Chromebookって何?
第2回
Windowsとどこが違う? Chrome OSの基本操作とユーザーインターフェイス
タスクバーやスタートメニューに相当する機能もちゃんとある
2020年12月29日 06:55
ChromebookとそのOS「Chrome OS」について解説する本連載。2回目となる今回は、実際に「Chrome OS」を動かしながら、基礎的な使い方を解説する。
“Google アカウント”でログイン
「Chrome OS」へのログインは、“Google アカウント”で行う。Windows 10も最近は“Microsoft アカウント”でのログインが(しつこいぐらいに)推奨されているが、Microsoftのオンラインサービスと紐づけずに利用する“ローカル アカウント”も選択できる。しかし、「Chrome OS」は“Google アカウント”との紐付けが必須となっている。Googleのオンラインサービスを利用することが前提となっているわけだ。
OSのセットアップに難しい点はなく、案内に従って進めていくだけだ。迷うところはとくにないだろう。「Google Chrome」を起動すると、すでにブックマークや拡張機能などが同期されているのがわかる。パスワードも同期されるので、パソコンの「Chrome」でパスワードを覚えさせていれば、Chromebookで新たにWebサービスを利用する際もパスワードを入力する必要はない。
ちなみに、「Chrome OS」はマルチユーザーでも利用できる。家族それぞれがアカウントを作成すれば、1つの端末を共有する場合もプライバシーを保てる。
PINを設定しておこう
「Chrome OS」を利用する際は“Google アカウント”へのログインが必要だが、ログインの手間を省くために“Google アカウント”のパスワードを覚えやすい・簡単なものにしておくことはお勧めできない。とはいえ、複雑にし過ぎていると「Chrome OS」へのログインが面倒になる。
そこでお勧めしたいのが、PINの設定だ。これを設定しておけば、数字の入力(6文字以上)だけでログインできるようになる。パスワードの入力よりも手軽だ。
Androidスマホが手元にあれば、パスワードレスでログインすることも
「Chrome OS」には“Smart Lock”と呼ばれる仕組みがあり、Androidスマートフォンを持っていればパスワードレスでのログインも可能だ。OSのセットアップ時に案内されるので、とくに何もせずに有効になっていることも多いが、利用の際は少し注意が必要だ。
まず、以下の要件を満たす必要がある。また、両者は同じ“Google アカウント”でログインし、ペアリングしておかなければならない。
- Chromebook:「Chrome OS 71」以降
- スマートフォン:「Android 5.1」以降。Bluetooth接続をONにして、端末のロックを解除しておく
“Smart Lock”が有効な状態でChromebookのログイン画面を開くと、パスワード入力欄の鍵アイコンが緑色になる。あとはプロフィール画像をタップすれば、パスワードの入力なしに「Chrome OS」へログインできる(PINの入力モードになっている場合は、パスワードの入力に切り替えておく)。
ただし、稀に失敗することもあるようなので、先ほど紹介したPINも併用するとよいだろう。
ウィンドウマネージャー
続いて、「Chrome OS」の外観を見てみよう。
デスクトップはWindowsと少しデザインが異なるものの、本質的にはあまり変わらない。複数のウィンドウ(タスク)を開き、マウスのクリックやタスクバー(「Chrome OS」では“シェルフ”と呼ばれる)で切り替える点では同じだ。[Alt]+[Tab]キーによるタスク切り替えや、ウィンドウスナップによる2画面分割もできる。
“シェルフ”の右端には通知領域があり、時刻やバッテリー残量、Wi-Fiの強度、日本語入力システムの状態などが確認できる。タップすればBluetoothや通知、音量、ディスプレイの輝度といった追加のコマンドへアクセスできる。設定画面へのアクセスもここで可能だ。
なお、“シェルフ”の表示位置は右クリックメニューから上下左右に変更が可能。Windowsのように使わないときは表示しないように設定することもできる。
Windowsの[スタート]画面に相当するものは、画面左下の丸いアイコンを押すと現れる“ランチャー”だ。[検索]キーや2本指で上スワイプすると、サジェスト付きの検索ボックスがまず一段目として現れる。Web検索だけでなく、Chromebookの使い方を聞いたり、アプリを探すときもこの検索ボックスを使う。この状態でさらに2本指で上スワイプすると、二段目のアプリ一覧が現れる。Windowsでいうところの“すべてのアプリ”だ。毎回これにアクセスするのは少し面倒なので、よく使うアプリは“シェルフ”にピン留めしておくとよいだろう(アプリに関しては第3回で解説する)。
右クリックメニューってどうやるの?
「Chrome OS」の操作系はWindowsとあまり変わらないが、タッチパッドで右クリックメニュー(コンテキストメニュー)できない点には少し戸惑うかもしれない。タッチパッドはワンボタン(?)仕様となっており、コンテキストメニューにアクセスするのは以下のどちらかを行う必要がある。
- 2本指でタップ
- [Alt]キーを押しながら1本指でタップ
ちなみに、スクロールしたい場合は2本指でタッチパッドを操作すればよい。
キーボード操作と覚えておくと便利なショートカット
Chromebookにはいくつか固有のキーがあり、Windows環境でいうところのファンクションキーのエリアなどに集中して配置されている。[CapsLock]キーの位置にある[検索]キーなども存在するが、この点は過去のしがらみのないOSといった趣だ。これらの固有キーは「Chrome OS」の操作にも密接にかかわっているので、順番に紹介していこう。
ナビゲーションキー
「Chrome OS」は「Google Chrome」に特化しているので、そのナビゲーション(戻る・進む・再読み込み)に特化したキーが用意されている。
ウィンドウ操作キー
その右側には、ウィンドウを全画面表示にするキーと、開いているウィンドウをすべて表示するキー(ウィンドウ一覧キー)がある。
ウィンドウ一覧キーは[Alt]+[Tab]キーによるタスク切り替えに似た機能を持つ。タッチパッドを指3本で下スワイプしてもアクセスできるので、覚えておくとよいだろう。
また、このキーは他のキーとの組み合わせでスクリーンショットキーとしても機能する。
- デスクトップ全体:[Ctrl]キー+ウィンドウ一覧キー
- ドラッグで指定した領域:[Ctrl]+[Shift]+ウィンドウ一覧キー
専用の[スクリーンショット]キーを備えた端末もあるが、その場合はキー単体でデスクトップ全体、[Alt]キーとの組み合わせで指定範囲をキャプチャーしてローカルに保存できる。
輝度・音量の操作
続いて配置されているのは、輝度と音量の調整を行うキーだ。メディアの再生をコントロールするキーが搭載されている端末もある。
検索キー
[CapsLock]キーの位置にある[検索]キーは、Windowsの[Windows]キーに相当する。Windows向けのキーボードで[検索]キーを使いたい場合は、[Windows]キーを押せばよい。機能は上述の通りで、“ランチャー”の検索ボックスにアクセスできる。
そのほかにも、「Chrome OS」にはさまざまなショートカットキーが設けられている。ショートカットキーを調べたい場合は[Ctrl]+[Alt]+[?]キーを使うとよい。
一度に覚える必要はなく、よく使うものから少しずつ覚えておけばよいが、[検索]+[Esc]キーでタスクマネージャーを呼び出せることなどは覚えておくと作業が捗るだろう。
次回は、「Chrome OS」で利用できるアプリの種類を紹介する。