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ターミナルを900%高速化するWebGLレンダラーを実験投入 ~「Visual Studio Code」v1.41
長いパスをコンパクトに表示する“コンパクト フォルダー”、HTMLタグのミラーカーソルも魅力
2019年12月18日 06:45
米Microsoftは12月13日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2019年11月アップデート(v1.41)を正式リリースした。本アップデートでは、“コンパクト フォルダー”などの新しい機能が導入されている。
“コンパクト フォルダー(explorer.compactFolders)”は、サブフォルダーが1つしかないフォルダーをツリーにせず、まとめて1つの“パンくず”で表示する。Javaをはじめとする一部の言語はフォルダーツリーの階層が深くなりがち(“main/java/com/……”など)だが、兄弟を持たないフォルダーを“パンくず”にまとめることでネスト(入れ子)が減り、一覧性が高まる。“パンくず”の要素にはドラッグ&ドロップが可能で、ファイル・フォルダーの移動・コピーが妨げられることはない。“パンくず”を右クリックすれば、フォルダーのコンテキストメニューにアクセスすることも可能だ。この機能は既定で有効化されているので、すぐに試すことが可能。
そのほかにも、ユーザーインターフェイス関連では差分(Diff)ビューでは左側のビューが編集できるようになった。ドキュメントの縮小表示をスクロールバーに表示する“ミニマップ(Minimap)”では、エラーやコンテンツの変更箇所を強調表示できる。また、検索ボックスのクエリを編集するとリアルタイムでグローバル検索結果がアップデートされるようになったのも、正規表現などを使って複雑な検索クエリを作成している場合に役立つ。
さらに、開発関連でもいくつかの改善が導入された。なかでも便利そうなのが、HTMLタグのミラーカーソル(html.mirrorCursorOnMatchingTag)だ。HTMLタグの内部へカーソルを移動させると、それに対応するタグにもう一つのカーソルが自動で挿入され、マルチカーソルで開始タグ・終了タグを一度に編集できる。このオプションは既定で有効。
また、「TypeScript 3.7」のオプショナルチェイニングがサポートされ、構文の強調表示と“IntelliSense”による補完が行えるようになった。“undefined”かもしれないオブジェクトのメンバーを呼び出すと、“?.”演算子が自動で補完される。インライン定義された型を抽出して、インターフェイスに置き換えるリファクタリング機能も追加された。
そのほかにも、問題パネルの強化やターミナルにおけるコントラスト比対応の改善が行われた。また、ターミナルでは“WebGL”を用いた実験的なレンダラーが導入。以前に高速化のため導入された“canvas”ベースのレンダラーよりもさらに高速で、最大900%のパフォーマンス向上が見込めるという。
「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることも可能。
ソフトウェア情報
- 「Visual Studio Code」Windows向け安定版
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.41(19/12/13)