トピック
大学生はどんなアプリを使ってる?……Copilot+ PCでも試してみた!
「あれ?動作が軽い!」「大学生の常用アプリ」は全てが動作!
- 提供:
- 日本マイクロソフト
2024年12月27日 16:39
「Copilot+ PC」は、優れたAI機能を持つPCだ。
NPUという特別なAIプロセッサーを搭載することで、軽量なノートPCでも手軽にAIを使うことが可能となり、今後登場する様々なAIアプリをPC上だけの演算で動かせるポテンシャルがある。既にOS標準機能として、イラスト生成やリアルタイム翻訳、ビデオ会議のエフェクトなどが実装されており、興味を持っている人も多いだろう。
発売から半年ほどが経ち、このことは広く知られてきたと思うが、逆に「今までとは違うもの」に対する不安を覚える方もいるだろう。
特に、6月に登場した第一弾の「Copilot+ PC」は、Qualcomm製のCPUである「Snapdragon X」シリーズのCPUを搭載したものだ。
これらは、省電力性に特に優れる反面、CPUが従来の「x86系」ではないため、「なんとなく互換性が不安」という声もきく。実際は、特殊なアプリを除くほとんどのアプリが動作するし、その後発売されたx86系のCPUを搭載したCopilot+ PCを選ぶ手もあるが、「そもそもSnapdragon Xを搭載したPCは、どこまで使えるのか」、気になる人もいるだろう。
「CapCut」
「Arc」
「Notion」
「Canva」
「Facebook Messenger」
「LINE」
「Microsoft Office」
「Chrome」
「Adobe Acrobat Reader」
「iTunes」
「Spotify」
「Amazon Prime Video」
「Netflix」
「Instagram」
「Steam」
「Minecraft」
「Norton 360」
そこで、今回、Snapdragon Xを搭載したPCを日常的に使ったらどうなるか?その利用感をシミュレーションしてみた。
登場をお願いするのは、ごく普通の女子大生2人と、マイクロソフト製「Copilot+ PC」である「Surface Pro(第11世代)」。
この2人に、「普通使っているアプリをPCに入れ、普通に使ってみてほしい」と、PCの素性を説明せずに使ってもらう、という企画だ。
ちなみに、読者には一足先に対応状況を知ってもらおう、ということで、本文には「対応アプリ」または「Arm版あり」という表示をつけている。「対応」表示は、ソフトメーカーやMicrosoftストアによる公式告知、あるいはQualcommによる動作確認を元にしている。
「大学生の常用アプリ」は全てが動作!
Aさん:動画編集ソフト、メモツール、Webブラウザー
さて、1人目のAさん。
大学の授業で使う以外に、友人に勧められたソフトを積極的に試したりしているそう。最初に試したのは動画編集ソフトの「CapCut」(対応アプリ)
。これは今回のおふたりがどちらも真っ先に名前を挙げており、学生にはかなり人気があるようだ。
公式サイトからソフトをダウンロードし、インストール。無事に起動した。Aさんに少し触ってもらい、動作に問題がないかも見てもらったが、特に問題はないようだった。筆者としては無事に動いてくれて一安心だが、Aさんは「いったい何を心配しているのだろう?」と思っていたかもしれない。
次はWebブラウザーの「Arc」(対応アプリ)。タブがサイドバーに並ぶなど、従来のWebブラウザーとは異なるUIを採用しているのが特徴だ。こちらも公式サイトからダウンロードしていただき、インストール。Aさんはちょっと見栄えのする感じの画面に整えてくれたりもした。当たり前だが普通に動く。PCの性能が良い分、快適でもあるようだ。
続いてはメモツールの「Notion」(Arm版あり)。これも学生には人気だそう。こちらはデスクトップアプリとしてArm版Windows向けのものが用意されているので、ダウンロードし、インストール。
もちろん動作には問題はなかった。
Arm版Windows向けのソフトは、エミュレーターを介することなく直接動作するので、より高いパフォーマンスを発揮できる。最近はArm版のソフトが用意されていることも増えてきているので、選べる場合はArm版を使うようにするのがいい。
ちなみにAさんの大学では、PCを忘れてきた人にPCを貸し出すサービスがあるそう。
必要なデータはクラウド上にあるので、PCが変わっても大丈夫なのだそうだ。テキスト入力もGoogleドキュメントで済むのでテキストエディタは不要。なるほど今風で合理的なやり方で、今回のようにPCを交換、活用するには最適な環境と言えそうだ。
Bさん:デザインツール、メッセンジャー、LINE……
2人目のBさんは、授業よりもサークルの広報役などでPCを活用しているそうで、いつもはタブレット型の旧型Surfaceを使っているそう。
最初に試したのは、クラウドデザインツールの「Canva」(対応アプリ)。今時は学生でもこんなツールを使うのか……と軽いジェネレーションギャップを感じつつ、ソフトをダウンロードしてインストール。その後の基本的な動作も含めて、特に問題はなさそうだった。
次はコミュニケーション系ツールを試そうということで、「Facebook Messenger」(対応アプリ)。こちらはWebブラウザーからのアクセスではなく、デスクトップアプリがあるので、そちらを利用する。インストールすると、既存のメッセージが正しく表示された。
もう1つは定番の「LINE」。こちらもデスクトップアプリがあるためダウンロードしてインストール。こちらは、公式な対応告知はないのだが、ごく普通に動作、既存のメッセージの表示やチャットの送信が行えた。
「Facebook Messenger」や「LINE」については、Microsoftストアからのダウンロードも可能だ。今回はあえて公式サイトからのダウンロード版を試しているが、インストール手順や動作の安心感を考えると、Microsoftストアを利用する方がいいだろう。
「動作が軽い!」「違いが全然判らなかった!」
実際に触っていただいた後、おふたりに使用感について聞いてみた。
まず、共通していたのが、動作が軽いこと。「Snapdragon X」の処理能力の高さと、エミュレーターの「Prism」の効率の良さの表れと言える。またインストールがとても速いと驚いていた。最新型のPCであり、高速なSSDを搭載しているためだろう。
ここでおふたりに今回の企画について説明。「いつも使っているPCと違いが全然わからなかった」とのことだった。試した全てのアプリが問題なく動作しているし、インターフェイスも普段のWindows 11と何ら変わらないので、違和感は起こらなくて当然だ。動作の軽さは普段使っているPCとの差なので一概には言えないが、エミュレーターを挟んで動作が劇的に重くなるとわけではないとは言える。
確認した「普段使いのアプリ」は全て動作!
