やじうまの杜
YouTubeで“ぼくのかんがえた最強のモンスター”が大暴れ! AI生成×オートカードバトルが楽しすぎた
TGS2024ですごく興味を惹かれた「AIマイモンSTADIUM」
2024年9月30日 11:47
「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」で取材をしていると、たまたま声をかけられました。そこは訪れる予定のブースではなかったのですが、出展タイトルのコンセプトや仕組みについてお話しを伺ったところ、すごく興味を惹かれましたので紹介したいと思います。
そのタイトルとは、BBmediaが展示していた「AIマイモンSTADIUM」(現在はベータ版、特許出願中)。AIで生成したオリジナルのモンスターカードを使って、YouTube Live上で世界中のプレイヤーと対戦バトルが楽しめるというユニークなゲームです。
このゲームコンテンツの魅力だと感じたところは、2つの単語を入力して自分だけのモンスターカードを生成し、そのコードをYouTubeのコメント欄に入力するだけで、YouTube上で華々しく戦う様子を楽しめる点です。
生成AIを使ってモンスターを作り出して戦わせる、そういったコンセプトのゲームはこれまでも見たことがあります。本作の特徴はYouTubeで戦う様子が楽しめるところにあります。自分のモンスターカードが戦っている姿を他のプレイヤーたちも息を呑んで見守っている。それがYouTube上で行われる、このバトルの醍醐味だと感じました。
実際にゲームをプレイする際は、まずモンスターカードを生成します。これは専用ページにて2つの単語を入力するだけで、無料でオリジナルのモンスターカードを生成できます。入力するワードはプレイヤーの自由ですが、試しに「ドラえもん」という単語を入力してみたところ、NGの表記が出力されたので、著作権などを侵害するような単語は入力できないようになっているようです。
ここでは「どんな単語を入力するか」が生成されるモンスターカードの性能やスキルに影響されます。他のプレイヤーの傾向を見ていると「最強の~~~」や「宇宙の~~~」といったワードが多く使われており、これらのワードを含むことで、とりわけ強力なモンスターカードが生成される傾向があるようです。
ただ、カードバトルの展開は予測不可能なもので、イレギュラーも見られました。例えば、あるときのバトルでは「攻撃したら必ず勝利する」というスキルを持ったモンスターが登場し、他のプレイヤーを圧倒して暴れ回っていました。この状況にコメント欄では多くのプレイヤーが困惑していました。しかしその一方で、この強力すぎるモンスターに対抗できるような新たなアビリティを持つモンスターを作り出そうと、創意工夫を凝らすプレイヤーも現れ、それはそれで盛り上がりを見せていました。
そうとはいうものの、この原稿を執筆しているときに公式から修正が入ったため、このような極端に強力なモンスターについては今後も調整されていく可能性が高いでしょう。
プレイヤーがモンスターカードを作り出すための単語選び、そしてAIが生み出す予想外の展開。それらがYouTube上でリアルタイムに配信され、世界中のプレイヤーと共にその展開を見守れる。この要素が面白く絡み合っているのが「AIマイモンSTADIUM」の魅力と言えます。コメント欄でプレイヤー同士で話しながら、試合の展開について予想を立てたり、戦略を練ったりすることもあります。それもこのゲームの面白さです。
しかも、勝ち抜いたモンスターカードが公式サイトのランキングページに表示される仕組みもあります。これにより、ランキング上位を目指して色んなモンスターカードを作りたくなるのも本作の中毒性を高めている部分です。
生成AIを活用したゲームの中でも、本作は「YouTube」をうまく活用している点で、非常にユニークな試みだと感じました。ある意味では、AITuberのような、AIと動画プラットフォームを組み合わせた新しいコンテンツとも言えるかもしれません。
ただ、ベータ版ということで気になった点を挙げておくと、モンスターが多く登録されているとバトル開始までに時間がかかったり、YouTube Liveの性質上、自分のモンスターカードがバトルしている瞬間を見逃しやすいという弱点があるので、この点はなんとか改善されてほしいところです。
とはいえ、この自分の作ったモンスターカードがYouTubeで世界にデビューするという面白さは本作ならではのもの。ぜひ、この記事を読んでくださった方にも、オリジナルのモンスターカードを作って、ランキング入賞を目指して頑張っていただきたいです。応援しています!