ニュース

GitHub、無償コードエディター「Atom 1.37」を公開

プルリクエストのレビューをエディターの上で処理可能。あいまい検索には実験的改善

「Atom」v1.37.0

 米GitHubは5月12日(現地時間)、コードエディター「Atom」の最新版「Atom 1.37」を正式公開した。“GitHub”のプルリクエストで受け取ったレビューコメントを閲覧する機能が追加されたほか、ファジーファインダー(あいまい検索)のパフォーマンスを劇的に向上させる改善が実験的に導入されている。

 「Atom」は、プロジェクトホスティングサービス“GitHub”の創設者Chris Wanstrath氏が2008年に開発を始めたオープンソースのコードエディター。ベースにはクロスプラットフォーム対応デスクトップアプリを開発するためのフレームワーク「Electron」が使われており、Windows/Linux/Macで利用可能。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。

 「Atom」の特徴は、パッケージで自由に機能を拡張できること。「Atom」を統合開発環境にしてしまう「Atom IDE」や、ソーシャルコーディングを実現する「Teletype for Atom」など、コミュニティベースで開発された魅力的なパッケージが数多く取り揃えられている。“GitHub”発のプロジェクトだけあって“GitHub”と連携するためのパッケージは最初から組み込まれているので、“GitHub”のレポジトリやプルリクエストを扱うのもお手のものだ。

 「Atom 1.37」では、同梱の「GitHub」がさらに強化。プルリクエストに付けられたレビューを開き、コメントやコードの変更部分を手軽にチェックできるようになった。スレッドへの返信やリアクション、解決済みのマーキングも簡単に行える。

プルリクエストに付けられたレビューを「Atom」で処理

 また、ファジーファインダーのバックエンドとして「ripgrep」が利用できるようになった。検索速度やフィルタリングの性能が大幅に改善されており、とくにファイルの多いプロジェクトで効果を体験できるとのこと。270,000ものファイルを持つプロジェクトでテストしたところ、実に14倍ものパフォーマンスアップが見られたという。

ファジーファインダーの実験的改良はファイル数の多いプロジェクトで絶大な効果を発揮

 なお、次期バージョンのベータ版「Atom 1.38」のリリースもアナウンスされている。「Atom 1.38」では、引き続き「Github」パッケージの強化が図られる。また、いくつかのプログラミング言語でパーサーとシンタックスハイライトが改善される予定だ。

ソフトウェア情報

「Atom」安定版
【著作権者】
GitHub Inc.
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.37.0(19/05/12)