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“Fluent Design”の導入が進む「RS4」 ~「Edge」や“My People”にもテコ入れ
「設定」アプリはリニューアル。秘密の質問を登録する機能やスケーリング設定の改善も
2017年12月20日 17:45
米Microsoft Corporationは19日(現地時間)、PC版「Windows 10 Insider Preview」Build 17063を“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対して公開した。本ビルドではWindowsのシェルや「Microsoft Edge」、「設定」アプリなどにも多くの改善が盛り込まれている。
Windows Shell
「Windows 10 Fall Creators Update」では“Fluent Design System”の一部が導入され、[スタート]画面や“アクション センター”にアクリル効果が追加された。本ビルドではその適用範囲がさらに拡張され、[共有]画面をはじめとする各種フライアウトにもアクリル効果が加えられている。ただし、バッテリーセーバーモードではアクリル背景が無効化されるほか、スケーリング設定が100%を超える環境では不具合があるという。
そのほかにも、トースト通知上から返信する際、下書きが保存されるようになった。返信を書いてる途中にトースト通知をキャンセルした場合、その内容が保存される。また、[スタート]画面の“すべてのアプリケーション”で利用できるグループ化機能も改善。これまでは“あいうえお……”でグルーピングされていたのが“あかさたな……”でグルーピングされるようになり、よりシンプルになった。「エクスプローラー」のナビゲーションペイン(ツリービュー)に「OneDrive」のファイルやフォルダーの状態がアイコン表示されるようになった点や、“Windows Update”の警告や通知がタスクトレイアイコンでもチェックできるようになった点も、細かいながら気の利いた改善と言えるだろう。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」のデザインにもいくつかの改善が施された。まずツールバーにフォーカス効果が追加され、マウスカーソルの位置にあるボタンが輪郭付きで薄くライティングされるようになった。タブバーのアクリル効果も改善されており、アクティブなタブとそうでないタブの違いが明確になった。
機能面では、サービスワーカーやプッシュ、オフラインキャッシュといったAPIがサポートされた。これらを組み合わせれば、ブラウザーを閉じてもWebサイトからの通知を“アクション センター”で受け取ったり、バックグラウンドでデータを更新することができる。タッチジェスチャーがWebサイトで利用できるようになったのものが大きな改善点で、たとえば“Bing 地図”の拡大・縮小にピンチやパンといった2本指ジェスチャーを取り入れることができる。
また、本ビルドでは「Web メディア拡張機能」がインストールされるとのこと。これにより、Windows 10や「Microsoft Edge」でOGG形式の音声・動画コンテンツを再生できるようになるという。
My People
頻繁に連絡を取るユーザーをタスクバーにピン留めする“My People”でもいくつかの改善が行われた。
まず、連絡先のドラッグ&ドロップがサポートされ、フライアウトやタスクバーの連絡先を自由に並び替えられるようになった。タスクバーにピン留めできるユーザーの数も3つから拡充され、最大で50個の連絡先をピン留め可能。これは「設定」アプリの[個人設定]-[タスクバー]セクションで調整できる。
また、タスクバーにピン留めされず、フライアウトにリストされたままの連絡先からもアニメーションアイコンを受け取れるようになった。アイコンがアニメーションする間だけ“My People”のアイコンが送信元ユーザーのアイコンに置き換わるため、だれからアイコンが送られてきたのかもわかりやすい。
「設定」アプリ
「設定」アプリでは“Fluent Design System”の導入に加え、ユーザーインターフェイスのリフレッシュが行われている。従来はアイコンの下にカテゴリと説明が加えられていたが、新しいデザインでは横並びとなった。
設定項目の充実も図られており、たとえば[アカウント]-[サインイン オプション]セクションではローカルアカウントの“秘密の質問”を設定できるようになった。「Fall Creators Update」では“Microsoft アカウント”のパスワードやPINを忘れてもロック画面から復旧できるようになっているが、ここでセキュリティに関する質問を設定しておけばローカルアカウントのパスワードも復旧できる。
また、[システム]-[ディスプレイ]セクションに詳細設定画面が追加され、ディスプレイの詳細な仕様や設定を確認できるようになった。アプリケーションのスケーリングに関するオプションも「設定」アプリに移されたほか、アプリケーションがぼやけてレンダリングされたことを検知して、トースト通知からそれを修正する機能なども追加されている。
そのほかにも、言語やキーボード、モバイル回線、データ利用量の管理、アプリケーションごとの設定といったセクションに改善が加えられているという。
その他に変更点
本ビルドにおける改善は多岐にわたるため、紙幅の関係ですべてを紹介することはできない。以下に主要な改善を列挙してまとめとする。
・関連のあるタスクをタブでまとめる“Sets”機能の導入(一部環境のみ)
・パーソナルアシスタント“コルタナ”の強化
・「Windows Defender」の強化
・「Snipping Tool」に「ペイント 3D」へ送るボタンを追加
・レガシーアプリのカメラアクセスを管理する機能
・入力機能の改善
・管理者向けの配信最適化機能
・レジストリプロセスにハイブデータを保存してメモリ使用量を削減
・ホームグループ機能の削除
本ビルドの目玉となる“Timeline”機能や、“WSL”など開発者向けの改善に関しては下記リンクにあるニュース記事を参照してほしい。