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「Firefox 64」が正式公開 ~複数タブの選択やタブ・アドオンの電力消費確認に対応
Windows版では[共有]機能をサポート。脆弱性の修正も
2018年12月12日 05:00
Mozillaは12月11日(米国時間)、「Firefox 64」を正式公開した。「Firefox Quantum」ブランドでリリースされる8番目のメジャーリリースとなる本バージョンでは、タブ機能の強化をはじめとするさまざまな改善が盛り込まれている。
「Firefox 64」ではタブの複数選択がサポートされ、さまざまなコマンドを一度に実行できるようになった。[Ctrl]キーや[Shift]キーを押しながらタブをクリックすると、クリックされたタブの上辺に選択状態を表す青い線が追加される。この状態でタブを右クリックしてメニューへアクセスすると、選択されたタブを一度に閉じたり、移動したり、ブックマークしたり、ピン留めできる。“Firefox Sync”で同期した他のデバイスへ送信することも可能だ。
また、タブやアドオンの消費電力への影響を“about:performance”画面で確認できるようになった。タブのツリーを展開して当該タブのサブフレームやトラッカーをチェックしたり、ポップアップでディスパッチの数を確認することも可能。電力消費の多いタブを閉じて、バッテリーを節約することもできる。
プラットフォームごとの改善としては、Windows版ではOSネイティブの[共有]機能がサポートされたことが挙げられる。他のUWPアプリへURLを渡したり、“近接共有”機能で他のデバイスへURLをBluetooth送信できて便利だ。Mac版とLinux版では「Clang」コンパイラーの“LTO(Link Time Optimization)”オプションが有効化された効果でパフォーマンスが向上している(Windows版は「Firefox 63」ですでに有効化されている)。
そのほかにも、ツールバーボタンの右クリックメニューからアドオンを手軽に削除できるようになった。アドオンの管理画面のデザインも若干変更されている。また、閲覧サイトのブラウズを快適にする新しい「Firefox」の新機能、サービス、拡張機能を案内する機能が米国限定で導入された。
一方、長年親しまれてきたRSSフィードプレビュー機能とライブブックマーク機能が本バージョンから削除されている。「Firefox」でフィードを閲覧する場合は、アドオンや外部サービスに頼る必要がある。また、延期されていたSymantec発行のTLS証明書無効化が本バージョンから実施されるので注意したい。
なお、本バージョンにはセキュリティ関係の修正も含まれているので注意。Mozillaが公開したセキュリティ情報によると、今回修正された脆弱性はCVE番号ベースで11件。深刻度の内訳は、Mozillaの基準で4段階中上から最高の“Critical”が2件、上から2番目の“High”が5件、上から3番目の“Moderate”が3件、最低の“Low”が1件となっている。
「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでにインストールされている場合は更新機能を利用してアップデートすることも可能。