従来版より2倍高速 ～Mozilla、Android向け「Firefox」を刷新、プレビュー公開

「Firefox Preview」v1.0.0

シンプルなスタート画面

　Mozillaは6月27日（米国時間）、新しいAndroid向け「Firefox」のパイロット版をプレビュー公開した。Android 5.0以降に対応しており、現在“Google Play”から無償でダウンロード可能。

　Mozillaは近年、ユーザーのプライバシーを重視する姿勢を前面に押し出しており、本家「Firefox」とは別に、プライバシー保護に特化したブラウザーアプリ「Firefox Focus」をモバイル（iOS/Android）向けに提供している。しかし、「Firefox Focus」には「Firefox」ほどの機能はなく、使い勝手に劣るという問題があった。

　そこで新規に開発されたのが、今回リリースされた「Firefox Preview」だ。本アプリはブラウザーコンポーネントとして、OS標準の“WebView”ではなく、独自の“GeckoView”を採用している。“GeckoView”はデスクトップ版「Firefox Quantam」と同じ技術で構築されており、従来の「Firefox for Android」と比べ最大で2倍高速に動作するとのことで、「Firefox Focus」や「Firefox Reality」でも採用されている。

　また、「Firefox Focus」譲りのプライバシー保護機能も魅力だ。「Firefox Preview」ではトラッキング保護機能は初期状態で有効化されており、煩わしい広告トラッカーからユーザーを守ってくれる。パフォーマンスを低下させるスクリプトも遮断されるため、動作速度の向上にも期待できる。

　デザインも従来の「Firefox for Android」よりもシンプルだ。

　スタート画面は検索ボックスと開いているタブの一覧、そして“コレクション”のみが表示される。“コレクション”は開いているページをリストに保存し、名前を付けて管理できる機能で、通勤中に巡回するサイト、ショッピングサイトの商品ページを抜き出して買い物リスト、旅行中に訪れたい名所の一覧など、タスクを保存して後で参照したい場合に役立つ。URLの一覧を共有する機能も備えており、友人とシェアしたり、クリップボードにコピーしてメモアプリやブログに貼り付けるのも簡単だ。

　また、閲覧画面には下部に“引き出し”が設けられている。これを利用すれば、URLの共有やブックマークといったアクションが簡単に行える。また、一部のサイトではメインコンテンツだけを読みやすく表示する“リーダー モード”へ切り替えることもできる。

閲覧画面の“引き出し”からさまざまなコマンドを実行可能

　なお、「Firefox Preview」ではまだアドオンがサポートされていないようだ。アドオンが必要なユーザーは、現行版「Firefox for Android」の利用をお勧めする。