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Oracle、「Java SE」のリリースサイクルの見直しを提案 ~「OpenJDK」ビルドの提供も

6カ月間隔の“時間”駆動モデルを導入へ

公式ブログ“Oracle Java Platform Group, Product Management Blog”

 米Oracle Corporationは6日(現地時間)、公式ブログ“Oracle Java Platform Group, Product Management Blog”で、「Java Platform, Standard Edition(Java SE)」のリリースサイクルとライセンスを見直す計画を明らかにした。機能アップデートのリリースを6カ月間隔へ短縮するほか、「OpenJDK」ビルドを導入して“GPLv2”ライセンス下で自由に配布できるようにするという。

 「Java SE」は、新機能が実装されたら新しいバージョンをリリースするという“機能”駆動のリリースモデルを歴史的に採用してきた。しかし、クラウドとモバイル開発の浸透により、より頻繁なリリースサイクルが求められるようになった。この要望に応えるため、同社は2年おきに機能アップデートを目指す“トレイン”リリースモデルを導入し、一定の成果を収めたものの、開発が“時刻表通り”に終わることはなく、結果として「Java 8」「Java 9」の出荷は大きく遅れてしまった。

 そこで、同社は6カ月間隔という新しい“時間”駆動のリリースモデルを提案している。具体的には、機能追加や改善を伴う機能アップデートを2018年3月以降、毎年3月と9月の年2回リリースする。リリースに間に合わない機能の導入は、その次のリリースに延期されるだろう。また、セキュリティ修正などを含む更新リリースがこれまで通り1月、4月、7月、10月の四半期ごとにリリースされるほか、長期サポートが2018年9月から3年間ごとにリリースされる。

 一方、クラウドにおけるコンテナーやマイクロサービスといった運用に応えるため、「OpenJDK」ビルドを「JDK 9」の一般公開からクラスパス例外を伴う“GPLv2”ライセンスで提供する。当初はLinuxのx64バイナリのみとなるが、いずれはWindows/Macを追加するという。これに伴い、以前は「Oracle JDK」でしか利用できなかった「Java Flight Recorder」などの商用機能をオープン化することも提案されている。

 なお、「Oracle JDK」の出荷とサポートも継続される。たとえば「Oracle JDK 8」に関しては少なくとも来年中はアップデートが提供されるほか、商用サポートも2025年まで利用できる。同社は「OpenJDK」を主要な開発チャンネルとし、「Oracle JDK」は商用顧客向けの長期サポート(LTS)版として残したい考えだ。