特集
“レイヤ”を使いこなして「Google Earth」をもっと楽しく
英語がわからなくても楽しめるお勧めレイヤを集めて紹介
Google製の3D地図ソフト「Google Earth」は、地形や建物が立体的に再現されているため、眺めているだけでその場に居るかのような気分が味わえる。さらに、“レイヤ”を使えばその場所のさまざまな情報を表示でき、その場所のローカルな情報から今地球で起こっていることまでを知ることが可能だ。しかし、レイヤで表示できる情報のなかにはテキストが英語でしか提供されておらず、読みにくいものも多い。そこで、今回は英語がわからなくても楽しめるレイヤを集めて紹介していきたい。
基本的なレイヤ“境界線や地名”“場所”“道路”“建物の3D表示”
まずは、基本的な4つのレイヤ“境界線や地名”“場所”“道路”“建物の3D表示”で表示できる情報をおさらいしよう。“境界線や地名”レイヤをONにすると国や都道府県・市町村といった行政区域の境界線と名前を表示できる。“場所”レイヤでは主要な場所や施設などの名前が表示され、地図上のアイコンをクリックすることでその詳しい説明や写真などの情報を表示することが可能。
“道路”レイヤをONにすると道路が強調表示されるようになるとともに、幹線道路の名前も表示される。日本の道路の強調表示は、高速道路が緑色、一般道が黄色で表示される仕組み。“建物の3D表示”をONにすると建物の3Dモデルを表示することが可能。レイヤのツリーを展開すると現れる“立体写真モデル”レイヤでは写真を使った詳細な3Dモデルが、“箱モデル”レイヤでは単純な灰色の箱で建物の形を表した3Dモデルが表示される。
海洋生物の実際の動きをトレースする“Animal Tracking”
- レイヤの場所:“Ocean”-“Animal Tracking”
“Animal Tracking”レイヤでは、海洋生物の動きを調査しているプロジェクト“Global Tagging of Pelagic Predators(GTOPP)”が、実際に海洋生物に発信器をつけて動きをトレースした結果を表示するアイコンを表示できる。アイコンは発信器をつけた動物をかたどってあり、調査が行われているアメリカ沿岸、とくに西海岸に集中して本レイヤのアイコンが集まっているようだ。
アイコンをクリックするとフキダシが現れ、フキダシからさまざまな情報を表示可能。たとえば、“Swim with me”ボタンを押すとその海洋生物の移動した経路を「Google Earth」の中で追体験することができ、“Download track”リンクを押すと移動経路を「Google Earth」上に表示できる。また、一部の海洋生物では発信器を取り付ける様子を撮影した動画を見ることも可能。
建築物内の高精細な360度パノラマ写真も表示できる“360 Cities”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“360 Cities”
“360 Cities”は、360度全方位を眺められるパノラマ写真を「Google Earth」内で表示できるレイヤ。360度パノラマ写真は“ストリートビュー”レイヤでも表示できるが、“360 Cities”レイヤでは道のない山の上や建物の中のパノラマ写真を表示可能。“ストリートビュー”ほどの数は用意されていないものの、有名な観光地ではそれなりの数が表示されるため、旅行の下調べや“行ったつもり観光”にピッタリだ。
古代ローマの町並みが3Dモデルで蘇る“3Dで見る古代ローマ”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“3Dで見る古代ローマ”
“3Dで見る古代ローマ”は、現在のイタリア・ローマの上に西暦320年頃のローマの町並みを3Dモデルで再現できるレイヤ。本レイヤをONにするとローマ市街の上に古代ローマの建築物をかたどったアイコンが表示される。このアイコンをクリックすると現れるフキダシには建築物の3Dモデル画像や日本語による解説のほか、“Ancient Terrain”“Ancient Roman Landmarks”“Ancient Roman Buildings”のリンクが掲載されている。
“Ancient Terrain”をクリックすると古代ローマの地形が現れ、“Ancient Roman Landmarks”をクリックすると古代ローマの主要な建築物の3Dモデルが表示される。さらに、“Ancient Roman Buildings”をクリックすると古代ローマの名もなき建物まで再現されるが、PCのスペックによっては動作が重くなるので注意。なお、いったん古代ローマの3Dモデルを表示してしまえば、“3Dで見る古代ローマ”レイヤをOFFにしても3Dモデルは消えない。
