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「Copilot+ PC」の強力なAI検索機能「Recall」(回顧)がプライバシーに配慮した改善
OOBEで既定無効、Windows Helloによる認証が必須に。6月18日にプレビュー開始へ
2024年6月10日 15:29
「Copilot+ PC」で提供が予定される革新的な検索機能「Recall」(回顧)に関し、セキュリティを懸念する声が広がっている。これをうけ米Microsoftは6月7日(現地時間)、「Recall」機能に関する追加情報を公開した。セットアップエクスペリエンスやプライバシー管理、セキュリティへのアプローチなどが解説されている。
「Recall」はPC上で表示・再生されたコンテンツを記憶し、あとから簡単に探し出せるようにする検索機能。定期的にデスクトップイメージのスナップショットを作成し、それを暗号化の上ローカルへ保存し、AIが分析して文脈を理解し、ユーザーが後から自然言語で探したり、ビジュアルタイムラインで過去をたどることができる。この過程でAIが活用されるため、「Copilot+ PC」が必須要件となる。
なんでも記憶するという「Recall」の性質上、この機能はあらかじめユーザーのプライバシー保護を考慮して設計されている。たとえば「Recall」に何が保存されるかはユーザー自身がコントロール可能で、スナップショットの保存を無効にしたり、一時停止したり、特定のアプリケーションをフィルタリングして除外したり、あとからスナップショットを削除することができる。
とはいえ、初期状態で有効になっていることに不安を覚えるユーザーは少なくないだろう。そこで、OSの初期セットアップ(OOBE)で「Recall」を有効にするかどうかをたずねる画面が追加される。ここで有効を選択しない場合、「Recall」は既定で無効化される。
次に、「Recall」の有効化には「Windows Hello」の登録が要件となる。タイムラインの表示や「Recall」検索でも、「Windows Hello」による本人確認・在籍証明が必須となる。
加えて、「Recall」スナップショットを守るために「Windows Hello Enhanced Sign-in Security」(ESS)による追加のデータ保護レイヤーが導入される。もしローカルに侵入されても、復号にはユーザーによる認証が必要となる。さらに検索インデックスデータベースも暗号化されるとのこと。「Copilot+ PC」要件を満たしたデバイスで利用できるセキュリティ機能が、フル活用されるというわけだ。
なお、「Recall」スナップショットはローカルに保存され、クラウドへ送信されることはない。「Recall」のAI処理はデバイス上で完結し、同社のAIモデルをトレーニングするため勝手に用いられることもない。たとえPCの管理者であっても、他のユーザーのスナップショットの内容を見ることはできない。
また、サポートされているWebブラウザーであれば、デジタル著作権管理されたコンテンツや「InPrivate」ブラウジング(シークレットモード、プライベートブラウジング)で閲覧したコンテンツはスナップショットとして保存されないとのこと。「Recall」検索の対象にしたくないコンテンツに関しては、「InPrivate」を活用することも考えたい。
「Recall」検索機能は米国時間6月18日、「Copilot+ PC」の発売と同時にプレビュー版として出荷される予定だ。