やじうまの杜

「GitHubはSNSか否か」論争勃発!? Twitterの他社SNS誘導禁止騒動の余波で

アカウント凍結を恐れる開発系ユーザーの声でよもやのトレンド入り

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 12月19日、Twitterでソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」がトレンド入りしたことをご存じでしょうか。アップデートや障害の情報などがあると、「GitHub」というワードがトレンド入りすることがよくありますが、今回はなにやら様子がいつもと違うようです。「GitHubはSNSではない」あるいは「GitHubはSNSだろ」といった感じで、「GitHubはSNSか否か」論争が繰り広げられているのです。

 この日といえば「FIFAワールドカップ2022」での36年振りのアルゼンチン優勝や、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のドラマ史に残る最終回放送といったことが大きな話題になっている真っ只中。その勢いに負けることなく「GitHub」がトレンド入りしたことを考えれば、その話題性の凄まじさを感じます。

Twitterで「GitHub」がトレンド入り(画像は12月19日にスクリーンショットしたもの)

 事の発端は、Twitter社が競合ソーシャルメディア(SNS)へのリンクを含むツイートを禁止すると発表したことにあります。(現在は、その告知ツイートと新たなポリシーが記載されたページが削除されており、下記のツイートでユーザーの投票を受け付けている状況です)



 当初の発表では、Facebook、Instagram、Mastodon、Truth Social、Tribel、Nostr、Postの各サービスへの誘導を主な目的とした無料のプロモーションを行なっているアカウントを禁止。これに違反した場合には、一時的に当該アカウントが凍結され、それでもなお繰り返し行なう場合には永久にアカウントを凍結するとしていました。

 これに対し、他SNSのリンクをツイートに貼り付けたらアカウントが凍結される、と不安視するユーザーたちが「GitHubのリポジトリやソースコードのリンクをツイートに貼り付けたら、アカウントBANの対象になるのでは?」といった意見を投稿。それが拡散されていったことで、冒頭に紹介した「GitHubはSNSか否か」論争へと発展していったという模様です。

 これを聞いて「えっ、そもそもGitHubってSNSなんですか?」と思った方もいるのではないでしょうか。たしかに「SNS」というとコミュニケーションツールがメインのサービスというイメージが強くありますが、その定義は意外にも曖昧なようです。いまではSNSの代表格であるTwitterでさえ、以前には「自分たちはSNSではない」と答えていたぐらいですから。

 オープンソースプロジェクトの管理・ソフトウェア開発のプラットフォームとして知られる「GitHub」を含め、たとえメインの利用目的がそうでなくとも、プロフィールやチャットなどの機能(=SNS機能)を介してコミュニティが構築されるサービスであれば「SNS」だと考えても、必ずしも間違いとはいえないでしょう。読者の皆様は「GitHub」をどのように捉えていますか。

 ちなみに、今回のリンク禁止対象は、上記の通り、特定のSNSサービスに対してのもののようですが、「SNS機能と+αの機能」を有するサービス・プラットフォームも対象となれば、「GitHubのソースコードだけでなく、Yahoo!へのコメントでもBAN対象では?」といった具合に大きな混乱が予想されます。Twitter社のようなポリシーの大幅変更には、慎重な判断が求められることでしょう。

 なお、今回の騒動について、現Twitter社のCEO イーロン・マスク氏は「今後、大きな方針転換を行なう場合には投票を行なうようにします。申し訳ございません。もうしません。」とした上で、CEOを辞任すべきかどうか「私はTwitterのトップから退くべきでしょうか? 私はこの投票の結果に従います」と、ユーザーに投票を呼びかけています。「GitHubはSNSか否か」論争とともに、イーロン・マスク氏の進退にも注目が集まっています。

今回の混乱はイーロン・マスクCEOが辞任すべきかどうかまでに発展しているようです