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「Copilot+ PC」で使える新しいAI機能を一挙紹介! 注目は時を戻せる「Recall」

オンデバイスAIアプリは「Copilot Runtime」を利用して開発

「Microsoft Build 2024」基調講演の様子

 米Microsoftは5月20日(現地時間、以下同)、Windows PCの新カテゴリとなる次世代AI PC「Copilot+ PC」において、Microsoft標準アプリとしてOSに組み込まれる複数の新AI機能を明らかにした。新型「Surface Pro」「Surface Laptop」をはじめとした一連の「Copilot+ PC」は6月18日より販売開始予定。

Introducing Copilot+ PCs

 新たなAI機能には、ユーザーがPC上で見たものを過去に遡って検索できる「Recall(回顧)」、ペイントアプリで利用できる画像生成AI「Cocreator」、日本語をはじめとした多言語に対応した字幕を自動生成する「Live Captions(ライブキャプション翻訳)」、AIを活用したビデオ通話エフェクト「Windows Studio Effect」などがある。

 Microsoftの資料によると、これらの新たなAI機能は「Copilot+ PC」でのみ利用可能だとしている。また、「Microsoft Build 2024」内で発表された、Copilot+ PC向け開発環境「Windows Copilot Runtime」(そのAPIセット「Windows Copilot Library」)を利用して開発されているとのこと。

PC上で見たものを過去に遡って検索できる「Recall」

 「Recall(回顧)」はドキュメントや画像、Webサイトなど、ユーザーがPC上で見たものを素早く検索するのに役立つAI機能。

 画面上のコンテキストをキャプチャーし、そのデータをベクター埋め込みとして変換。「Windows Semantic Index」という新しいWindows検索の仕組みに基づいてインデックスが作成される。ユーザー側は、タイムラインをスクロールすることで、過去の瞬間のスナップショットにすばやく直感的にアクセス可能になる。

Recall instantly with Recall on Copilot+ PC
「Recall」

ペイントアプリ向けリアルタイム画像生成「Cocreator」

 「Cocreator」は、インクストロークとテキストプロンプトを組み合わせて、リアルタイムで新しい画像を生成できるAI機能。

 ペイントアプリのリボン右上に表示される[Cocreator]アイコンをクリックして利用する。ペンやタッチスクリーンを使用し、画面上の入力可能な場所にプロンプトを手書きすることも可能。「Copilot+ PC」ではトークンの制限や待ち時間がないため、繰り返しの生成や好みに合わせて編集・微調整も簡単に行なうことができる。

Turn ideas into art with Cocreator on Copilot+ PC
「Cocreator」

44の言語からリアルタイム翻訳を行なう「Live Captions」

 「Live Captions(ライブキャプション翻訳)」は、日本語を含む44の言語から英語へのリアルタイム翻訳を瞬時に提供するAI機能。

 ビデオ通話や音声通話に対応しており、「Live Captions」はすべてのアプリにおいて、一貫してリアルタイムに画面上で表示される。また、オフラインでも利用可能とのこと。

「Live Captions」

AIによる機能強化「Windows Studio Effects」

 「Windows Studio Effects」に、AIによって強化された新機能と拡張機能が追加される。

 ポートレートライトが、暗い環境での照明効果を改善したり、低照度環境での前景のピクセルを明るくしたりするために画像を自動的に調整。 illustrated(イラスト)、animated(アニメーション)、watercolor(水彩)の3つのスタイルからなるクリエイティブフィルターがアーティスティックな表現を可能にする。

 また、アイコンタクト テレプロンプターは、カメラを見ていないときでもアイコンタクトを維持してくれる。ほかにも、ボイスフォーカスなどの機能も用意されている。

 これらの機能は、クイック設定でエフェクトをONにすると、使用中のビデオまたはオーディオプラットフォームに自動的に適用される。

「Windows Studio Effects」