【第147回】
3D戦争シミュレーション「オペレーションフラッシュポイント」
これはもう、本物の戦争だ!!
(01/09/05)
戦争シミュレーションの多くは意外に無機質だ。戦車や戦闘機のユニットを動かし
て、最前線へ送る。地下深くに作られた作戦室で、スクリーンを見ながら命令を出す
最高司令官の気分。彼らにとって、部隊とは単なる“消耗品”でしかない。しかし、
最前線で戦うことを強いられた“消耗品”たちにとって、戦争はもっとおぞましく、
血みどろで、悲惨なものであるはずだ。兵士にとって、自分の命は決して“消耗品”
などではないのだから…。今回紹介する「オペレーションフラッシュポイント」は、
その最前線の兵士の立場でプレイする、超リアルな3D戦争シミュレーションだ。
冷戦末期のソ連で、ソ連反乱軍対NATO軍の戦いが始まった
|
メインメニュー。デモ版ではシングルプレイのミッションを試すことができる |
「オペレーションフラッシュポイント」の舞台となるのは、1985年、冷戦末期のソ
連。ゴルバチョフ政権に不満を持つソ連軍の一部が、クーデターを起こすことから始
まる。反乱軍の鎮圧に失敗したソ連政府は、やむなくNATO軍に出動を要請。こうして、
ロシアの田園地帯でのソ連軍対NATO軍の壮絶な戦いが繰り広げられることになった。
もちろんこれはフィクションで、少なくとも我々の知る限り、このような事実はな
い。しかし当時、ゴルバチョフ政権が推進した政治改革…ペレストロイカやグラスノ
スチによって、軍の発言力は急速に低下しつつあった。不平分子がゴルバチョフの暗
殺やクーデターを計画していたという話もあり、一歩間違えれば事実として起こって
いた出来事だった可能性も否定はできない。そのリアルな政治的・軍事的背景、そし
て登場する銃器や兵器を可能な限り正確に再現しているところが、「オペレーション
フラッシュポイント」ならではの魅力といっていいだろう。
基本的な操作は意外に簡単!!
|
“Houdan”に駐屯するソ連反乱軍。右端にBMP-1が1両見える |
|
|
オペレーション“Ambush”。ソ連反乱軍が駐屯する2つの町を制圧する |
デモ版を起動すると、まず現在使用中のパソコンのパフォーマンスが測定される。
このゲームを楽しむにはスムーズな3D表示が欠かせないので、画面の解像度や同時発
色数は推奨設定、もしくは余裕を持ってそれより一段階下の設定がいいだろう。ちな
みに、メーカー側の推奨環境はPentiumIII 600MHz。表示やシミュレーションが緻密
な分処理が重いので、できればそれ以上の環境で楽しみたい。
メインメニューが表示されたら“OPTION”→“CONTROL”を開いて、プレイに必要
なキーを確認しておこう。基本的な操作は下記のとおり。とりあえずこれだけ覚えて
いれば、なんとか戦えると思う。
移動 | [A][W][S][D]キー |
駆け足 | [E]キー |
車両やヘリへの搭乗 | マウスのホイール |
視点(方向)の移動 | マウス |
射撃 | マウスの左ボタン |
ズーム表示 | マウスの右ボタン |
伏せ | [Q]キー、もしくは[Z]キー |
弾倉の交換 | [R]キー |
操作の確認後、再びメインメニューに戻ったら“SINGLE MISSION”→“Play”をク
リックして、いよいよ戦闘開始だ。
ソ連反乱軍が駐留する町を奪還せよ!!
