やじうまの杜

「Firefox 64」で廃止されたフィードプレビューとライブブックマークを復活させたい!

情報摂取をすべて他者に委ねず、自分でもチェックする癖をつけよう

 “やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

「Firefox 64」で廃止された組み込みのフィードリーダーと“ライブブックマーク”

 今週リリースされた「Firefox 64」には複数のタブを選択する機能やタブのバッテリー消費をチェックできる“about:performance”画面といった新しい機能が導入されましたが、その一方でひっそりと削除されたのが組み込みのフィードリーダーと“ライブブックマーク”機能です。

 Webサイトの多くは、新着記事の一覧をXML形式で配信しています。これを“フィード”と呼び、フォーマットとしては“RSS”や“Atom”が有名です。中身はXML形式なのであまり読みやすくないのですが、旧バージョンの「Firefox」にはこれを読みやすく整形する機能が備わっていました(組み込みのフィードリーダー)。

組み込みのフィードリーダー

 この機能は「Firefox 2」の頃から搭載されていたようですが、独自のパーサー(解析器)がメンテナンスされないまま使われていたようで、この度廃止されました。「Firefox 64」はフィードを単なるXMLドキュメントとして扱い、汎用のリーダーで表示されます。

「Firefox 64」はフィードを単なるXMLドキュメントとして扱い、汎用のリーダーで表示

 一方“ライブブックマーク”機能は、わざわざWebサイトをチェックしなくても新着記事の有無を確認できるようにした機能です。

フィードを「Firefox」のブックマークと同じような感覚で扱える“ライブブックマーク”

 フィードは“フィードリーダー(RSSリーダー)”と呼ばれる専用のツールで閲覧するのが一般的ですが、“ライブブックマーク”ならば「Firefox」のブックマークと同じような感覚で扱えるため、大変便利でした。「Firefox Quantum」になる以前は、この“ライブブックマーク”をより使いやすくするための拡張機能が多数リリースされており、根強い人気があったことをうかがわせます。

 しかし、フィードプレビューと“ライブブックマーク”の使用率は近年低下の一途をたどっており、Mozillaによるとセッションの約0.01%を占めるに過ぎなかったのだそう。また、“ライブブックマーク”は新着・既読の区別を行うためにデータベースへ情報を溜め込んでいますが、その方法は長くメンテナンスされていないため古く、効率の悪いものになっていました。また、「Firefox Sync」で同期することもできません。

 せっかく速くなった「Firefox Quantum」の足を引っ張る存在として、メンテナンスの打ち切りが決定されたのも仕方がないと言えそうです。

 “ライブブックマーク”を利用していた「Firefox」を「Firefox 64」へアップデートすると、“ライブブックマーク”は(可能であれば)単なるブックマークに置き換えられます。“ライブブックマーク”で購読していたフィードの一覧は“Firefox feeds backup.opml”という名前でバックアップされ、デスクトップへ保存されます。

“ライブブックマーク”で購読していたフィードの一覧は“Firefox feeds backup.opml”という名前でバックアップされ、デスクトップへ保存される

“ライブブックマーク”を使い続けたい!

 “ライブブックマーク”を使い続けたい場合は、長期サポート版の「Firefox ESR」へ切り替えることで利用を継続することが可能です。ただし、それもサポートが切れる2019年10月まで。それまでに「Feedly」などのフィードリーダーへ移行するか、代わりの拡張機能を導入する必要があります。

 “ライブブックマーク”の代わりとして有力な拡張機能は、現在のところ「Livemarks」のようですね。この拡張機能でフィードを登録すると、専用のブックマークフォルダーを作成し、その中に新着記事へのブックマークを作成してくれます。フィードを読みやすく整形する機能も備わっています。

「Livemarks」拡張機能で整形されたフィード

 “Firefox feeds backup.opml”をインポートすれば、従来の“ライブブックマーク”と似た感じで運用できます。

“Firefox feeds backup.opml”をインポートすれば、従来の“ライブブックマーク”と似た感じで運用できる

 最近はSNSで流れてきたリンクを読むのが情報チェックの主流になっており、フィードの重要性は低下したように見えます。しかし、SNSに流れるリンクはもともと誰かが自分でチェックして大事だと思ったり、面白いと感じたものです。それだけに情報の摂取を委ねてしまってよいのでしょうか。

 SNSで流れてきた情報だけでなく、主体的に情報をチェックする側に回る場合、フィードはまだ欠かせない存在。ぜひ、フィードを購読する方法を学んで、活用してほしいと思います。

 ちなみに、オンラインソフトの最新情報をチェックしたい方は“窓の杜”のフィードがお勧めです! 以下のURLからフィードを購読してみてください。