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JAXA、小惑星探査機“はやぶさ2”の状況をリアルタイム表示する「はや2NOW」を公開

6月21日~7月5日には目的の小惑星“リュウグウ”へ到達予定

「はや2NOW」

 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は20日、小惑星“リュウグウ”を目指して航行中の探査機“はやぶさ2”の状況をリアルタイムで表示するWebコンテンツ「はや2NOW」を公開した。“はやぶさ2”は6月21日~7月5日には“リュウグウ”へ到達する予定となっている。

 「はや2NOW」は、“はやぶさ2”の現在位置やアンテナ・エンジンなどの状況をスタイリッシュにリアルタイム表示するコンテンツ。また、“はやぶさ2”と通信している地上のアンテナの状況も表示できる。

 たとえば、画面左上あたりにある進捗バーは、地球と“リュウグウ”間のどの位置に“はやぶさ2”がいるかを示している。20日現在はすでに“はやぶさ2”と“リュウグウ”の位置がほぼ重なっており、到着が近いことがわかる。

 また、その右側にある“はやぶさ2”の模式図では、丸い円盤状の“高利得アンテナ”の使用状況と、“はやぶさ2”が消費している電力を知ることが可能。さらにその右にある四角い枠には、“リュウグウ”に接近した時に、広角の光学航法カメラから見た“リュウグウ”の位置や大きさが略図として表示されるという。

 そのほか、12個ある化学エンジン(スラスター)を噴射した秒数の積算や、各種アンテナの状況、臼田宇宙空間観測所や内之浦宇宙空間観測所といった地上のアンテナとの通信状況などが表示されている。

 加えて、地上のアンテナの状況を示すエリアにある[通信シミュレーターを開く]ボタンを押すとポップアップ画面が現れ、地上から電波を送信した場合に“はやぶさ2”へ届き、返信が返ってくるまでの時間を疑似的に体験することが可能。光速で進む電波でも20分以上かかる彼方の宇宙に“はやぶさ2”がいることを実感できる。

[通信シミュレーターを開く]ボタンを押すとポップアップ画面

 現在は、まだイオンエンジンによる飛行のため活発な動きは見られないが、さらに“リュウグウ”へ接近し、接近誘導が開始される6月初めにはスラスターによる軌道変更やそのための通信が頻繁に行われると思われる。期待して待ちたい。