実際の地形上に古地図を表示“ラムゼイ歴史地図”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“ラムゼイ歴史地図”
“ラムゼイ歴史地図”は、現在の地形の上へ古地図の画像を表示できるレイヤ。本レイヤをONにすると現れる羅針盤型のアイコンからフキダシを表示し、フキダシ内の地図をクリックすると、地形の上に古地図が重なって表示される。
地図は世界中に散らばっており、都市を描いたものから複数の国にまたがる広大な地域をカバーしているものなどさまざま。同じ地域を描いた地図でも時代によって形が異なる場合もあり、最終的に「Google Earth」へ至る地図の進化を見ているようで楽しい。
世界遺産の写真と日本語による解説を表示できる“TBS世界遺産”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“TBS世界遺産”
“TBS世界遺産”は、TBSのテレビ番組“THE世界遺産”と連動したレイヤ。ONにすると世界各地にTBSのテレビ番組“THE世界遺産”のロゴマークが現れ、フキダシで世界遺産の写真と日本語による解説や詳しいデータを表示できる。また、フキダシの右下に表示される世界遺産の名称をクリックすると、さらに詳細な情報が掲載されたWebページを開くことが可能。なお、詳細ページは「Google Earth」の内蔵ブラウザーで表示すると内容が読めないが、Windows既定のWebブラウザーで開けば正常に表示される。
京都・韓国・ニュージーランドへ旅行に行くなら“旅行と観光”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“旅行と観光”
“旅行と観光”には、各国の観光名所を案内するレイヤが6種類用意されている。そのうち日本語の解説などが用意されているのは京都のほか韓国・ニュージーランドの2カ国。いずれのレイヤも観光名所に表示されるアイコンから表示されるフキダシで、写真と簡単な解説を表示可能。また、さらに詳しい情報を掲載したWebページへのリンクも備えている。なお、韓国・ニュージーランドのレイヤから詳細情報ページを開いた際は「Google Earth」の内蔵Webブラウザーで正しく表示できるが、京都のレイヤから詳細情報ページを開いた際は内蔵Webブラウザーの表示が文字化けしてしまうので、Windows既定のWebブラウザーで開こう。
世界中の“今”をリアルタイムで表示できる“Webcams.travel”
- レイヤの場所:“ギャラリー”-“Webcams.travel”
“Webcams.travel”は、世界中に設置されたWebカメラの画像を表示できるレイヤ。アイコンをクリックすると、そこに設置されたWebカメラの最新画像をフキダシで表示できる。さらに、一部のフキダシには、過去の画像をスライドショーしたり、リアルタイムの映像を表示できるWebページへのリンクが掲載されている。
芸術的な航空写真と環境に関する豆知識を表示“空から見た地球 - GoodPlanet”
- レイヤの場所:“グローバル アウェアネス”-“空から見た地球 - GoodPlanet”
“空から見た地球 - GoodPlanet”は、芸術的な航空写真とともに地球環境の豆知識が表示されるレイヤ。アイコンのクリックで、世界各地の美しい景色を空撮した写真に、地球環境が置かれている現状に関する短い文章が添えられたフキダシを表示可能。文章は内容が古いものあるが重要な事実も多く、美しい写真ともども一見の価値がある。
地下鉄の線路も可視化できる“鉄道”
- レイヤの場所:“その他”-“交通”-“鉄道”
“鉄道”は、列車の線路を強調表示できるレイヤ。日本国内では地下鉄の路線も表示できるため、普段は目にできない地下鉄の通り道を可視化できる。とくに東京は網の目のように地下鉄路線が走っており、意外な場所に地下鉄が通っているのを発見できるのがおもしろい。また、駅のある場所にはアイコンが表示されており、アイコンから表示できるフキダシで通っている路線名を確認できるほか、時刻表や近隣の人気スポットなどを掲載したWebページを開くこともできる。
北米や欧州で降っている雨をアニメーション表示できる“雲”
- レイヤの場所:“天気”-“雲”
“雲”は、世界中の雲の様子を表示できるレイヤ。とくに北米大陸やヨーロッパでは現在雨が降っている地域へズームインすることで、雨が降っている様子をアニメーションで表示できる。雨が降っている地域は同じ“天気”ツリーの“レーダー”で確認できるので、一緒に利用するとよいだろう。