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拡張機能の同期はCanary版でテスト中、閲覧履歴の同期は夏にも ~新「Edge」のロードマップ
一方、マウスジェスチャーと“Google アカウント”でのログインは実装せず
2020年2月18日 13:00
米Microsoftは2月11日(現地時間)、「Microsoft Edge」に寄せられているフィードバックのまとめとその実装状況を公式コミュニティサイト“Microsoft Tech Community”で明らかにした。実装しないことが決定している機能も明らかにされている。
2月に実装予定
ステータスが“2月に実装予定”になっている機能は、以下の4つ。インストール済み拡張機能の同期は、すでに一部の「Microsoft Edge Canary」で利用できる。
- お気に入りの同期の問題修正(お気に入りが重複する、削除したものが再表示される)
- インストール済みの拡張機能をデバイス間で同期
- 新規タブ(edge://newtab)ページの背景写真にカスタム写真を設定するオプション
- 複数のプロファイルがある場合のリンクの処理を改善
夏に向けて実装予定
夏に向けての実装が計画されているのは、閲覧履歴の同期だ。「Google Chrome」などでは当たり前となっている機能なので、早期の実現を期待したい。
- 閲覧履歴の同期
実装を計画
以下の機能は、期日こそ未定であるものの実装は予定されている。ディスカッション中のものもあるので、要望がある場合は参加するとよいだろう。
- メディアのキャスト
- Linux版「Microsoft Edge」のリリース
- PDFファイルの読み上げ
- 「Edge」を閉じたとき閲覧データを消去する場合、特定のCookieを保持するオプションを導入
- ツールバーに[共有]ボタンを追加するオプション(旧「Edge」には搭載)
- Webページへのインク注釈(旧「Edge」には搭載)
- タッチパッドの2本指スクロールが右クリックを引き起こすことがある問題の修正
- お気に入りを並べ替えるさまざまなオプション
- “Chrome ウェブストア”のテーマをサポート
- Webサイトを開いたときにビデオとオーディオが自動再生されるのを防ぐオプション
ディスカッション中
以下は、実装に向けた要望をまとめたり、問題点を洗い出している段階の機能だ。まず、タブ操作に関しては2点が挙げられている(Discussion - Set Aside Tabs and Warn on Close - Microsoft Tech Community - 1120668)。
- ウィンドウを閉じるときに、すべてのタブを閉じるがユーザーに確認
- 旧「Edge」のタブ機能“Set Aside”の復活
“Set Aside”は、閲覧中のタブを“脇に置いておく”機能。お気に入りに登録するほどではないが、閉じたくはないタブを一時的に待避することが可能で、タブの開きすぎを防止するのに役立つ。根強い要望があるが、利用率がさほど高い機能ではないので、新「Edge」の新機能“コレクション”で代用できないかなども併せて、機能を追加するかどうか、追加するならどのように提供するかを慎重に検討する必要があるだろう。
また、ユーザーインターフェイス関連では以下の点が挙げられている(Discussion - Updating our interface with Fluent touches - Microsoft Tech Community - 1105938)。とくに新「Edge」から“Fluent Design System”が省かれているのは旧「Edge」から大きく後退している点であり、早急な改善が期待される。
- “Fluent Design System”を用いてインターフェイスをアップデート
- 旧「Edge」のように角ばったタブにする
- ブラウザーフレームに透明なテーマを提供
- アドレスバーとテキストが大き過ぎるのではないか
そのほかにも、以下の機能が検討中だ。
- ファイルをダウンロードするときに、実行・開く・保存オプションを提供
- パーソナルアシスタント“Cortana”との連携
- 旧「Edge」のタブプレビュー機能を復活
審査中
機能を実装するかどうかの審査段階にある機能は、以下の通り。新規タブページに関する改善が多い。
- 目次によるPDFファイルのナビゲーション(新機能)
- 新規タブページで“Bing”検索バーを非表示にするオプション
- 新規タブページの検索バーに他の検索プロバイダーを割り当て
- 新規タブページの代わりにカスタムURLを設定するオプション
計画なし
一方で、実装しないことが明言されている機能もある。
1つは、マウスで特定の軌跡を描くことによりコマンドを実行する“マウスジェスチャー”だ。キーボード操作やマウスのボタン操作が不要になる便利な機能だが、入門者にとっては覚えにくく、また誤動作の温床ともなりかねない。「Microsoft Edge」はOS既定のWebブラウザーであり、幅広いユーザーをターゲットとする必要があることから、上級者向けの“マウスジェスチャー”を標準搭載することはない。利用したい場合は、拡張機能を別途導入することになるだろう。
もう1つは、“Google アカウント”でログインする機能。“Microsoft アカウント”と競合するうえ、実装と管理が困難になる。同社は“Gmail”のメールアドレスでも“Microsoft アカウント”を取得できるとし、代わりに「Google Chrome」からのデータインポート機能(edge://settings/importData)を活用するよう呼び掛けている。
なお、新機能をいち早く試したい場合は、“Microsoft Edge Insider”の各開発チャンネルをインストールすればよい。同じシステムに安定版「Microsoft Edge」と共存することも可能だ。