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Adobe、伝説のデザイン学校“バウハウス”の復刻フォント第2弾「CarlMarx」を無償公開

本文向けの「CarlMarx Regular」と見出しに適した「CarlMarx Bold」をラインナップ

 米Adobeは7月12日(日本時間)、「CarlMarx」フォントを公開した。伝説のデザイン学校“バウハウス”で100年越しに“再発見”されたスケッチなどをもとに、当時のフォントを復刻するプロジェクトの第2弾だ。

 “バウハウス(Bauhaus)”は20世紀初頭、ドイツ・ヴァイマルで誕生したデザイン学校。開校していた期間は14年と短いが、後世のデザイナーに多大な影響を与えたことで知られる。とくにデッサウへ移転した中期は、合理性や科学性、経済性を重視した“機能主義”が徹底され、国際的な評価も高まった黄金期だ。その評価は現在でも色褪せてはおらず、1996年には関連遺産群が世界遺産として登録された。

 今回発表されたフォントは1932年、巨匠Joost Schmidt(第1弾のフォント「Joschmi」の名前の由来にもなった人物)のもと、バウハウス・デッサウで学んでいた画家Carl Marx(『資本論』を執筆したKarl Marxとは別人)が残したスケッチに基づいている。文字のプロポーションこそSchmidtの教えに忠実な幾何学性をもつが、定規とコンパスではなく、ブラシとマーカーでデザインされており、合理性のなかにも温かみを感じさせるのが本フォントの特徴だ。

「CarlMarx Regular」と「CarlMarx Bold」

 フォントのデザインを担当したのは、レディング大学でタイプフェイスデザインを学んでいる山崎 秀貴氏。欠けた字を補い、本文での利用に適するようデザインされたレギュラーフォント「CarlMarx Regular」と、見出しにも使えるように調整したボールドフォント「CarlMarx Bold」の2つがラインナップされており、同社のフォントサービス“Typekit”を通じて無償でダウンロードできる。