【第142回】
バイオ系3Dシューティング「Bacteria」
『ミクロの決死圏』そのままの、壮絶体内バトル
(01/08/01)
だいぶ昔の作品だが、『ミクロの決死圏』というSF映画をご存知だろうか。脳出血で意識不明になった患者を救うために、医師たちが縮小された潜水艇に乗り込み、体の内側から治療するというストーリーだった。似たような設定で、後にジョー・ダンテが『インナースペース』という作品を製作している。こちらは特撮部分をILM社が手がけたこともあり、なかなか迫力があった。どちらの作品も「人体こそ未知の世界」をテーマに、SFの新境地を切り拓いた佳作だと思う。今回紹介する「Bacteria」は、この2作を“まんま”ゲームにしたような作品だ。プレイヤーは超小型潜水艇(DV)を操作し、患者を蝕む微生物たちとその体内で戦わなければならない。
まずは初期設定を済ませる
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プレイに入る前に、セットアップ画面で解像度やテクスチャの品質を設定する |
ダウンロードしたファイルを展開すると、“bacteriademo”というフォルダが作られる。デモ版をはじめる前に、まず環境設定を済ませてしまおう。フォルダの中にある“BacSetup.exe”というファイルを実行すると、設定用のコントロールパネルが表示される。使用するパソコンの性能に合わせて解像度とテクスチャーの品質を指定し、“SAVE”ボタンで確定。初期設定のままだとマウスの操作感が逆なので、“Invert Mouse”のチェックも解除しておいたほうがいいだろう。
資金を貯めて装備を強化
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トレーニングモードで、DVの操作と武器の使い方を覚えよう |
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赤い△は脱出ポイントがある方向。白い△は敵、青い△は障害物、緑の△は輸送ポッド |
“Bacteria.exe”をクリックしてデモ版を起動したら、メインメニューから[START DEMO]→[BRIEFING]の順に選ぶ。ミッションの説明画面で[Start]をクリックすると、いよいよゲームスタートだ。体内に巣食うバクテリアを退治し、脱出ポイントまで無事にたどり着くことができれば、1面クリアとなる。超小型潜水艇(DV)の操作方法は下記のとおり。
前進/後退 | [W]/[S]キー |
左回転/右回転 | [A]/[D]キー |
視点の移動 | マウス |
プラズマガンの発射 | マウスの左ボタン |
武器の価格表 | [B]キー |
武器の発注 | [F1]~[F6]キー |
魚雷の装填 | フルキーの[1]~[6]キー |
シールド強化パーツの発注 | [F7]キー |
プラズマガン強化パーツの発注 | [F8]キー |
魚雷の照準 | スペースバー |
魚雷の発射 | 左の[Shift]キー |
ECM(敵の攻撃の妨害) | [E]キー |
最初から使える武器はプラズマガンだけだが、敵を倒して資金を貯めると、魚雷やシールド強化用のパーツ、プラズマガン強化用のパーツを買うことができる。ファンクションの[F1]~[F8]キーを押すと味方の輸送ポッドが現れるので、接近して武器を受け取ろう。ホーミング魚雷や広域破壊魚雷など6種類の魚雷の中からどれを選ぶか、そしてどのタイミングで使うかが、このゲームではとても重要だ。
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バクテリアを発見!! プラズマガンを連射して攻撃する
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ディスプレイの表示を見ながら進行方向を決める
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大爆発したバクテリア。誘爆を誘いつつ、自分は安全な場所へ退避 |
画面上には、様々な情報が表示されている。画面左上のゲージはシールドの状態だ。敵の攻撃を受けるとシールドのレベルは徐々に下がり、ゼロになるとDVは破壊されてしまう。シールドは一定のペースで自動的に回復していくので、ひどいダメージを受けてしまった場合は、いったん敵の少ない場所に退避して回復を待つという方法もあるだろう。画面右上“E”はエネルギーの残量。その下の“T”は、プラズマガンの温度。オーバーヒートすると連射できなくなってしまうので、注意してほしい。
ヘッドアップディスプレーに表示される赤い△は、脱出用ポイントのある方向。脱出用ポイントそのものは、画面上に黄色い◎として表示される。白い△は敵バクテリアのいる方向。したがって画面上に白い三角がたくさん表示されている場合は、無数の敵がいるということになる。青い△は障害物。攻撃される心配はないが、ぶつかるとシールドがダメージを受けるので、うまくすり抜けるようにしよう。緑色の△は、武器を運んでくる輸送ポッドの方向だ。
バクテリア同士の誘爆を引き起こせ!!
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脱出ポイントに到着。次の目標やミッションが示される |
最初のトレーニングステージでは、バクテリアを適当に撃ちながら、黄色く表示された脱出ポイントまで全速力で突っ走ればなんとかなるだろう。敵の攻撃も散発的なので、ほとんどダメージを受ける恐れもない。楽勝でクリアできると思う。しかし、2面目の静脈ステージはかなりキツい。狭い血管内に大量の敵が待ち構えているので、闇雲に前進するだけではすぐにやられてしまう。
上手に戦うコツは、あまりDVの速度を上げずに、ゆっくり進むこと。センサーに探知したバクテリアを1体ずつ確実に破壊しながら前進しよう。バクテリアの中には激しく爆発するタイプがあるので、それを上手に利用する。敵が密集している場所を見つけたら、ロボット型のバクテリアを破壊して誘爆を誘う。首尾よく誘爆を引き起こすことができたら、いったんその場を離れて爆発が収まるのを待ち、再度前進を続けよう。誘爆によって敵のコロニーを壊滅させ、自分はその爆発に巻き込まれないよう距離を保つのがポイントだ。もちろん、魚雷の選び方、使い方も慎重に。
少々難度は高いが、良質なシューティングゲーム
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静脈の中で待ち伏せる超強力なバクテリア。凄まじい勢いで弾を撃ってくる |
体の中で戦うという設定はユニークだが、ゲームそのものはシンプルなシューティングゲーム。操作性も良好で、気持ちよくプレイできると思う。OpenGLを使っているからだろうか、グラフィックも透明感があって美しく、なかでもバクテリアのコロニーが次々に誘爆するシーンは、まるで花火大会のようだ。ディストーションを効かせたヘビメタ風のBGMもこのゲームの雰囲気によくあっていた。
ただし難度は高く、容易にクリアすることはできない。武器の購入システムもゲームを複雑…というか、必要以上に煩雑にしている。次々に現れる敵と戦いながら資金の残高を確認し、武器を発注し、輸送ポッドから受け取り、装備するのは大変だ。この忙しさについていけるかどうかでおもしろさが決まると思うが、さて、あなたの判断は?
製品版には50以上のミッションが用意されている
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砲台型のバクテリアから攻撃され、シールドは崩壊寸前。ピンチだ!! |
デモ版では、トレーニング用のステージと、それに続く静脈ステージをプレイすることができる。内容については、先ほど説明したとおり。製品版には50以上のミッションと30種類もの敵が登場するという。最近のシューティングゲームにしては、なかなかパワーを感じる作品だ。近日中にヨーロッパとアメリカでの販売が予定されているが、日本国内での取り扱いは不明。
(bacteriademo2.zip、57.4MB、ゲームデモ)
□「Bacteria」のホームページ
http://www.bacteria-game.com/
□「Bacteria」のダウンロードページ
http://www.3dfiles.com/games/bacteria.shtml
(駒沢 丈治)
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