やじうまの杜

「Google Chrome」の省電力技術を極めた試験フラグがCanary/Dev版に導入

トラブルを恐れてゆるゆるにしていた省電力設定を詰めてバッテリー持続の改善を図る

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「Quick Intensive Throttling after loading」という試験フラグが追加

 「Google Chrome」で「Quick Intensive Throttling after loading」という試験フラグが追加されており、Webブラウザーが消費する電力をより抑えることができるのだそうです。

 「Intensive Wake Up Throttling」(徹底したタイマー起動の抑制)は、閲覧していないバックグラウンドタブでJavaScriptタイマーの発火間隔を間引き、スクリプトの実行を抑制して電力消費を減らす技術です。「Chrome 86」で「Intensive throttling of Javascript timer wake ups」という名前で導入されており、ページがバックグラウンドへ移行して5分経つと、タイマー間隔は1分間に1回にまでスロットル(絞る)される仕様でした。

 しかし、これは意図しないトラブルを避けるためマージンを大きくとって定められた設定なのだそうです。

 新しい試験フラグを有効にすると、「Intensive Throttling」が発動するまでの待機時間が現行の5分から10秒へと大きく短縮されるとのこと。リソース抑制の働く局面が増えるので、より一層の省電力が期待できるわけです。

 この機能はCanary/Dev版の「Chrome 105」に試験展開されています。興味のある方は、アドレスバーに「chrome://flags/#quick-intensive-throttling-after-loading」と入力して試験フラグにアクセスし、値を「Enabled」に変更してWebブラウザーを再起動してみましょう。ユーザーインターフェイスで「Intensive Wake Up Throttling」の動作を手軽に確認する方法は用意されていないようですが、もしかするとラップトップのバッテリー持続時間が伸びるかもしれません。

「chrome://flags/#quick-intensive-throttling-after-loading」試験フラグ

 なお、「Microsoft Edge」には「効率モード」や「スリープタブ」という省電力機能が備わっており、利用していないタブのタブを自動で開放してくれます。こちらには「どれだけのリソースが節約されたか」が一目でわかるメーターもついているので、ぜひ試してみてくださいね。

「Microsoft Edge」の「効率モード」
「スリープタブ」はバックグラウンドタブのリソース消費を抑える機能。「効率モード」は「スリープタブ」開始までの猶予を2時間から5分に短縮するなど、徹底した省電力化を行う
「Edge」はどのタブが省電力モードになっているか、それによって節約されたリソースがどれくらいなのかがわかりやすく表示される