使ってわかるCopilot+ PC

第12回

「Copilot」は画像生成もできる! 「DALL-E 3」に好きな絵を描いてもらおう

プロンプトの意識も不要。対話型AIならではの強みを活かす

検証に使用した「Copilot+ PC」、「Surface Laptop 13.8インチ(第7世代)」

「Copilot」は画像生成AIも搭載している

 2週連続で対話型AI「Copilot」についての話をしてきた。先週はテキストだけでなく画像も理解できるマルチモーダルAIであるということを、実例とともに解説した。

 今週も画像を扱うという話だが、方向性を変えて、画像生成の話をしたい。「Copilot」には「DALL-E 3」という画像生成AIが搭載されており、描いて欲しい内容を指示すれば絵を自動生成してくれる。どうすれば画像を生成できるのか、そして「Copilot」の画像生成の何が優れているのかを解説する。

画像生成はとても簡単

 まずは何かしら画像を生成してみる。試しに弊誌のマスコットキャラクターを描いてもらうべく、「Copilot」にテキストで『窓の杜のマスコットキャラクターを描いてください』と伝える。

マスコットキャラクターはこんな感じ

 しばらく待つと、このように画像が生成される。「Copilot」に何かを『描いて』と指示すれば、「DALL-E 3」による画像生成が行われる。一度の指示で4枚の異なる画像を生成するのが「Copilot」の基本のようだ。

 「Copilot」における基本的な画像生成手順はこれだけ。生成された画像をクリックすると、「Microsoft Edge」が開いて拡大画像が表示される。ダウンロードも可能だ。

拡大画像のダウンロードも可能

対話型AIならではの画像生成AI活用方法

 とても簡単に画像生成ができるのは「Copilot」の魅力と言えるが、本領はここからだ。先程は「窓の杜」という名前に引っ張られた感じのキャラクターが生成された。これはこれで可愛いと思うが、今回は日本のアニメキャラっぽい感じに変えてもらいたい。

 そこで「Copilot」には、続けて『日本のアニメっぽい女の子のキャラクターにしてください』とお願いする。すると伝えた通り、キャラクターがアニメっぽい女の子に変わったものが新たに生成された。

アニメキャラっぽくしてもらった

 さらに方向性を明確にするため、『髪の色を緑にして、もう少しリアルな絵柄にしてください』と伝える。するとやはり前の指示を踏まえた上で、髪の色が緑のアニメっぽい女の子のマスコットキャラクターが生成された。

窓の杜のイメージカラーに髪色を合わせる

 画像生成AIはもうご存知の方が多いと思うので、上の生成画像を見ても何とも思わないかもしれない。しかし「Copilot」でやっていることは、ただの画像生成AIとは一味違う。

 一般的な画像生成AIでは、プロンプトと呼ばれる指示語を入れるのだが、生成する画像の要素を短い言葉に区切って入れていくのが一般的。しかし「Copilot」では、文章で指示できる。それまでのチャットの内容も覚えているので、新たに追加したい要素を文章で伝えればいい。

 これは「DALL-E 3」がユーザーの指示を直接読んでいるのではない。「Copilot」が指示を聞き、「DALL-E 3」が理解しやすい言葉や単語に言い換えてから、「DALL-E 3」への指示として渡している。

 例えば先の画像の例だと、「DALL-E 3」に対して、最初の画像では『窓の杜のマスコットキャラクター』という指示が伝えられている。しかしその次の画像には『窓の杜のマスコットキャラクター 日本のアニメっぽい女の子』、その次は『窓の杜のマスコットキャラクター 日本のアニメっぽい女の子 緑髪 リアル』という指示が入っている。

 画像生成AIにおけるプロンプトの概念を理解していなくても、ただ会話として「Copilot」に指示をするだけで、「Copilot」がうまくやってくれて、適切な画像生成ができる。つまり「Copilot」が「DALL-E 3」という画像生成AIを扱いやすくする仲介役をしているわけだ。

 画像生成AIには、ジャンルによる得手不得手やセンスの偏りが出ることもあるため、必ずしも求めた画像が生成されるとは限らない。それでも画像生成AIを試してみたいとか、ちょっとしたイラストが欲しいという時には活用できる。

大抵の無茶ぶりは聞いてくれるので、色々試してみるといい

 なお生成画像の利用について、Microsoftは商用利用を禁じてはいないものの、第三者の著作権侵害がないことは一切保証しないとしている。詳しくはこちらで確認できるが、簡単に言うと『生成した画像が誰かの著作権を侵害しているかどうか、あなたの責任で判断してくれ』ということだ。

 権利関係を気にするならば、特定のキャラクターやクリエイターを露骨に指示しない、ということが防衛策の1つにはなるだろう。これは生成AI全般で言えることであり、たとえ「Copilot」で簡単に利用できるといっても、常に注意が必要であることは覚えておいていただきたい。

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/