【第154回】
「Star Wars Galactic Battlegrounds」
スターウォーズの世界をリアルタイムストラテジーで楽しむ
(01/10/24)
映画『スターウォーズ』が日本で公開されたのは1978年のこと。当時中学生だった筆者は、渋谷のスカラ座でこの作品を見た。その後サントラ盤(2枚組みのLP)を買い…なんて話は、どうでもいいですな。今回紹介するのは、『スターウォーズ』をそのままリアルタイムストラテジーにした作品「Star Wars Galactic Battlegrounds」。あれから23年。こんなゲームが楽しめるようになるだなんて、当時は夢にも思わなかった。なんだかちょっと、遠い目…。
映画の戦闘シーンをそのままゲームに
「Star Wars Galactic Battlegrounds」は、これまでも『スターウォーズ』関連のゲームを次々とリリースしてきたルーカスアーツの作品だ。『ファントム・メナス』の公開当時はレースやアクションパズル、アクションアドベンチャーなど家庭用ゲーム機をターゲットにした作品が多かったが、「Star Wars Galactic Battlegrounds」はかなり骨太な、本格派のリアルタイムストラテジーとしてデザインされている。映画のシナリオを使ったキャンペーンモード、そしてインターネットを経由したマルチプレイが可能である点も、大きな魅力となっている。
ダースベイダーを演じて反乱軍を叩け!!
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製品版には6本のキャンペーンが用意されているようだ |
デモ版のシナリオでは、ダースベイダーを演じて反乱軍と戦う |
デモ版を起動し、メインメニューが表示されたら、“Start Game”をクリックする。お馴染みのテーマ曲とともにゲームメニューが表示されるので、“Single Player”→“Campaigns”→“4:Darth Vader”→“1.Incrusion on Yabin IV”の順に選んでいく。難度は“Easy”“Moderate”“Hard”の中から選ぶことができるが、最初は無理せず“Easy”のままでいいだろう。なお解像度は、ゲームメニューから“Options”で指定することができる。
さて、このシナリオ“1.Incrusion on Yabin IV”は、最初に公開された映画『エピソード4』に登場した“ヤビン第4の月”が戦いの舞台となる。プレイヤーはダースベイダーを演じて部隊を指揮し、この衛星に建設された反乱軍(Rebel Alliance:銀河共和国側)の拠点を偵察するという設定だ。与えられた使命は、反乱軍のDodonna将軍の居場所をつきとめること。逆にダースベイダーが倒された時点で、プレイヤー側は無条件で負けてしまう。
画面のデザインは、第100回で紹介した「エイジ・オブ・エンパイア II」や、第151回で紹介した「コサックス」に似ている。クォータービューを使ったマップで、操作方法もほとんど同じ。命令を与えたいユニットを範囲指定で選ぶか、もしくは直接マウスで左クリックして選び、移動したい場所や攻撃したい相手を右クリックで指定する。画面の左下にはコマンドボックスが用意され、パトロール、ガード、攻撃重視、防御重視といった命令のほか、部隊の陣形を指定することも可能だ。
各ユニットの特徴を知る
上手に戦うためには、登場するユニットの特徴を理解しなくてはならない。帝国側
のユニットについて、簡単にまとめておこう。
Darth Vader | ダースベイダー。このシナリオに登場する帝国側のユニットの中では、たぶん最強。ヒットポイントは600で、ダメージを受けても自動的に回復する能力を持つ。ただし、持っている武器がライトセーバーなので接近戦にならざるを得ない点に注意。 |
Trooper | 突撃兵。帝国側の主力ユニットだ。ヒットポイントは35しかないが、比較的発射間隔の短いビームライフルを装備し、離れた場所からも攻撃することができる。 |
Scout | スピーダー(エアバイクのようなもの)に乗って移動する偵察兵。ヒットポイントは60で、移動速度が速い。ビームライフルを装備しているが、発射間隔が長いので敵の制圧には向かない。 |
Hvy Mnted Trooper | 恐竜のような動物に乗った兵士。スピーダーほどではないが移動速度が速く、ヒットポイントも135と高い。動物の口から吐く火炎攻撃は強力だが、射程距離が短く、接近戦になってしまうのがつらいところ。 |
Strike Mech | 2足歩行の戦闘マシン。いわゆるAT-ST。ヒットポイントは80。移動速度が速く、射程距離も長い。登場する数が少ないが、比較的使い勝手のいいユニット。 |
Pummel | ホバークラフト型の戦闘車両。一見強そうに見えるが、ヒットポイントは200しかなく、移動速度もTrooper並に遅い。搭載する武器は、敵ユニットに対してほとんど無力だが、建造物に対しては抜群の威力を発揮する。 |
Medic | 医療用のロボット。攻撃を受けてヒットポイントが低下したユニットを、回復させることができる。そのかわり武器を装備していないので、敵のユニットや建造物を攻撃することはできない。 |
Fighter/Bomber | ときどき現れる帝国側の戦闘機と爆撃機。敵のユニットや建造物を攻撃してくれるが、プレイヤーの指揮下にはない。つまり、命令を与えることはできない。 |
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テクノロジーの発展にあわせてユニットも進化するらしい |
増援部隊が到着。ユニットの損失を最小限に抑えて戦おう |
体勢を整えてから一気に攻撃だ!!