|
兵員輸送トラックに乗って最前線へ向かう。この中の何名が生きて戻れるのか? |
プレイヤーはNATO軍の兵士として戦闘に参加する。このミッション“Ambush”の目
的は、敵、つまりソ連反乱軍が駐屯する“Dourdan”と“Houdan”の町を攻撃し、そ
の周囲を確保すること。具体的には、
1.NATO軍の対戦車歩兵部隊を“Lolisse”でピックアップすること |
2.先行する“Platoon Alpha(アルファ小隊)”に合流すること |
3.“Team Bravo(ブラボー小隊)”の支援を受けながら、町を制圧すること |
の3つを達成しなければならない。
プレイが始まると、所属する分隊長“Leader”の姿が見える。彼の運転するジープ
に乗って、対戦車歩兵部隊が待つ場所に向かおう。途中で運転を代わらなければなら
ないが、基本的な操作は自分が歩いて移動する場合と同じ。対戦車歩兵部隊と合流し
たら、兵員輸送トラックに乗って“Platoon Alpha”が待つ渓谷へ向かう。
到着後は徒歩で“Dourdan”と“Houdan”の町を目指し、敵兵と遭遇した時点で戦
闘開始だ。町の制圧に成功したら、そのまま海岸を目指して移動し、兵員輸送ヘリ
UH60ブラックホークに乗り込んで次の目的地へ向かう。
一兵卒として任務を遂行すべし
|
“Platoon Alpha”と合流。ここからは徒歩で町へと向かう
|
|
|
50メートル先に敵兵を発見。地面に伏せて狙撃のチャンスを待つ |
最初は何をすればいいのか見当がつかないと思うが、とりあえず分隊長の後に付い
て移動しよう。5~10メートル後ろをぴったりと離れないようにすればいい。分隊長
のいる方向と相対距離は、画面上に緑色の三角で表示されるはずだ。敵と遭遇した後
は、画面に表示されるメッセージの色に注意すること。味方は緑、敵は赤、中立は黄
色、死体は白で表示される。赤色で表示された相手を見つけたら、撃たれる前にこち
らから撃つ。
敵兵のほとんどは自動小銃を装備しているが、中にはRPG(ロケットランチャー)
を装備してる兵士もいるので注意しよう。町の中にはBMP-1(ソ連製の歩兵戦闘車)
も駐屯している。迂闊に近づくと格好の餌食だ。小隊全体の移動に合わせて前進し、
射程内に入った敵を確実に仕留めること。弾は2発続けて撃つようにすると、少ない
チャンスを有効に活かすことができる。
肌で感じる最前線の恐怖
|
次々に現れる敵の守備隊と戦う。見つけたらためらわずに撃て!! |
凄まじい臨場感!! とにかく、この一言に尽きる。銃弾を避けながら匍匐前進する
ときの恐怖や、わずか数メートルを挟んで敵兵と向かい合ったときの緊張感は、「戦
闘を楽しむ」とか「ゲームを遊ぶ」といった生半可な世界を超えている。共にトラッ
クで移動した仲間が銃弾を浴びて倒れる瞬間、自分が撃った弾が命中して敵兵が鮮血
を吹く瞬間、自分がいま兵士として最前線にいるのだという、とんでもない非日常を
感じることができた。このゲームはすごい。いや、怖い。
製品版には50以上のミッションが
|
集合地点でUH60に乗り込む。次のポイントへ移動せよ
|
|
|
林の中から現れたT72主力戦車。歩兵部隊だけで戦うことができるのか!?
|
デモ版では、新兵として参加するショートシナリオ「Ambush」を試すことができる。
その内容については、本文で紹介したとおりだ。製品版には50以上のミッションが用
意されているほか、マルチプレイもできるという。ソ連軍とNATO軍合わせて、20種類
以上の銃器と30種類以上の兵器が登場するという点もすごい。
日本語マニュアル付きの製品版は、イマジニアから7,800円(税別)で発売中。ネッ
トワーク対戦用のロビーサーバーも公開されている。9月8日(土)~9月9日(日)は
秋葉原でイベントも予定されているとのことなので、興味がある方は下記の公式サイ
トにてご確認を。
(opflashdemo.zip、65.5MB、ゲームデモ)
□「オペレーションフラッシュポイント」のホームページ
http://www.imagineer.co.jp/pc/products/ofp/
□「オペレーションフラッシュポイント」のダウンロードページ
http://www.imagineer.co.jp/pc/products/ofp/download.html
(駒沢 丈治)
(C) 2001 Bohemia Interactive Studio and The Codemasters Software Company Limited ("Codemasters"). All rights reserved. "Codemasters"(R) and the Codemasters logo are registered trademarks owned by Codemasters. "Operation Flashpoint"(TM), "FADE"(TM) and "GENIUS AT PLAY"(TM) are trademarks of Codemasters. All other copyrights or trademarks are the property of their respective owners. Developed by Bohemia Interactive Studio. Published by Codemasters.