さて、これ以外のソフトについても、学生が使いそうなアプリやプライベートで使いそうなアプリをいくつか選んで筆者の方で動作確認を取ってみた。
Arm版Windowsへの動作については、メーカーが「x64/x86版アプリが動作する」と公式発表しているものもあるし、Arm版アプリが用意されているものもある。また、メーカーが公式発表していなくても、「試してみたら動作した」というものも非常に多い。
結論から言うと、テストで思いつくような「普段使いのアプリ」は全て動作した。公式対応か、Arm版か、「試したら動いた」なのかは違いがあるが、注意が必要なごく一部のアプリ以外は「普通に動く」ものだと考えるのがいいだろう。
なお、公式な発表を元にしたリストについてはこちらにまとめている。
全体的な注意点については、最後にまとめたので、参考にしてほしい。
ここまで、ざっと人気ソフトを試してみたが、どれも動作に問題はなく、無事に使用できていた。いずれも人気ソフトだけに、Microsoftストアからダウンロードできるものも多く、動作しやすいものが多かったのは確かだ。
しかしゲームソフトは個別対応なく動作しているし、比較的ハードルが高いウイルス対策ソフトの対応も進んでいる。学生おふたりに試していただいたものも動作に問題はなく、動かないソフトを探す方が難しいという状況だ。
とはいえ全てのソフトが問題なく動作するわけではない。代表的なものが、カーネルレベルでの動作を必要とするソフト。
例えば標準の「Microsoft IME」以外の日本語入力ソフトや、オンラインゲームで使われるチート対策プログラムの多くが、現時点では動作しない。これらのソフトに当たってしまった場合は、各社の対応を待つしかない。
このほか、学校などでプリンタを使う場合があると思うが、Arm版Windows 11ではメーカー各社が提供しているプリンタ用ドライバは使用できないことが多く、Windowsの標準ドライバを使用することが推奨されている。
利用可能にするには、設定画面の「プリンターとスキャナー」から「デバイスの追加」を選び、ドライバをインストールするだけだ。複合機なら、スキャナ機能なども利用できる。ただし、Windowsの標準ドライバが利用できない場合は利用できないので、事前に知りたい場合は、メーカー各社によるArm版Windows 11への対応状況を確認するのが良いだろう。
なお、プリンタについては、コンビニプリントやネットワークプリントサービスを使うことはもちろんできる。印刷時にPDFなどの形式で出力し、USBメモリなどでコンビニに持参するか、Webサイトなどであらかじめ送信することなどで印刷すればよい。
またArm版Windowsでは、エミュレーターの改善も続けられている。今後もWindows側とメーカー側の双方の対応により、動作するソフトが増えていくはずだ。
タブレット型とノートPC型、どちらも選べる
今回の検証には「Surface Pro(第11世代)」を使用しているが、マイクロソフトからはほかに「Surface Laptop(第7世代)」という「Copilot+ PC」も展開されている。こちらはタブレット型の「Surface Pro(第11世代)」とは異なり、一般的なノートPCと同形状のクラムシェル型となっている。
検証で触っていただいた学生のおふたりにも、この2機種を見比べていただいた。どちらが欲しいかと聞いたところ、断然「Surface Pro(第11世代)」という答えが。カバーにもなる「Surface Pro Flex キーボード」が便利で、キーも意外と打ちやすい、タブレットの方が使い方に幅ができる、ペン入力が便利、とのことだった。加えてタブレット型の方が見た目がいい、というのも重要だそうだ。
ただし以前からタブレット型の「Surface」を使用しているBさんによると、「Web会議などの時、カメラの向きが上向き気味になってしまい、あまり下に向けようとすると本体が前に倒れてしまう(後部のスタンドの角度に限界があるため)」という話も。使い方によって一長一短あるのは当然のことなので、ご購入の前には使用環境も含め、お好みに合う製品を吟味していただきたい。
また、Copilot+ PCは、Surfaceシリーズ以外にも多数の製品が発売されている。x86 CPUを搭載した製品も含め、非常に多くの製品が登場しているが、12月時点では最も安い製品ならば11万円台で購入できる製品もある。この年末年始、PCを検討するのであれば、こうしたCopilot+ PCを検討するのがいいのではないだろうか。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/