このシナリオでは敵側、つまり反乱軍側は基地の守備に徹しているため、積極的に攻撃をしかけてくることはない。つまり、プレイヤーは戦闘を始めるタイミングと撤退するタイミングを比較的自由に選ぶことができる。ユニットを操作するときのポイントは自分の部隊から治療用の“Medic”を切り分けて配置し、戦闘前にはすべてのユニットを回復させること。また戦闘中にダメージを受けたユニットは早めに離脱させ、ヒットポイントを完全に回復させてから復帰させることだ。
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“ヤビン第4の月”に上陸したダースベイダーと帝国軍 |
Dodonna将軍の居場所をつきとめることができれば、ミッション完了 |
また指揮下にあるユニットを、その移動速度にあわせて部隊編成するのも重要だ。比較的低速な“Darth Vader”と“Trooper”、中程度の“Hvy Mnted Trooper”と“Strike Mech”をそれぞれひとつの部隊として管理するといい。移動速度が速い“Scout”と建造物攻撃に向いた“Pummel”は独立した部隊として運用し、その性格に適した役割を与える。たとえば“Scout”で敵の様子を探り、“Darth Vader”と“Trooper”の部隊、あるいは“Hvy Mnted Trooper”と“Strike Mech”の部隊で敵陣を制圧し、その後“Pummel”で建造物を破壊するという戦い方はどうか。
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反乱軍の基地を探して徹底的に叩く!! |
雰囲気はよいのだがデモ版ではわからないことも
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プレイ終了後は、様々なデータをグラフで見ることができる |
『スターウォーズ』の“本家”ルーカスアーツが手がけた作品であるだけに、雰囲気はとてもいい。お馴染みのテーマ曲やダースベイダーのセリフなどの演出も良好だ。なにより、映画の設定とストーリーをネタにこうしたストラテジックな作品をデザインしたところに感心した。とてもおもしろいアプローチだ。以前リリースされていたバトルチェスよりは楽しめるように感じた。
しかし期待が大きいぶん、不満も感じる。まず第一に、今回公開されたデモ版ではあまりにもプレイが単純すぎて、この作品のゲーム性を見極めることができない。あと1~2シナリオ試すことができればよかったのに、と思う。難度の設定にも不満がある。このゲームでは“Easy”“Moderate”“Hard”の中から選ぶことができるが、基本的に敵の攻撃(ビームのダメージなど)が高くなるだけで、戦術的なレベルでの変化が認められない。単にユニットを強くするだけでなく、部隊編成やアルゴリズムが変わればおもしろかったのだが。
ネットワーク対戦も可能
デモ版では、ここで紹介したシナリオ“1.Incursion on Yabin IV”のほか、インターネットやLANを経由したマルチプレイも楽しむことができる。その場合は最大4名が生き残りをかけて戦う、バトルロイヤル方式となる(プレイヤー間の同盟は自由)。
製品版の発売は2001年冬の予定だが、詳しい時期や価格についてはまだ明らかにされていない。気になる日本語版は、エレクトロニック・アーツ・スクウェアが、やはり2001年冬の発売を予定している。同社によると、日本語版のデモを11月に公開するとのこと。
(swbgtrial.exe、70.0MB、ゲームデモ)
□「Star Wars Galactic Battlegrounds」のホームページ
http://www.lucasarts.com/products/battlegrounds/
□「Star Wars Galactic Battlegrounds」日本語版のホームページ
http://www.japan.ea.com/battleground/
□「Star Wars Galactic Battlegrounds」のダウンロードページ
http://gamespot.com/gamespot/filters/products/downloads/0,11095,470395,00.html
(駒沢 丈治)
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