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「Apache OpenOffice」が“より大きなアップデート”のための貢献を呼び掛け
「OpenOffice 4.1」の初回リリースから6年、いまだ「OpenOffice 4.2」を出荷できない状態
2020年5月18日 12:44
The Apacheソフトウェア財団へ Software Foundationは5月17日(米国時間)、「Apache OpenOffice」の公式ブログをアップデートした。より大きなアップデートに備えるため、貢献者を募集しているという。
「Apache OpenOffice」は、「OpenOffice.org」の流れをくむオープンソースのオフィススイート。「OpenOffice.org」はもともとSun Microsystems社が管理していたが、2010年にSun Microsystems社がOracle社に買収された際に、非営利団体での管理が望ましいとして、2011年にApacheソフトウェア財団へ寄贈された。2012年5月リリースのv3.4.0から、現在の名前で開発が続けられている。
しかし、同じ「OpenOffice.org」の血を分けた兄弟プロジェクトである「LibreOffice」が順調にバージョンアップを重ねているのに対し、「OpenOffice」の方は新機能の追加はおろか、緊急を要する脆弱性を修正するためのリソースにすら事欠き、2016年9月にはApacheソフトウェア財団の理事会から説明と是正を求められる事態に陥っていた。
それをきっかけに何度か「OpenOffice 4.1」のアップデートは実施されたものの、その内容は機能の不具合とセキュリティ問題への対処にとどまっている。執筆時現在の最新版は昨年9月リリースのv4.1.7で、計画されている機能アップデート「OpenOffice 4.2」のリリースはいまだ実現していない。
「OpenOffice」の開発チームは、開発プロセスを手助けしてくれる人員を必要としているとのこと。ソフトウェアエンジニアやプログラマーでなくても、「OpenOffice」をインストールして品質や信頼性を評価したり、ユーザーインターフェイスの翻訳、バグレポートの提出、ドキュメントの作成といった形でプロジェクトを支援することも可能だ。興味のあるユーザーは開発用メーリングリスト(dev-subscribe@openoffice.apache.org)にメールを送ってほしいとしている。