージファイルを選択するプルダウンメニューを探しましょう。

無事ダウンロードページが現れたら下の方にページをスクロール

 プルダウンメニューでは、「Windows 11 Insider Preview (Release Preview Channel) - Build 22621」を選択し、[Confirm]ボタンで確定します。

プルダウンメニューでRelease Previewビルドを選択

 あとは言語(Japanese)を選択して[Confirm]ボタンを押すと、手続きは完了。24時間だけ利用できるダウンロードボタンが現れるので、クリックしてISOイメージファイルのダウンロードを始めましょう。サイズは約4.6GBあります。

言語(Japanese)を選択して[Confirm]ボタンを押す
24時間だけ利用できるダウンロードボタンが現れる

「Hyper-V」を有効にする

 ISOイメージファイルのダウンロードを待つ間に、仮想マシン機能「Hyper-V」を有効にしておきましょう。仮想マシンとは、物理マシン上で他のOSを動かすことのできる機能。「VMware」や「VirtualBox」といったサードパーティー製のソリューションもありますが、今回はWindows 11に標準搭載されている「Hyper-V」を利用します。

仮想マシン機能「Hyper-V」

 「Hyper-V」は初期状態で無効化されています。以下の手順で有効化しましょう。

  1. [Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開く
  2. 「OptionalFeatures」と入力して[Enter]キーを押す。[Windows の機能]ダイアログ(Windows の機能の有効化または無効化)が開く
  3. 「Hyper-V」のチェックボックスをONにして[OK]ボタンを押す。

 あとはOSを再起動すれば、「Hyper-V」を使えるようになります。OSを再起動する前には、ISOイメージファイルのダウンロードが完了しているかどうかをチェックしましょう。ダウンロードが中断されてしまいます。

[ファイル名を指定して実行]ダイアログで「OptionalFeatures」と入力して[Enter]キーを押す
[Windows の機能]ダイアログで「Hyper-V」のチェックボックスをONにする

「Windows 11 バージョン 22H2」仮想マシンを作成する

 準備が完了したら、早速「Hyper-V」仮想マシンを作成しましょう。[スタート]画面で「Hyper-V マネージャー」を探し、起動します。これは「Hyper-V」仮想マシンを管理するツールです。

[スタート]画面で「Hyper-V マネージャー」を探し、起動
「Hyper-V」仮想マシンを管理する「Hyper-V マネージャー」

 「Hyper-V マネージャー」を起動したら、[操作]-[新規]-[仮想マシン]メニューを実行して仮想マシンを作成します。

[操作]-[新規]-[仮想マシン]メニューを実行して仮想マシンを作成

 仮想マシンの新規作成は、ウィザードに従うだけです。ポイントは、「仮想マシンの世代を第2世代にすること」、「メモリは4GB以上を割り当てること」です。これはWindows 11のシステム要件を満たすために必要です。

[仮想マシンの新規作成ウィザード]ダイアログ
名前と場所を指定。わかりやすい名前を付けておくとよいでしょう
世代の指定。「第 2 世代」を選択します
メモリの割り当て。4GB(4096MB)以上を指定します
ネットワークの構成。通常は「Default Switch」でよいです
仮想ハードディスクの作成。とくに変更すべきところはありません(ただし、ディスクサイズは64GB以上を指定)
インストールオプション。あとからでも変えられますが、[ブート イメージ ファイルからオペレーティング システムをインストールする]オプションにして、先ほどダウンロードしたISOイメージファイルを指定しておくとよいでしょう
設定の確認

 仮想マシンが作成されたら「Hyper-V マネージャー」に戻り、作成された仮想マシンに追加の設定を行います。

作成された仮想マシンに追加の設定を実施

 変更箇所は以下の2点。いずれもWindows 11のシステム要件を満たすために必要です。

  • TPM(トラステッド プラットフォーム モジュール)を有効にする
  • 仮想プロセッサーを2つに増やす
TPM(トラステッド プラットフォーム モジュール)を有効にする
仮想プロセッサーを2つに増やす

 完了したら[OK]ボタンを押して、設定ダイアログを閉じます。

「Windows 11 バージョン 22H2」仮想マシンを実行する

 仮想マシンを実行するには、右クリックメニューの[接続]コマンドを実行します。

右クリックメニューの[接続]コマンドを実行

 すると仮想マシンの画面が現れるので、[起動]ボタンをクリック。なにかキーを押してCD/DVDからOSを起動させると、通常のインストールプロセスが開始されます。

仮想マシンの画面が現れるので、[起動]ボタンをクリック
なにかキーを押してCD/DVDからOSを起動させる
通常のインストールプロセスが開始される

 なお、プレビュー版「Windows 11」の利用にもプロダクトキーが必要ですが、インストール自体はプロダクトキーなしでも行えます。プロダクトキーの入力を求められたらスキップし、インストールしたいOSのエディションを選べばOKです。インストールの完了後に、ライセンス認証を行いましょう。

プロダクトキーの入力を求められたらスキップ
インストールしたいOSのエディションを選ぶ